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バレエ感想「ミックス・プロ」ベジャール・バレエ団 9/27,28,29


2024/09/27  (Julien Favreau)

9/27モーリス・ベジャール・バレエ団の公演、とても良かったです。
圧巻だったのがジュリアン・ファヴローの「ボレロ」で淡々とパを繰り広げているのに優雅で引き込まれ、変な顔芸が一切ないのに情熱を感じ、体と踊りで全てを表現しようとする姿に心打たれました。
リズムのダンサー達もとても良くて、ボレロの音楽に合わせて踊る彼らを見ていると、まるでギターの弦を弾いた振動がそのまま伝わってくるような、ダンサー達の動きがそのまま客席に伝わってくるかのような波打つものを感じました。 踊りで観客を魅了したジュリアンも素晴らしかったし、リズムのダンサー達も圧巻でした。見れて良かった!

「だから踊ろう... !」「2人のためのアダージオ」「コンセルト・アン・レ」は初見なのでよく分からない部分もあったのですが、共通して思ったのが色彩の美しさ。 衣装がどれも絶妙な色合いで、沢山の色が出てくるのにきちんと統制が取れていて、この色彩感覚はなかなか日本で見れないなと思いました。

2024/09/28 (Elisabet Ros)

9/28 ベジャールバレエ団公演ソワレ、凄く良かったです。
昨日は「よく分からん」と感じたジル・ロマン振付「だから踊ろう…!」は赤い衣装で出てきたエカテリーナ・チェビキナ(カテリナ・ケビキナ)とオスカー・フレイムが色っぽく男女の駆け引きみたいで、他のペアも会話が聞こえてきそうでとても面白かったです。
「コンセルト・アン・レ」は主演のソレーヌ・ビュレルがエシャッペで滑ったり、オスカー・シャコンも着地で一瞬滑ったり、踊りよりも床のコンディションがめっちゃ気になったけど、後半は2人ともイキイキと楽しそうに踊っていて、なんだかNYCBの舞台ぽくて面白かった。黄色い衣装の色味がカナリアイエロー、山吹色、オレンジ色みたく違っていて綺麗でした。

ジュリアン・ファヴローとエリザベット・ロスによる「2人のためのアダージオ」もとても良く、ゆっくりした情感に溢れる時間を楽しむことを思い出させてくれた。 私たちはSNSで超絶技巧やどのくらい足が上がるかなど、追えばキリのない刺激に慣れすぎて何が芸術か忘れてしまったのではないかと思いました。
どれもとても良かったですが、素晴らしかったのがエリザベット・ロスの「ボレロ」! 実はロスは50才を超えていて体力的には若い頃のようにいかないだろうから、幻滅するのでは無いかと予想していました。ですが幕が開いてビックリ、優しくて柔らかくて聖母のような暖かさを感じました。何かを伝えるというより、私たちを助けて導こうとしているかのような、聖母のような暖かさが滲み出た美しさだった。 ボレロなのに、まるでクラシックバレエの舞台のような柔らかいポールドブラをしていて、年齢を重ねても体の動きや踊りで魅せる姿を示してくれたと思います。 変な顔芸は一切無く、踊りで彼女の全てを見せてくれて感動しました。

2024/09/29 (Kathleen Thielhelm)

まさか自分の人生で、ボレロで泣く日がくるとは…。
キャサリーン・ティエルヘルム、素晴らしかった。

私は基本的に自らスタンディングオベーションって滅多にしませんが、今日はあまりに感動して自ら立って拍手してしまいました。
本当に素晴らしいボレロで、「これぞベジャールバレエ!」と言う力強い舞台でした。千秋楽にとんでもないものを見せてくれたなあ。メロディのキャサリンも素晴らしかったですが、リズムの2人のオスカーも素晴らしかった。色っぽくてセクシーで、本当に魅力的だった。キャサリーンがリズム達のワイルドさやセクシーさを引き出しているようで、ゾクゾクしました。

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