IMJものがたり45 50億円の「のれん代」とセカンドベスト
大株主の了解を取り付けて、X社との経営統合の話を進めることになった。
事業計画のすり合わせ、シナジーを生み出す方法、組織融合の仕方、社名など、協議すべき事項は山ほどある。
それぞれの社員の気持ちも考え、いきなり合併してひとつの企業になるのではなく、ホールディングカンパニーを設立し、その傘下に統合前の2つの会社がぶら下がる形にしようと考える。これまでの業界でのポジションやブランドを考えると、社名はしばらく残した方が営業的にも得策だろうという判断だ。
かつて、銀行業界が再編で合併を繰り返し、名前がコロコロ変わり、いくつもの銀行名がくっついたような長い社名になったかと思えば、しばらくしてシンプルな銀行名に変わるのを目にしてきたが、その大変さを我が身のこととして感じた。
頭取人事も中心になった銀行がずっと頭取を出している合併もあれば、出身銀行それぞれから交互に頭取を出し合う場合もあるように、我々の場合は合併当初は先方社長が会長、私が社長。融合が進めば、私が会長になり、先方の後継者が社長に就き、その後は実力次第の人事にしていく方針で一致していた。
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