「笑顔のたえない職場です。」で見る漫画家のコミュニケーション
記事に興味を持っていただき
ありがとうございます。
今回は第3巻が今日(4月14日)に発売された
「笑顔のたえない職場です。」
という漫画を紹介していきます。
作者・くずしろ先生
作者のくずしろ先生は2021年4月現在
6作品も連載されている超スゴイ人なんです。
さらには6月12日から
「雨夜の月」という新連載も始まります。
女性を主人公にした漫画が多く、
女性らしい繊細な絵が特徴です。
ストーリーは主に人間関係や
コミュニケーションを
コミカルに描かれています。
あらすじ
新人漫画家の双見奈々は
連載に追われている状況でも
担当編集の佐藤楓へ深夜に電話を掛けるか
悩みまくります。
さらには変な妄想までし始めた挙句
「嫌われてしまう」と
慌てだす心配性な性格です。
そんな様子の双見に対して
頼れるアシスタントの間瑞希は
切れ味の鋭いツッコミを入れて
仕事をするように促してくれます。
他にも多くの人たちに支えられて
漫画を描く「漫画家」という職業に
フォーカスを当てたお仕事漫画がこの
「笑顔の絶えない職場です。」
という漫画です。
見どころ
漫画家を題材にした漫画はいくつかありますが
私が思うこの漫画の特徴は
「漫画家のコミュニケーション」を
描いているところだと思います。
担当やアシスタントとの連携や、
単行本が発売されたときに
広報や書店員とのやりとりなど
漫画をどうやって描くか、ではなく
漫画がどうやって作られているかを
面白おかしく表現されています。
特に私が思うこの漫画の好きなところは
「セリフ回し」です。
「笑顔の絶えない職場です。」には
派手なアクションや説明がありません。
ほとんど会話で進行していくため、
どんなセリフを発しているかは
とても重要だと思います。
また、双見の妄想が加速していくと
セリフはどんどんリズミカルになり、
捲し立てているのが伝わってきます。
対してアシスタントの瑞稀が
双見にツッコむセリフは非常にコンパクトで
切れ味するどく的確に返してきます。
その結果、会話のテンポが良くなり
頭の中で自然とセリフが音声として
再生されてきました。
なるほどこれが「キャラクターが生きている」
ということかと思ったほどです。
この「笑顔の絶えない職場です。」は
熱くなるようなライバル関係も
連載が危ぶまれるようなピンチも
心を揺さぶるような恋愛もありません。
ただ担当編集に電話をするかで
アシスタントと押し問答を繰り返すだけの
新感覚お仕事漫画です。
だからこそ漫画ひとつに
どれだけ沢山の人が携わっていて、
漫画を描くこと以外にも
漫画家の苦悩があることを知れると思います。
そんな漫画家のコミュニケーションについて
描いた「笑顔の絶えない職場です。」を通して
今後も双見先生の活躍にご期待ください!