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Small Talk 力を磨こう 8

ビジネスの扉を開くSmall Talk辞典 (監修 松田弥生)

l  Legacy admissionとは、アメリカの学校で行われている、卒業生の子女(場合により甥、姪などの親戚も)を優先的に入学させるシステムをいう。こうして入学する学生のことを、legacyと呼ぶ。
l  裕福な卒業生は母校に多額の寄付を行うことも多く、legacy admissionは学校の維持に不可欠な寄付金を募る手段でもある。このシステムの擁護派は、卒業生の子女などであることは入学考査において要素の一つでしかない、寄付金を確保することで優秀だが貧しい学生への奨学金などが可能になる、などと指摘する。一方で、このシステムで入学が認められるのは富裕層の白人が圧倒的に多く差別的であるとの批判も根強い。
l  過去40年間以上にわたって行われてきたaffirmative action(歴史的に差別されてきた人種の雇用・教育に関する種々の是正措置)に関し、2023年6月に連邦最高裁がハーバード大学及びノース・カロライナ大学のaffirmative actionプログラムが合衆国憲法修正第14条に基づく法の下の平等に違反していると判断したことで、legacy admissionへの批判も改めて高まっている。
l  2023年7月、legacy admissionで入学する生徒の圧倒的多数が白人であるとの人権団体の申立を受け、米国教育省は、ハーバード大学の入学考査制度について連邦公民権法違反の有無の調査を開始した。ちなみに、この申立は、2014年から2019までの間、同大学の寄付金関連の志願者の合格率は他の志願者の約7倍、親や家族が卒業生である志願者の合格率は他の志願者の約6倍であったと主張する。


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