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ウブドでガジェットを撫でる風(バリ島)

インドネシア、デンパサール地区。
バリ島はいくつかの地域に分かれている。
わたしが訪れたのは、山奥のウブドと、天国のような海辺サヌールだけど、約10日間の旅で、主にジャングルみたいなウブドにばかりいた。

なぜそこに留まることに決めたのかというと、バリ島の中でも最も開発が進んでいないであろう地域であると予想したため。
元々密林やジャングルに憧れがあったから、多少観光地化されているとはいえ、この前までトラがいたような、鬱蒼とした山奥を選んだ。わたしはアジアの熱帯が好き。

しかし、バリ島は、良くも悪くもほぼ全域が観光地化された島なのだと思う。
ウブドもやはり例外ではなく、特に、ヨーロッパやアメリカの人に人気があるようだった。日本人をはじめとしたアジア人はあまり多くはなかったが、探検家みたいな格好をした欧米人が、我が物顔で往来していた。

そんなウブドで印象に残ったもの。

①地元の有志でやってるチケット手売りのケチャ。
ケチャっていうのは大人の男達が輪になってケチャ、ケチャとリズミカルに唱えながらトランスしていく呪術的儀式。を、観光客が見やすくしたパフォーマンス。王宮の大きいのも見たんだけど、全然町の公民館みたいなとこでやってるやつのほうがいい。

②広大な田んぼ(ライスフィールド)に隣接する、櫓のようなワイファイ付きカフェ。
サワサワとした稲穂が揺れる音、ザァザァと降る大雨、遠く聞こえる多様な鳥の鳴き声、吹き抜けになった窓のない屋形は、そういう変わりやすいバリの空気にぴったりだ。

この2つには共通の不自然さがある。
それは、伝統や田舎臭さが、スマートに観光地化される速度に寄り添わず、ずさんに残っている生々しさや、怠惰さ、野蛮さ

お洒落なカフェでWi-Fiを繋いでiPhoneやMacbookをいじる。スコールが降ったり晴れ渡ったりを繰り返しながら、気持ちの良いそよ風がガジェットと私たちを撫でていく。そうするとなんとなく不思議な気持ちになる。

吹き抜ける風や地域の風土はのんびりなのに、ウブド人はけっこうせっかちなのだ。やっぱり不思議な気持ちになる。多分落とされる資本の流れが早いから、土地や自然おいて、先に人だけせっかちになったんだろうと思う。
奇妙な不自然さ。違和感。それに奥行きや歴史を感じて、わたしはとっても気になった。

旅行すると、各国、各地域で、
・その土地の自然の性質と
・その土地に生きる人々の元々の性質と
・時代によってもたらされた変化

が起こす、化学反応を見ることができる。
わたしにはそれがとても勉強になるし、面白くて、愛おしい。

と、そういう観点でのメモ的な意味も含め、
今後もこのブログは書いてゆくつもりです。


p.s.

バリの木の彫刻はとても豊か。

南アフリカの石の彫刻はとても膨よか。





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