しきから聞いた話 188 洗われる業
「洗われる業」
標高1,000メートルほどの山の麓に、清い水をたたえた池のある、古い寺があった。
境内の奥はそのまま山へとつながっており、斜面に整備された50段ほどの石段を上がると、いくつかの小祠が祀られている。その左手に、小さな滝が連続する清流があり、これは下の池を避けるようにしてさらに左へ流れ、境内の南西の端で暗渠となって消えていた。
数日前に受けた相談で、少々厄介なものを引き受けてきた。手元に置いてよいものではないので、ここへ頼りに来た。
境内の池は清いもの