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普通がわからなかった日々



話は2022年の夏に遡ります。
ピティナステップの本番が終わり、2週間程経った頃でしょうか。


今まで体験したことのない身体の違和感を感じました。

太ももから足の指先まで痺れている感覚に襲われました。温度感覚がわからなくなり、風が当たると『痛い』と感じるのです。そして、脚は鉛のように重く感じ、太ももから下が硬直して棒のようになり思うように動かすことができないのです。

痛みの種類も様々でした。血液の中にガラスの欠片でも通っているかのような痛みや、太い千枚通しで刺されているかのような痛み。ズキズキ、チクチクした痛み。それらの痛みが数十秒ごと移動し、脚の様々な場所で痛み続けるのです。


紹介状を持って総合病院の神経内科で血液検査と全身MRIを行ったのですが、何も異常が見つからないのです。

異常が見つからないことは本来ならば良いことなのですが、この時ばかりは何もないわけないだろう・・と思っていました。

薬は頂いたのですが、原因もわからず、症状は変わらずにいました。それどころか歩くだけで脚の負担になるのか症状が酷くなり、歩けなくなることもありました。


症状以外にも困ったことがありました。

これらの症状の説明をしても他の人に伝えることが難しいことです。

今改めて思えば、目に見えない感覚や、自分が体験したことのない感覚を理解することは難しいことだと客観的に考えてわかるのです。

歩いたり、走ったりすること。
かがんで作業をすること。

他の人ができる「それくらい」が、自分にはできなくなり、何故それができないのか話すことが苦痛でした。


症状が酷い日は痛みに耐えながらベッドで横になることしかできず、何て自分は無力なのだろうと思いました。

当然外出は以っての外で、家の中で過ごす日が続いていました。

時間が止まり、自分だけ人生が置いてかれた気がしてしまっていました。

そして、普通ってなんだろうと。



転機は2023年6月。
通院している病院以外でも診察をしてもらい、何と診断が下り、治療方針と薬を変えることに(通院している病院に診療情報提供書を書いていただきました)。

体調が良くなったり、悪くなったりすることは仕方がないとの診断でしたが、無理をしない生活をするようにすればこれ以上急激に悪くなることはないだろうとのことで、本当にホッとしたことを覚えています。

病名がわかり、治療方針が決まったのが、症状が出てから10ヶ月。

本当に今まで何とか頑張ってこられて良かったと思いました。


まだ遠出をするのには難しいのですが、2023年秋にはピティナピアノステップに出たりと、少しずつ外出もできるようになりました。

(体調の変化が急に出る為、他の人を誘っての長時間の外出はまだ難しいのですが・・)


時間は有限ではない。
だけど、無理せず今できることを頑張ろうという気持ちに今はなれました。



今回の教訓は、皆それぞれ事情があり、他の人からは目に見えない悩みや苦しみがそれぞれあるかもしれないということを念頭に置くということです。

何気ない一言が、その人にとっては大切なことかもしれない。



自分の普通は他人の普通ではないこと。


そんなことを思った日々でした。





※病気の原因と病名の公表は控えさせていただきます。



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