46、「ま、ええか」 七村守さんの巻
リクルートの先輩でもあり、人材ビジネス協議会の会長をしているセプテーニ・ファウンダーの七村守さん。
IMJがIPOしたての頃、一足先に上場していた七村さんに上場企業が直面する様々な事象について、「転ばぬ先の杖」的に教えてもらうことが多かった。
上場企業のお作法に限らず、経営者は社員に言えないことも多い。弱音、悩みの類は社員を不安にさせるだけなので、口にすることはない。自分で解決するしかないが、少しは気持ちをわかってくれる、同じ経験を乗り越えてきた、解決のヒントをもらえるというのは実にありがたい話だ。
かつては銀座のクラブのママがそんな役割を担っていたのかもしれないが、今は時代も違う。特にIT業界は特殊な業界でもあったので、共通言語で話せる経営者が少なかったのもあるかもしれない。
そんなとき、七村守さんとのぶっちゃけトークはとても心に響いた。
話の内容は、事業構想から自分の引退時期や後継者問題、自身の給与の取り方や資産運用まで多岐に渡ったが、各論の話以上に勉強になったのが「心の持ち方」。
どれだけ頑張っても、すべて成功することはあり得ない。失敗はつきものだし、穴があったら入りたいこともある。
そんなとき、「ま、ええか」と頭と心を切り替える術を七村守さんは持っていた。
その言葉を必ず口に出して、スイッチを入れ替える。仕事でもゴルフでもそう。
そしてまたいつものように前に進む。僕はまだまだ失敗を思い出して、後悔したり、反省したり、なんならやり直したいなんて思うことがあるが、そうして引きずっていて良いことは一つもない。
スポーツ業界で、アスリートのメンタルの重要性は定着しているが、ビジネスにおいてもメンタルのあり方が実はとても大切で、それが能力に匹敵するくらい結果を左右するのじゃないかと僕は思っている。
「ま、ええか」、バッチリ関西人の七村守さんにぴったりの言葉。
僕もベタベタな印象にならない程度に、使わせてもらっている。