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カピバラ。 その名前の由来ってなに?
カピバラ。のっそり。ゆったり。お風呂に入ってる。
ブラウン色でゴワゴワの毛質。大きなネズミ。
あのカピバラですが。
【カピバラ】の名前の由来はご存知ですか?
ちなみに和名では【鬼天竺鼠】オニテンジクネズミ
“鬼”と付きますが決して凶暴や恐ろしいという意味ではなく“大きい”という意味で“鬼”という言葉が使われています。
ちなみにのちなみにですが、
【天竺鼠】テンジクネズミ
はペットでもお馴染みのモルモットのことを言います。
さて、カピバラ。
英語ではCapybaraと書きます。
英語で表記されますが英語圏では野生のカピバラは生息していません。
野生のカピバラは南米にのみ生息しています。
よって、もともとのカピバラの名前の呼ばれ方は南米の言葉に語源がある訳です。
南米はスペイン語。またはブラジルのポルトガル語話者で大多数を占められています。
しかし、中南米では今もなお伝統的な生活を送り続ける先住民族が多く生活しているため部族の言葉は継承されてる場合も多くあります。
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その中にヒントがあります。
ズバリ!カピバラの名前の出所は南米の南東部にあります。
現在のブラジルからアルゼンチンにかけての地域です。
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ブラジル、アルゼンチン、ボリビア、パラグアイには今も“トゥピ族”と呼ばれる部族の血が流れる人々が生活しています。彼らは、ポルトガル語やスペイン語だけではなく部族の言語である『グァラニー語』も伝承して話しています。
しかし今は、部族と言っても昔ながらの伝統的な生活をしているわけではなく大型の農場を運営していることが多いようです。一見すると一般的な生活をする人と洋服も着ていて何にも変わりはありません。
その中でもアルゼンチンのイベラ湿原では伝統的なトゥピ族の狩猟生活の様子を資料館で詳しく説明されていてじっくりと観覧することができます。
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そのグァラニー語の言葉の中にカピバラを意味する言葉があります。
彼らはカピバラのことを
『Tupika’apiûara』 カピウアラ
kaá(葉)+píi(細い)+ú(食べる)+ ara(動作主名詞の接尾)
と呼んでいて、15世紀末に南米を植民地化をするために進入したスペイン人やポルトガル人が彼らトゥピ族と接触した時に
スぺ人・ポル人:「あの動物はなんだ?」
トゥピ人:「カピウアラ」
なんて会話があったのかもしれません。
その名前をヨーロッパの自国へ持ち帰り
“カピバラ”という名前に変化したと考えられる訳です。
『Tupika’apiûara』 カピウアラ
この言葉は“細い草を食べる主”という意味もあります。
また“草原の主”や“草原の覇者”という意味もあるようですが意訳となるためあくまで名前の由来は諸説あります。という表現にはなるので注意です。
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僕がアルゼンチン訪問の時の調査ではトゥピ族との直接のインタビューは実現できませんでしたが今後のカピバラ調査の時には必ずコンタクトを取りたいですね。
さて次の回では、中南米各国のカピバラの呼ばれ方の違いとその中でも
「何だよその名前?」
となった、中南米のパナマ共和国で僕が経験したカピバラの呼ばれ方についてお話ししていこうと思います。
Chao!