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〝真理学〟入門 ⑥除霊による精神病治療のメカニズムその②『迷える霊との対話』より

こんばんは。
前回に引き続き、ウィックランド博士の『迷える霊との対話』の冒頭部分をご紹介します。
それでは始めましょう。

実例・死後も肉体に執着するスピリット

 その目的への準備として、霊団側はしばしば私のまったく予期しない時に色々な現象を起こしてみせた。その幾つかは、私が医学部に籍を置いて間もない頃に起きた。

 ある日私は、最初の解剖実験をその日から始める意図もなしに家を出た。したがって、妻の潜在意識が、そのあと起きた現象に何らかの関わりをもった可能性は考えられない。

 さて当日は、学生は一つの死体を上下半分ずつ解剖することになった。最初の死体は60歳ばかりの男性で、私はその日の午後から下肢の解剖に入った。

 帰宅したのは午後五時頃だった。ドアを開けて中に入るや否や妻の様子が急におかしくなり、妙な気分がすると言いながら今にも倒れそうによろめいた。私が妻の肩に手を置いたとたんに、しゃんと身を起こした。何者かに憑依されていて、それが脅すような身振りをしながらこう言った。

 「俺を切るとは、一体どういうつもりだ!」
 誰も切った覚えはないと私が言うと、そのスピリットはこう言って怒った。
 「切ってるじゃないか! 俺の脚を切ってるじゃないか!」

 私は、この男は私が今日解剖した死体の主で、大学からずっと家までつけてきたのだと理解がいったので、そのスピリットと語り合おうと思い、とりあえず、その(妻の)身体を椅子に座らせた。すると、
 「コラ! 人の身体に勝手に触らんでくれ!」
と言うので、
 「自分の妻の身体に触って何が悪いんですか」
 と言い返すと、
 「お前の妻だと!? 一体何の話だ。俺は女なんかじゃない、男だぞ!」
 と怒鳴るのだった。

 そこで私は、彼がもう肉体から離れて、今は私の妻の身体を使って喋っていること、つまりスピリットとなってここへ来ており、肉体は大学に横たわっている事実を説明した。どうやらそのことが分かってくれたようなので、私はこう付け加えた。
 「たとえ私が、大学に置いてあるあなたの肉体を切っているとしても、それであなたが死ぬわけではないでしょうーあなた自身は今、ここにいるんだから」

 すると彼は、なるほどもっともな話だと答えてから、こう述べた。
 「どうやら俺は(死者)の仲間入りをしたに違いないな。となると、あの古ぼけた肉体にはもう用はないから、勉強の材料になるのなら思い切り切り刻んで結構だ」
 そう言ったあと突然「だんな、噛みタバコを恵んでくれんかな」と言うので、私がそんなものはもってないと言うと、今度はパイプをせがんで「一服やりたくてたまらんのだ」と言った。

 勿論私は断った。(妻はタバコを噛んでいる人を見るとひどく嫌がっていたから、この現象に妻の潜在意識が関わっていた可能性はないことになる)。そして、今はもう[死者]となっていることを、さらに詳しく説明してやると、ようやく事情が呑み込めたらしく、妻の身体から去って行った。あとで死体の歯を調べたら、噛みタバコの常習者であることが判明した。

 もう一つは、私が実地教授の助手に指名され学生の前で解剖することになった時のことで、ある黒人の死体が選ばれた。その日は何も手をつけずに帰宅したのであるが、その夜になって妻が憑依状態となり、こんなことを喋った。

 「大将、この俺を切ってくれるなよ」
 私は、彼がもう死んでしまっていること、今は古びた肉体ではなく女性の身体を使って喋っていることを話してきかせた。が、信じてくれないので、私は妻の両手を見させて、黒人の手ではなくて白いでしょうと言ってみた。が、それでも信じないで、

