ミライのキャリア#19個人事業主とフリーランス 起業編(7)
【えりな】
今回も起業の実際編。起業には法人ではなく、個人事業主として一人で起業する、という方法もあります。実際に個人事業主であるCaol先生に、個人事業主の実際、必要なものについて聞いていきます。
【Caol】
ま、実際には個人事業主というよりフリーランスで、フリーランスとしての収入は半分で、後の半分は、雇用されて給与をもらっているのだけれども、半分とは言え、実際にフリーランスとして働いている人なので、フリーランスの実際についてお話ができるかと思います。
【えりな】
お、実は私も。個人事情主で、現在フリーと雇用半々です。フリーランスだからこそ雇われは発生しますね。でもぶっちゃけ、必要なものとかが揃ってできているのかわからないところです。
【ホリデー】
そういえば、個人事業主と、フリーランス、って何が違うんだっけ?ちゃんと考えたことなかったけど。
フリーランスと個人事業主の違い
【Caol】
そうそう、フリーランスと個人事業主って使い分けましたが、ちゃんと実態にも違いがあります。それは「開業届」ですね。これは、「私は継続して事業を行う個人です」と税務署に届け出ることです。届け出ることで青色申告という税金の優遇をうけることができます。私の場合、開業届を出していないフリーランスなので確定申告は白色申告。優遇はない代わりに手続きが簡単。
青色申告だと複式簿記が必要で経理が大変。経理の専門知識が必要。最低でも簿記3級以上の資格か知識が必要ですね。
これは外注可能で、税理士さんと顧問契約を結べば帳簿を含めてまかせることができます。もちろん年20〜30万円あるいはもっとかかりますが。
私のフリーランスの収入は副業扱い、かつ専門家として元手なしの仕事なので、これで十分ですが、事業として大きくしていきたい、という仕事の時は、開業届を出して、ちゃんと個人事業主になった方が税金のメリット大きいです。
【えりな】
ここも一緒!付け足すところがないくらい一緒です。今どうしていこうか色々迷っているところなので、これから開業したいという方も今日の回を聞いて参考にしていただけるといいかも!
【ホリデー】
僕は、まさか自分で会社を立ち上げるだなんて全然思ってなかったし、あまつさえ社員を抱えることになろうとは夢にも思ってなかったんですけど、社員の給料を払えるくらいには稼がないといけない、ってプレッシャーもあって、たまに「あ〜〜、もう個人事業主になって気楽になりたいな〜」なんて思うこともあるんすよね。
【Caol】
うまくいけば会社のほうが抜群に儲かるんですけどね。
【ホリデー】
まあ、一人ではできないことができる、というところで可能性は広がる感じはありますね。でも、一人の気楽さも憧れるんだよなあ〜。
労働集約型/資本集約型
【Caol】
そうそう、なんだかんだで一人のフリーランスは楽なんですね。で、そういう個人事業主に向いているのが知識集約型の仕事。
【ホリデー】
ほほ〜。知識集約型。わかるようでわからない。
【Caol】
まず集約型というのは、経済学の言葉で産業のあり方を表す言葉。
集約型のうち事業活動の大部分を人間の労働力に頼る割合が多い仕事、産業が「労働集約型」。法人だと売上高に対する人件費の割合が大きい産業になります。
労働集約型の反対が、「資本集約型」。資本つまり生産設備が事業の中心になる産業、仕入れや生産する機械など固定費がかかる事業ですね。
蜂は労働集約型?
【えりな】
ちょっと実際の職業で考えると、どこからが労働集約型でどこから資本集約型かわからないんですが…たとえば、蜂って労働集約型ですよね。
女王蜂の下でたくさんの働きバチがあくせく働くことで巣が成り立っている。【Caol】
そうそう
【ホリデー】
うん!わかりやすい!!のか??w
【えりな】
女王蜂が一人で巣を成り立たせるようなインフラを作って、ひとりではちみつ作りできるようになったら面白いですけどね。
【ホリデー】
そのインフラを作るためには資本が必要になってくるし、インフラ拡張すればするほどより大量のハチミツをつくることができる、ってことで、それが「資本集約型」ってことで、あってる??
