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94 迷路の島で天使に願いを・小豆島 土庄町

はじめて車を乗せて離島ドライブへ

前回旅をした鷲羽山から1時間ほど車を飛ばし、岡山市の新岡山港に着きました。今日は車で瀬戸内海に浮かぶ島、小豆島に渡ります。今回のドライブのメインスポット。胸が高鳴ります。

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今回お世話になるのは第七小豆島丸。車で島に渡るのは生まれて初めて。そういった意味でもドキドキです。マイカーでの島の旅を楽しもうと思います。

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船内は広くかなりゆったりとしています。目的地の土庄(とのしょう)港までは70分。それぞれがしばしの休息を取ります。

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いよいよ土庄港に近づいてきました。駅前はホテルも観光センターも充実している小豆島を代表する港です。

土庄ではからかい上手のあの子がお出迎え

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土庄港に降りると、からかい上手のこの子が出迎えてくれます。

中学生の男女の初恋とからかいバトルを描く「からかい上手の高木さん」はここ土庄町が舞台。現在劇場版が上映中で、聖地巡礼に訪れる人も多くいるようです。実際アニメでは土庄の町がリアルに登場してきたりします。港の切符売り場、土庄BASEの2階には教室を模した聖地巡礼スポットが設けられていますよ。

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小豆島を代表する文学作品。今が「からかい上手の高木さん」なら、昭和は「二十四の瞳」。戦後間もない時期に発表された女性の教師と教え子たちのふれあいと戦争に巻き込まれて行く悲劇を描いた壺井栄の名作。何度も映像化されている作品です。

瀬戸芸作品も楽しめる「迷路のまち」

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さて、小豆島を含む瀬戸内海地域では今年、瀬戸内芸術祭が開催されています。私が行ったときは開催期間中ではありませんでしたが、作品は展示されているので訪ねることができます。こちらは太陽の贈り物。オリーブの葉を王冠のように仕立てた彫刻です。

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一枚一枚の葉に当時小学生だった土庄町の子供たちの願いが書かれています。いつまでもきれいな海でありつづけたらいいですよね。

「ヒダ マリ」さんっていい名前ですよね。

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さて、港を出て土庄の町に向かうことにします。ここは住宅や商店がひしめき合っている中心地ですが、かなり道が入り組んでいます。なので通称「迷路のまち」。

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こんな細い路地の中をうねうねと歩きます。今はGoogle Mapsなんて便利なものがあって迷いませんが(ちょっと迷いましたけど)、そんなものがない時代には地元以外の人にとってはまさに迷路に思えたんじゃないかと思います。

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このようにわかりにくい町にしたのは、かつてこの地域を中心に活躍していた海賊たちや、海風から身を守るためであったといわれています。

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こんな細い路地を歩いている中で突然出会える芸術作品。これが瀬戸芸の魅力です。こちらは「ともだち」というポーランドとリトアニアの方の作品。

小豆島は2つの島?!世界一狭い海峡へ

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突然ですが問題です。こちら、小豆島の地図ですが小豆島は実は2つの島から成り立っているって知っていましたか?

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小豆島の全体地図の「土庄町」と書かれているところを拡大します。細い川のようなものがありますね。

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実はこれ、川ではなく立派な海峡。最も狭い場所は9.93メートルしかなく、世界一狭い海峡としてギネス認定されている「土淵海峡」です。ここを挟んで南側は前島と呼ばれる「別の島」なのですが、実際はこの海峡は川と何ら変わりないので一体で小豆島とされています。

石の島・小豆島を物語る日本遺産

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もう少し小豆島を歩いてみましょう。「高木さん」が通っている設定の土庄中学校の裏手に行くと、独特な形の石垣に出会います。

こちらは日本遺産「富丘八幡神社の桟敷」。この上には富丘八幡神社があるのですが、この境内の傾斜地を利用して桟敷席を作り、毎年ここで開かれる例大祭の観覧席として利用されてきたのです。

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小豆島は大坂城の石垣に使った石材を切り出した石の産地。だからこそこれだけの規模の石の桟敷ができたのでしょう。

土庄観光のクライマックス、エンジェルロードへ

富丘八幡神社から海岸線に沿って歩いていきます。

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土淵海峡よりずっと広い川を渡ります。川の向こうの小島は小豆島。こちらは「あずきじま」と読みます。冗談のようですがホントです。

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小豆島観光と言えばここは外せない、というのが「エンジェルロード」。島本土と、向こうの小島を結ぶ砂洲が引き潮のときだけ現れる神秘的な景色で有名です。

それではその景色をご覧に入れましょう!

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ちょうど引き潮の時間。弓なりのきれいな砂洲が向こうの小島への架け橋になっています。大切な人と手をつないで渡ると願いが叶う、と言われていて多くの恋人たちがここで永遠の愛を誓います。

わたしは独りで来たけどな。

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小島(弁天島)に歩いて渡り、小豆島を眺めます。先ほどの写真は右手の丘から撮りました。「約束の丘」。これもまたロマンティックな名前です。

翌朝。せっかく小豆島に来たのでエンジェルロードをもう一度見てみたいと思い来てみました。

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まさかの朝もや!そしてエンジェルロードは残念ながらつながっていませんでした。でも朝もやにかすむ小島も絵になりますし、砂洲もいつも繋がっていないからこそ神秘さが保てるのだなと思います。

見どころ満載の小豆島。まだまだお伝えしたい場所がたくさんあります。それは次回ご案内したいと思います。


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ミヤコカエデ(Miyako Kaede)
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