言葉にするためには。
IT業界の仕事って、言葉について結構シビアだな、と個人的に思う。
技術や仕様としての正しい表現、ということを考えたり、異なるバックグラウンドの人が見ても誤解されないようなドキュメントを作ったり。
パソコンに対しては、コマンドという形で定型的な命令があるので、伝え方にはそんなに困らない。
コマンドのことを詳しく覚える必要はあるけれども。
かと言って、じゃあ対人間の仕事がすべて言葉へのシビアさを持っているかというと、それも違うかな、と思う。
音楽を教える時は、正確性とかはあまり気にしない、どころか意図的に捨てていることも多い。
非言語なコミュニケーション、例えば実際に音を聴かせたり、身体の動かし方を教えたりと、そちらの方が有効なパターンが多いからだ。
むしろ、言語化できない部分を扱っている、のだとも思う。
それを知っているので、ITの、に限らず、文字だけのコミュニケーションは、たまに歯がゆい。
ただ、困ったらじゃあ対面で!とか、電話で!とかってなるんだけど、それもそれでどうだろう、と最近は思い始めた。
誤解を恐れずに言えば、それは自分の中の言葉をまとめて文字に起こす、という努力を放棄した、という場合もあるからだ。
話した方が早いしラクなんだけど、そればっかりに頼ってしまうと、言葉にするためのチカラ、というものがいつまで経っても育たないなあ、とふと感じた。
先日読んだ古賀さんの本。
「コトバミマン」って、本当によく練られた言葉だなあ。
今、自分の中の「コトバミマン」が溢れてしまっているので困っているところです。
それでも、その状況を当てはめた単語があるってだけで少し救われた、かな。
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