 「それは白く塗っているからだよ。俺は白壁塗りが仕事だもんな」と言う。

 随分頑固なスピリットで、こんな調子の言い訳や弁解ばかりして私の言うことを認めようとしなかったが、最後は得心して去って行った。

 スピリットが死というただの移行現象に気づかずに、信じられないほどしつこく肉体に執着していることを証言する例として、次のようなものがある。

 シカゴの郡立病院で死亡した40歳ばかりの女性の死体が、解剖室に安置されていた。

 死後七ヶ月たった翌年1月に、私を含む何人かの学生がその死体の解剖を指示された。解剖が始まった最初の日の夕方は、訳あって私は参加できなかった。

 その最初の解剖の二、三時間の間にどんなことが起きたのかは、私は何も聞いていなかったが、なぜかその日参加した学生は、二度とその死体に触れたがらなかった。

 翌日の午後は授業がなかったので、私は一人で解剖することにし、腕と頸部にメスを入れ始めた。

 すると、解剖室は長い地下室の奥にあって物音一つしない所なのに、解剖の途中で、小さいがはっきりとした声で「私を殺さないで」という声が聞こえた。遠くから聞こえる微かな声だったが、私は迷信的なところは微塵もなく、些細な出来事を一々スピリットの仕業にするタイプではないので、多分道路で遊んでいる子供の声だろうくらいにしか考えなかった。もっとも、よく考えてみると、その時、それ以外に、子供の遊び声は一切聞こえていなかった。

 翌日の午後も私は一人で解剖していた。すると床の上にまるめて置いてあった新聞紙が、ちょうど紙くずをクシャクシャにまるめる時に出るような音を出したので、さすがの私も一瞬どきっとした。が、この時も特に気にせずに、帰宅後も妻には何も話さなかった。

 そうした出来事をすっかり忘れていた数日後のこと、私の家で(時折開いていた)ホームサークルが開かれた。霊媒の妻を通じて見えざるスピリットが変わるがわる語り、それも無事に終わって、いつもならそこで妻が入神状態から平常の状態に戻るのだが、その時はなぜか憑依状態のままの様子なので、私が確かめようと思って席を立って近づくと、妻がいきなり体を起こして平手で私をぶった。そしてこう言ったー。

 「あんたに少しばかり言いたいことがあるのよ!」
 そう言ってから私に激しく食ってかかり、少しの間もみ合った後、私が一体どうしたというのかと尋ねたところ、
 「なぜこのあたしを殺そうとするのよ?」と言うので、
 「私は誰も殺そうとなんかしてませんよ」と言い返すと、
 「いいや、してますーあたしの腕と首に切りつけてるじゃない! 殺さないでと大声を出して床の上の新聞紙を叩いて驚かせたのに、あんた、知らん顔だったわね!」
 そう言ってからケタケタ笑い出して、こう付け加えた。
 「でも、あの連中は上手く脅かしてやったわ」

 この女性霊は生前ミニー・モーガンと言い、現在の身の上を説明するのに随分暇がいったが、ついに得心してくれて、高い世界を目指すように心がけますと言って去って行った。

『迷える霊との対話』ハート出版刊より抜粋
C.A.ウイックランド著
近藤千雄訳

地上次元に縛られている人霊を地縛霊と呼びますが、実は縛り付けているのは自分自身で、肉体を失ったのちも地上的な執着が手放せず誰かの身体を利用して欲望を満たそうとします。

アルコール、喫煙、ギャンブルなどに囚われて、本来進むべき道へ進まず肉体を持って生きている人々に迷惑をかけている困った人々です。彼らは生きている人間に憑依して、その人と同じ肉体感覚を味わおうとするのです。

あるいは、大好きだった人が忘れられないだとか、所持していた財産が気になる、中には自分のお墓がどうなっているかが気になって地縛霊になっているというケースもあります。いずれにしても、このような状態が続けばさらに下の苦しみの多い世界へ行く事になります。

このような人々は、自分が何をしているのかを自覚しておらず、その結果どのような道程を辿るのかもわからないまま過ごしています。ですから、肉体を持ってこの地上に生きている間に死後の具体的な知識を得る必要があるのです。

それも、きちんと科学的な裏付けの取れた知識でなければいけません。

誤った死後観を持ったまま他界すると、自分自身が作り出した妄想の具現化した世界に迷い込む事になります。

特定の宗教や思想の誤った死後観に囚われて、先へ進めないでいる人も多いのです。

それでは、正しい知識とは何かという事になってきますが、これは自分で理解して見極めなくてはいけません。

誰かの言うことを鵜呑みにしていてはいけません。神から授かった理性を使って判断する義務が私たちにはあるのです。

今日はここまでとします。

私たちが理性的に生きられますように。

…そうそう、ひとつだけ善行をしましょう。
『この地上に縛られて苦しんでいる人々が、一日も早く実相に目覚めて本来進むべき道へ導かれますように』
このように祈って下さい。

祈りは必ず届きます。
そして、思っているよりも大きな効果があります。
天に宝を積んでください。

あなたが天に召された時に
その恩寵を理解される事でしょう

Capella✝️


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