AZA (アメリカ動物園水族館協会)カピバラケアマニュアルを基に日本国内のカピバラ飼育状況と比較する
これから書いていくカピバラ飼育マニュアルは、AZA(米国動物園水族館協会)の協力により2021年8月に発行された文章を元にカピゴン松島が日本全国でのカピバラ飼育園館を訪問してきた経験を含めた解説をしていきます。
またこのマニュアルは、AZAに認定された動物管理の専門家が提供する知識を基に作成され、動物ケアおよび福祉の向上を目指した基本的な要件やベストプラクティスがまとめられています。科学の進展により実践が進化するため、このマニュアルは常に更新が必要とされていてまた、法令に準拠しつつ、各施設や個々の動物の特定のニーズに合わせた適応が推奨されています。
アメリカでカピバラを飼育している商業団体や媒体はありますが必ずしもAZAの承認を受けていない点があるため注意が必要です。
温度と湿度管理
カピバラは温度や湿度、天候などの悪条件から保護される必要があります(AZA認定基準 1.5.7)。この基準では、動物が屋外にいる場合でも快適に過ごせるように、十分な囲いなどの保護設備を設置することが義務付けられています。
AZA認定基準 1.5.7では、動物が以下のような場合に保護されることが求められます。
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