【Caol】
んー、なんとなく、合ってる気がする。
【えりな】
なんか、わかりやすい例えだったかどうか微妙でごめんなさい。w
資本集約型の事業展開
【Caol】
さておき、前回までの、ホリデーさんの会社スタジオホリデーの事業展開を見ると、デザイン+コンサルティングの労働集約型の事業から、クラフトコーラなど資本集約型の事業展開をしています。まず専門性が高く、元手のいらない労働集約型の事業で元手を作り、元手のいる資本集約型の事業展開をする、という流れが良いですよね。これが逆だと、資金調達をどうするか、という問題を解決しなければならなくなります。
【ホリデー】
確かに〜。てか、デザインやコンサルティングは労働集約型、ってことになるんだ。個人的には知識とか専門的なスキルを売ってるイメージだったんだけど。
知識集約型の仕事
【Caol】
そうそう、その話をしたかったんですけど、労働集約型の事業のうち、専門性が高いものが「知識集約型」。もしかしたらホリデーさんの仕事はこちらに近いかもしれませんね。
知識集約型の事業とは、頭脳労働や知識労働が事業の中心となるもの。ハイテク産業や情報通信産業などが挙げられますが、医薬品製造業やインターネット関連サービス業、ファッション関連産業も知識集約型事業になります。そしてコンサルティング業や弁護士なども、専門知識を必要とする知識集約型産業です。
【えりな】
ファッション関連もか〜デザイナーさんとかバイヤーさんとかは特に専門的な知識がいりますものね。
【ホリデー】
うんうん、やっぱりそっちの方がしっくりくる。
【Caol】
医薬品製造業もそうで、医薬品そのものより医薬品を開発するまでが重要で、研究など頭脳労働が必要ですよね。そういえば、医薬品のベンチャーは開発だけして、それを他の会社に高く売る、ということがありますね。
で、元手がいらず、サービスへの対価も高くできる、と言う点で、知識集約型の事業はとても個人起業に向いています。
24時間働けません
【ホリデー】
やっぱり個人でやるからには単価上げていかないと、それこそ究極24時間ずーっと働かないといけない、ってことになりますもんね。
【Caol】
そうですね。で、まさにそれが欠点で、知識集約型も労働集約型の一形態なので、個人の場合、その人が働くことができる労働時間が事業の上限になること。人は24時間働けないし、人ひとりの総労働時間は限界があるので、その人の労働時間=知識集約型事業で得られる収入の上限になります。
【ホリデー】
あ〜。これ、僕は会社経営してるけど、この感覚めっちゃわかるわあ。デザイン業は正直時間の切り売り感があるんですよね。
【Caol】
この点、資本集約型の事業は、うまくいけば、経営者の労働時間を遙かに超える収益を上げることのできる事業ですね。
【ホリデー】
それを夢見て自社事業立ち上げてみたんですけど、それはそれで結構大変だ、ってことを最近痛感してますよw
【えりな】
そうなんだ〜。まあでも個人で開業するのだったら、なるべく単価を上げられる知識集約型がおすすめで、収益を上げやすい!ってことですね。そうすると、いつまでも勉強してスキルを上げ続ける努力ってのが大事ってことですね。。
【ホリデー】
個人事業主も甘くないよ、ってことで!
【Caol】
まったくそのとおりで、確定申告のおかげで勉強にかかるコストが分るのですが、年20万円以上かかりますね。こうしないと知識やスキルが維持できないのですよ。
【えりな】
ひ〜そんなにかかるんですね!でもやりたい仕事ができるって素敵なことですよ。夢も持っていきましょう!次回は、起業の実際編フリーランスの話です。お楽しみに!
第2第4月曜日にPodcastを配信中です。
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