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バレエ感想㉒「The 2nd Ballet Education」田北志のぶガラ

大好きな直塚美穂さんが出演されると知ってからというもの、ずっと楽しみにしていた公演に行ってきました。
ガラは3部あったのですが、直塚さんの出演は1部のくるみ割り人形のみで、金平糖の精を東京シティバレエ団プリンシパルのキム・セジョンさんと踊られました。
夢にまで見た直塚さんの金平糖、とっても可愛くて、とっても優雅で本当に素敵でした。
今回のガラでは、主催の田北さんがウクライナで活躍していたこともあり、キエフバレエで上演されていたヴァレリー・コフトゥン版という非常にレアなバージョンでした。

スペイン・アラビア・中国・ロシア・花のワルツが出てくるところなど、基本設定は同じなのですが、金平糖の精のパドドゥは今まで見たことのないもので、面白かったです。田北さんのオープンクラスの生徒さんがメインなので、直塚さん以外は全然分からなかったのですが、ロシアの踊りの池田剛志さんという方がリズムの取り方や動きがとても素敵で、調べてみたら東京シティバレエ団で活躍されているプロの方でした。さすがプロです。

そして最後に直塚さんが出てきたのですが、このパドドゥが本当にすごかったです。まず、出てきた瞬間に客席に伝わってくる直塚さんの強いエネルギーに鳥肌が立ちました。ニューイヤーバレエのMillion kisses to my skinでも、もの凄いエネルギーを感じましたが、金平糖でも感じました。1人のダンサーからこれだけのエネルギーを感じるのはシルヴィ・ギエム以来です。これだけのエネルギーを客席に届けられる日本人バレリーナがいるなんて。。。

エネルギーが凄いだけでなく、とにかくどのパも美しかったです。そしてコフトゥン版の動画を見てもらうとわかるのですが、色々な動きや要素が入っているパドドゥで明らかに踊るのが大変そうなのに、そんなことを微塵も感じさせませんでした。アラベスクも、ジュテも、フェッテも全部美しかったですが、久々にロシアスタイルの美しいふんわりしたポールドブラを見て、心を打たれました。直塚さんが織りなすワガノワ特有の美しい上半身や体の使い方が大好きです。
動きが美しいだけでなく、フィジカルの強さもとても伝わってきました。正直キム・セジョンさんを見てるとヒヤヒヤする場面が結構あったのですが、直塚さんの体幹の強さでなんとかパドドゥをキープしていたように見えました。

久々に直塚さんの舞台を見れて大満足な1日でした。次はぜひ新国立劇場でも直塚さんの金平糖が見たいです(キャスティング担当に届け!)

ちなみに、現在はロシア・ウクライナは戦争中であり、ウクライナ国立バレエ団ではチャイコフスキー楽曲の使用が禁止されています。ウクライナ国立バレエ団は毎年の年末年始に来日してはくるみ割り人形や白鳥の湖を上演していましたが、現在は上演が不可能となっています。日本でコフトゥン版が上演されるのは、おそらくこれでしばらく無いと思います。

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