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344 奈良・今井町 古い街並みに懐かしさを感じる。


桜井市で紅葉見物をした後、少し時間に余裕ができました。
昨年も来たのですが、また来たいなと思ってふらっとやってきたのが橿原市の八木西口駅。ここから歩いて5分ほどのところに日本最大級の国の重要伝統的建造物群保存地区である今井町(いまいちょう)があります。

これが今井町の地図。東西600メートル、南北300メートルの地域の中に500棟もの伝統的建物が残っています。重要伝統的建造物群保存地区は全国にたくさんありますがこれだけの建物が遺されているところはありません。

今井町はこのような濠で周りを囲われた環濠集落です。中世末期に一向宗の道場ができ寺内町として発展しており、自らの街を自衛する手段としてこのような濠が設けられました。一時期信長と対立したもののその後武装解除して降伏し、その寛大な措置によって広い自治権を与えられて堺と並ぶほどの自治都市として発展を遂げた歴史があります。江戸時代初期には1000軒の家が並び人口は4400人を数え、綿や油、酢などの販売や両替業で富を築いた家が多く並んで非常に豊かな町でした。

街はどこをあるいても歴史ある建物ばかり。江戸時代に迷い込んでしまったかのような錯覚に陥ります。

あまりにもレトリックな雰囲気だったので写真もそれっぽく撮ってみることにしました。こちらはセピア調。

こちらはモノクローム調。セピアカラーはどこか懐かしさを感じさせ、モノクロはどっしりと歴史の重みを感じさせる写真になりました。

こんな鉢植えの植物の写真も
50年前に見たことがあるような懐かしい気持ちになります。
実際に目で見たのはカラーだったはずなのに、不思議ですね。

大規模な伝統的建造物が残るこの町は多くのドラマのロケ地となってきました。2015年の連続テレビ小説では波瑠さん主演の「あさが来た」のロケ地となり話題を呼びました。今年も目黒蓮さん、今田美桜さん主演の「わたしの幸せな結婚」の撮影地になっています。

そんな魅力あふれる街に見せられて近年、多くの人が古い建物をリノベーションしてお店を開いています。こちらは長屋を利用した雑貨店

橿原市の古民家再生助成金を利用してリノベーションしたブックカフェなんかもあります。

そろそろ街歩きをずっと続けていてだいぶ疲れてきました。14時を回っていたんですが昼食を取っていません。

そんななか、なんだかよさげな古民家カフェがありました。

ふくろうに誘われてのれんをくぐります。

「古伊」さんはお庭でも町屋の中でも食事がとれるカフェ。この日は天気も良く心地よかったので外で食事をすることにしました。柿の葉寿司やうどん、そばなども食べられるそうですが、

なんだか甘いものが欲しくなり、「アップルパイセット」(650円)を頂きました。甘酸っぱくさっぱりしたりんごのアップルパイ。木漏れ日の中でおいしく頂きました。

席の目の前にぶら下がっていた金魚もよき。

秋風を感じながらコーヒーを頂く。なんとも贅沢な時間でした。

新たな住民を迎えつつ江戸時代の街並みを今に伝え続けるまち、今井町。
奈良に来た際、ぜひふらっと街の中に迷い込んでみてください。


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ミヤコカエデ(Miyako Kaede)
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