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まほやく|フィガロの望みとは。

地獄の釜は、あなたを待っている

こんにちわ。
異世界時短勤ム者です。

本日は、イラストを見る限りいい男でありいい声優も付いているが、落ちてはいけない危険な男、フィガロ先生の話をさせてください。ネタバレがだめな方は避けてください。むしろここで挙げられたネタを見て、アプリを開きストーリーを見直し、この情報を足せと私に迫る、地獄の釜に身を投じるような貴方を、私は待っています

復刻イベントという修行はいかがでしたか

さて、先日、復刻イベントが終了し、賢者の皆様におかれましては、過去まだ見ぬストーリーのオープンに余念なくPDCAを回されていたと思いますが、私も、勤務と家事育児の合間を見てストーリーを2本拝見することができました。
それが、いずれもSSRフィガロがいる以下2本。

  • 花根付く診療所のラプソディ

  • ローレライの涙は海に溶けて

別にフィガロのSSRを狙ったわけではありません。
私は、正直フィガロは厳密にいうところの推しではないんです。誤解しないでいただきたい。ですが彼は、他人が理解するには厄介な男であり、気になっているところではあったので、SSRがあるならまぁストーリーに出てくるだろうと思ってやったのは事実です。認めますギルティ。

フィガロの経歴

そもそもフィガロ先生のステータスと公式にわかる来歴をだらだらと記載しましょう。私のために。

※以下、ネタバレ情報とそれを踏まえた解釈が入りますので、そういったものを好まない方はご覧にならないでくださいね。

フィガロは183センチと非常に背が高く好青年の面表。ですが、かなり古からの魔法使いであり、2000年は生きている。出てくる魔法使いの中でもかなり長寿です。本人曰く32歳ですが、おそらく魔力の成長が止まり、体の成長が止まったのは32歳ということなのでしょう(適当)。
彼は北のとある村の出身で、雪崩で村が崩壊、魔法使いのフィガロだけが助かり、放浪することになりました。その後、同じく北の魔法使いであるスノウ&ホワイトの双子に師事し、魔法を学びます。彼の魔道具であるオーブはその頃、双子先生が送ってくれたものだそうです。
その頃からフィガロを知る双子先生は、フィガロをこう評価しています。

フィガロは賢い子じゃ。親しげに笑いながら、よく人を見ておる。魔法が使えなくても人を操れたじゃろう。
フィガロはしたたかな子じゃ。何故、善良ぶっているのかはわからんが、冷酷で非常な魂を持っておる。

迷子の大人 より

フィガロは南の国で医師をしていますが、この二人が言うように、人と触れ合うコミュニケーション力、命を預かる医師としてやっていける度量と賢さについては、文句なし、というところでしょう。

その後、ファウストを弟子として革命軍に参加、建国時代を生きますが、突然冷めてフラッといなくなったと評されています。

フィガロは最悪の魔法使いだ。いい加減で、軽薄な、嘘つき。
優しいふりをして人の心がわからない。
ふん……。ある意味、僕の理想だ。見習いたいくらいだよ。

迷子の大人 より

そこから結局南の国に定住し診療所を開設、大魔女チレッタの残した兄弟の面倒を甲斐甲斐しく見ながら、彼らの前では魔力の弱い南の魔法使いのふりをして生きているという設定です。

冷酷で徹底合理主義の本質

さて、ここからはフィガロの内面に入っていきます。情報不足なくせに解釈がふんだんに入っておりますのでご注意ください。

魔法使いたちが酷評するように、フィガロは冷酷で合理性を重視する魔法使いです。長く生きている障害なのか、目的達成のためには、自身が大切にするべきものでは?と思うものすら壊してもよいという判断をします。2000年も生きているのですから、きっとこれまで数多くの大切にしたいものが、彼の目の前を過ぎ去っていったに違いありません。
私がPDCAを回した「花根付く診療所のラプソディ」では、悪霊退治のために、南の魔法使いたちが大切にしてきた自分の診療所を壊そう、と効率厨かと思わせるド発言をするフィガロが出てきます。人心掌握にたけているはずの彼が、人の心を読めないはずはないので、仲間から反発が出ることはわかっています。その上で彼は、自身にとっても皆にとっても合理的な方法を選択するべきだと考えています。
感情に左右されない、故に理解されにくい、というのがフィガロの本質ではないかと私は思っています。今の彼自身は残酷なことをしたいというわけではないのですが(過去、やんちゃで済まされない時期もあったでしょうが)、他人を傷つける可能性があっても自身にとって合理的選択をするので、それが他人から冷酷と評されてしまうのです

