7月3日(土)パースペクティブ
ひとしきりザーと来た夕立的なんが上がると、四角い建物の上にたったいま雨で洗われたばかりの透明度の高い青空が拡がり、キリコの絵画の中にでも迷い込んだような感覚に襲われた。
ン十年振りで眼鏡を掛けて外を歩くようになった初日の出来事である。
言葉が「刺さる」という言い方が何となく嫌で、それはもう、聴こえるだけで不快だったので、自分のコピーについて刺さるか刺さらないかなどが議論されはじめた途端「そんな痛そうな言い方せんとってくださいよ」か何か言って混ぜ返したことがある。
「違う景色を見たい」という、昨今しばしば耳にする定型フレーズについても、痛みこそ連想しないが微妙な不快感は「刺さる」に近いものがあり、どっか旅行でも行っといでやイスラム圏とか……などと思っていたんですが。いやはや、もう何と言うか、景色というより世界そのものが変わるような体験は、マインド遊園地のジェットコースターさながらに強烈。
実はまあまあ近視なんだけど、手元の文庫本やスマホの文字が読めないほどでもないし、特に夏場は度の入ってないサングラスを掛けることはあるものの基本裸眼で通してきた。
だがしかし、久々に掛ける度の入った眼鏡は、シンクロエナジャイザーのようだった。
写真は今日のフラワーロード。