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アスコルビン酸とかトコフェロールって何?
こんにちは。
Canon petlife storeのカノンです。
当店はペットの食にこだわったセレクトショップです。
今回はペットフードやおやつで見かけるタイトルの表示名に関して簡単にまとめられたらと思います!
難しい名前の原材料
ペット飼っている方なら1度は使うペットフード。いわゆる"カリカリ"にはわんちゃん猫ちゃんに必要な栄養素をバランスよくとってもらうために添加物を入れます。ほとんどのフードはこの添加物を入れなければ総合栄養食の栄養基準を満たすことはできません。
その中でペットフードの後半に書いてある今回のアスコルビン酸やミックストコフェロールなどがどんなものか疑問や不安に思った方はいますか?
もし、もう調べたことある!分かる!という場合はこのまま記事を読む必要は無いのでまた別の記事でお会いしましょう笑
今回はこのふたつの原料が何なのかを教えたいと思います!
アスコルビン酸とは
今回はヒューマングレードフード、NORTH POWの原材料を見てみようと思います!
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結論から言うとこのアスコルビン酸(表記はL-アスコルビン酸)はビタミンCのことなんです。
ビタミンには正式名称があり、少し違いますが、『O₂』のことを"酸素"というのと一緒なんです。
また、これらは表記の違いと言うだけで、ビタミンCの質自体に何も差はありません。合成ビタミンのビタミンCも天然のビタミンCも分子構造が同じだから全く同じビタミンCなわけですね。
そのため、ペットフードなどの表記から合成なのか天然なのかの見分けは不可能です。たまに、フードの裏面に ビタミンC(天然)などと書いてるメーカーもありますが、ほとんどの場合はそんな表記がないので判定不可です。メーカーに確認を摂る必要がありますね。
合成と天然って違いはあるの?
お答えしましょう。あります。さっきまでビタミンCの分子構造は一緒だから質は一緒って言ったじゃん!!と、なるのも分かるんですが実は違います。
そもそも天然ビタミンCというのは食材からビタミンCだけを抽出したものを指している訳ではなく、ビタミンCが含まれている場所を使用することで天然ビタミンCとしての意味があります。
つまりどういうことかと言うと、天然ビタミンCはビタミンCにくっついている他のビタミンミネラルも一緒に摂ることができるということなんです。そのため、ビタミンを偏りなく摂取できるというメリットがあるわけです。
ただ、ペットフードに関して言えば、足りない部分を補うための添加なので、ビタミンCだけの添加でも過不足はないのです。
North powの原材料を、見ると食材にリンゴやかぼちゃ、クランベリーなどのビタミンCが豊富な彩果が含まれているにもかかわらず添加しているのはまだ足りないということなんですね。
ミックストコフェロールとは
つぎにアスコルビン酸よりも聞き馴染みがあるであろうミックストコフェロールについてですね。
こちらも使われているフード、ロイヤルカナンを参考に見ていきます。
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ちなみに、ロイヤルカナンはヒューマングレードではありません。フード自体はおすすめ度の低いフードなので今回は原材料に使われている代表として見てください。
では結論から言うとこのミックストコフェロールはビタミンEのことです。
ビタミンEには同位体となるα、β、γ、δの頭が着くトコフェロールが存在し、ミックストコフェロールというのはそれらの同位体をミックスしたトコフェロールということです。
これもアスコルビン酸と同じで、合成だろうと天然だろうと分子構造は変わりません。が、質は変わります。合成のビタミンEは酸化防止の効果が劣るとされており、また、酸化防止剤としての効果は合成では担うことができません。
ついでに酸化防止になる理由
まず、合成と天然では酸化防止に違いがあるのには理由があります。それは作る際の安定さによる違いです。
天然のビタミンEというのは構造上既に安定した状態で食材に含まれるため、ビタミンEとして完成しています。しかし合成ビタミンEはその状態を安定させるための物質をつけることで形を保ちます。
そもそも、ビタミンEがペットフードの酸化防止をする方法は至ってシンプルで、ペットフードに含まれる油分にビタミンEが溶けだすことで、その溶けだした脂に反応しようとしてくる酸素にビタミンEの物質が結合することで酸化を防いでいます。ただ、これはもともとビタミンEとして完成されている天然ビタミンEでしかなし得ません。そのため安定しない合成ビタミンEでは酸化防止剤としては機能しないのです。
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つまり、酸化防止剤として使用されるビタミンEは天然ということなんですね。
まとめ
ということで今回はアスコルビン酸とミックストコフェロールのお話をさせて頂きました。
天然や合成という呼び方があれど化学の知識があればどっちも一緒なんだ!にたどり着きます笑
ただ、わかっていただけたと思うのは天然の方が全てにおいて優れているということです。もちろん現代の力をもってすれば100%合成添加物だけで栄養を補うことが出来る商品は作れます。しかし、天然には天然で生まれるための条件を経て自然の力で誕生する分子であること、これにより合成よりも強く結びついた結合のビタミンが生まれます。また、食材に含まれる複数の栄養も一緒にとる事でバランスよく様々な栄養を摂ることが出来るのは合成では難しいメリットです。
ペットフードは数多の種類があり、選ぶのも考えるのも嫌になってしまいますが、それぞれに良い点悪い点があり、また共通した点があります。それを見極める点として記載された原材料への知識も必要になってきます。カタカナが沢山書かれているから危ない!ではなく、そのカタカタが何を意味していて、どんな役割があるのかを知ることでフードを選ぶ基準も絞れてるかもしれませんね。
それではこの辺で。