まあそれって冷酷っていうんですけどね

さみしがり屋のフィガロ

世界を彷徨いながら、長い間、探し続けているのかもしれない。
……足を降ろして、留まれる枝を。

迷子の大人 より

上記は、弟弟子であるオズの言葉です。掌で人を転がすことが得意な男とみられる一方で、付き合いの長い長寿の魔法使いたちは、彼を寂しがり屋だとも言っています。

フィガロは、子供の頃、自身の村が雪崩で全滅するという経験をして、人間の無力さ、はかなさ、そして疎外感を強く感じたようです。子供の頃から放浪してきた彼は、持ち前のコミュニケーション力と頭の良さで乗り切ってきたものの、自身が魔法使いであるという特別感と長寿の生き物であるが故のいくつもの別離、そしてそれらから感じる孤独感・疎外感……これは心にこたえるものがあったに違いありません。
ファウストという弟子を得て、自分を褒めたたえ、信じてくれるものの存在に触れ、魔法使いであればずっとそばに居続けてくれるかもしれない、と感じていたこともあったはず。でも結局、革命軍の最後の戦いを前に、ファウストの前からは姿を消しました。合理的な彼の考えでは、革命軍には自分がいないほうがファウストの手柄になって良い、とでも思ったのでしょうか。それともアレクを甲斐甲斐しく補佐をするファウストに嫌気がさしたのでしょうか。

他人と繋がれるチャンスがあっても、自身のイメージとそぐわなければ離れてしまうフィガロ。彼は計画通りにいかないことが苦手とされています。自身の能力が高いため、相手に求めることすらせずに、一人で決定して実行するというような行動をするようになった、と考えられます。
同じ南の国の魔法使いであるレノックスは、フィガロがかつて自身の主人であったファウストを捨てた男という先入観もあるからか、どうもフィガロとは合わずに意見が割れ、いさかいが起きることが多い気がします(診療所シナリオ、カエルシナリオでもあったような……)。
でもレノックスを羊使いにあっせんしたのはフィガロだとのこと。基本は他人に親切な自分でいたい、そうでありたいと思っているのではないでしょうか。

結局、今彼は相手から親近感を持ってもらえる自分を演出しつつ、仲間と付き合うようにしています。南の国の魔法使いである兄弟ルチルとミチル、特に呪いの子という予言がつきまとうミチルについては大切にしていますが、自ら別離を選んだファウストと同じようにならないよう、注意して付き合い方を管理しているのかもしれません。弱い自分に見せかけるのは、南の国に溶け込み、必要とされる自分だけではなく、自分も誰か(ミチル)を必要としている、そういう人間らしい関係性を期待しているからでしょうか。

……彼にとって、南の国は安堵できる止まり木になっているのでしょうか。

死期を悟ったフィガロの望み

フィガロは、自身の死期が近いことを予感し、それを恐れている様子も見受けられます。

今は逆だな。俺だけが消える予感がしている。
ひとりぼっちで石になりたくないな……。

迷子の大人 より

フィガロは、子供の頃住んでいた村から一人だけ生き残り、今度は一人だけで死んでいくのか、と思いを巡らしています。
いつ死ぬのかについては、数十年なのか数年先なのか、明確な表現はなかったため、これがどう今後のシナリオに響いてくるのかはわかりません。次に月がやってくるのは1年後、死期はそのあとであり、あくまでもフィガロの背景設定のみに収まる、という可能性もあります。

メインストーリーでは、魔力が少しづつ弱まっている(漏れ出している)ことを魔力の高いミスラは見抜いて不思議がる様子がありましたが、実際に自身の死期が近づいていることを打ち明けて、後を預けようとしているのは弟子のファウストだけです。リーダーの素質があり親切で、南の国の魔法使いを預けられる人はファウスト、ということなのでしょうか。

でも、死期を悟ったフィガロが、今、心から欲しているのは、死ぬ、まさにその時に、自身の喪失で、ただ悲しんで涙を流してくれる人だと思います。
死ぬときに、南の国の魔法使いや、ファウストに、そして人間達に、惜しまれ悲しんでもらえる、優しい医者の魔法使い。
自分は孤独ではない、と感じる最期を迎えたい。
それがフィガロの最後の願いでしょう。
幸せな最期を迎えるためにも、彼は南の国の魔法使いたちが安心して過ごせる国を、魔法使いと人間が安心して過ごせる国を作っておきたい、のかもしれませんね。

さて、フィガロとファウストのくだりについてのストーリーはまだ詳しく読んでいませんので、まだお話しできませんが、建国時代の話は、ファウストに仕えていたレノックスも含め、3人の関係性や思いが詰まっているので、是非今後読んでいきたいストーリです。…てどれ読めばいいんだっけ。

また、チレッタの子供ミチルを保護していくまでの経緯は、もう少しフィガロの本質を知る上でも詳しく理解しておきたいものです。普通に考えて、オズがアーサーを育て始めるという、魔法界における衝撃の出来事の後、ミチルが生まれているでしょうから、それに感化されて、チレッタに産むのを反対したフィガロがミチルの世話を焼くようになったのでしょうか。はてさて。

今後、さらにストーリーを読み進めていって、追加情報があれば足していきたいと思います。

それでは、いい月夜を。


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