開発コラム:代表的なiPaaS - Workatoのご紹介
12月に入り、街中のイルミネーションが楽しい季節となりました。
皆様いかがお過ごしでしょうか。
さて今回の開発コラムは、
代表的なiPaaS製品の一つであるWorkatoについてです。
・はじめに
開発を担当している、クラウドサービス開発部の原です。
皆さんは普段の業務で、利用しているシステムやデータがオンプレミスや各クラウドサービス上に分散されており、連携に苦労されていることはないでしょうか?そのような場合に便利なのが、iPaaSです。
iPaaSとは、integration Platform as a Service のことで、オンプレミスやクラウドサービス上の複数のシステム・データを連携・管理できるプラットフォームを提供するサービスです。
今回は、代表的なiPaaS製品の一つであるWorkatoについてご紹介します。
※本記事は2024年10月時点の情報です。
・ Workatoとは
WorkatoはWorkato社が提供しているiPaaS製品で、クラウド上でシステム連携を構築・管理することが可能です。Gartner社が出しているiPaaSのMagic Quadrant レポートにおいて、5回連続でリーダーの1社として評価されています。(https://www.workato.com/ja-JP/report/gartner)
WorkatoはiPaaSの中でもレシピ(テンプレート)型に分類され、よく利用される連携がテンプレートとして提供されており、技術的な知識があまり無くても簡単にシステム連携を実装・カスタマイズすることが可能です。
・Workatoレシピ
レシピは、Workatoでデータ連携や処理を行う一連のワークフローを指します。レシピはトリガー、アクション、その他ステップで構成されます。
トリガーは、何等かのイベントをきっかけとしてレシピを実行する要素を指します。「スケジュール」「Webhook」「連携システムで発生するイベント」などをトリガーとして設定することが可能です。例えば、毎日午前9時30分になったら実行、Webhook URLがリクエストされたら実行、データベースに新しいデータが挿入されたら実行など、様々な条件でレシピを実行することが可能です。
アクションは、トリガーによって実行されたレシピ内で実際に行う連携処理を指します。様々なサービスの処理を行うことができ、例えば「Salesforceに新しいオブジェクトを追加する」「Google Sheetsに連携データを追加する」「Slackに通知を行う」など、複数のシステム連携を実現できます。
アクション以外のその他ステップは、「条件分岐」「ループ処理」「エラーハンドリング」など、基本的なロジックの制御を行う要素を指します。例えば、連携されたデータによって連携先の対象システムを変更したり、複数のデータを受け取って繰り返し処理を行うことなどが可能です。
トリガーやアクションでサービスとの連携を行う場合、コネクションが必要です。コネクションは、連携するサービスに接続するための認証情報を登録する要素を指し、様々な認証方式に対応しています。各サービスとの連携を行うために、事前に用意されたコネクターが提供されています。以下のCONNECTOR LIBRARYから一覧を確認でき、各コネクターの詳細ページから利用可能なトリガーやアクションの一覧を確認することができます。(https://www.workato.com/integrations)
作成済みのレシピは以下のCommunity libraryにて公開されており、そのまま利用することも、一部をカスタマイズして利用することも可能です。(https://app.workato.com/browse/recipes)
・Workatoでのデータ変換
サービス同士を連携させる際、サービスごとに利用可能なデータ形式が異なることも多く、連携時のデータ変換が重要です。Workatoでは、formulaを利用することで連携時のデータ変換が可能です。
formulaとして許可されたRubyメソッドが利用でき、「文字列型」「数値型」「日付型」「配列」などのデータ型ごとに対応したformulaを利用できます。文字列型の場合は「置換」「分割」「エンコーディング」「大文字小文字の変換」などが可能です。数値型の場合は「基本的な四則演算や四捨五入」「偶数奇数の判定」などが可能です。また、「数値形式のデータを通貨形式のデータや電話番号形式のデータに変換」することも可能です。
日付型の場合は」、「現在日時の取得」「タイムゾーンの変換」「曜日の取得」などが可能です。配列やハッシュ(辞書)を扱うこともでき、特定要素の検索や重複排除、CSVやXMLなどの他形式への変換などが可能です。
対応しているformulaの一覧は以下ドキュメントから確認可能です。(https://docs.workato.com/ja/formulas.html)
・Workatoでのオンプレミス連携
Workatoはクラウドサービスのため、オンプレミスのシステムなど、プライベートなネットワークに配置されたシステムと直接通信することは通常ではできません。そこでWorkatoからオンプレミスエージェントが提供されており、プライベートネットワークからインターネットへの通信が許可されていればWorkatoとの連携が可能になります。(https://docs.workato.com/ja/on-prem.html#overview)
オンプレミスエージェントはオンプレミスだけでなくパブリッククラウド上でも動作します。Amazon Web Services では、例えば以下図のような構成で利用可能です。インターネットへのアウトバウンド接続が可能なサーバにオンプレミスエージェントをインストールすれば、そのサーバからアクセス可能なサーバやデータベースとのエージェント経由での連携が可能になります。
・ おわりに
今回は代表的なiPaaS製品の一つとしてWorkatoをご紹介しました。Workatoを利用することで、オンプレミスを含めた様々な場所にあるシステムやデータを連携させることが可能です。
また、Workato社ではよくイベントを開催しており、中にはWorkatoの基礎をハンズオン付きで学びつつ当日中に資格取得まで行えるイベントもあります。(https://workato.jp/events-list/)
これを機にWorkatoをはじめとしたiPaaSによりシステム間連携や業務プロセスの自動化を行ってみてはいかがでしょうか。
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