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社内勉強会を盛り上げたくて輪読会をはじめてみた

こんにちは!
株式会社カンリーでエンジニアリングマネージャーをやっている須藤(@canly_em_aki)です。
今回は、社内で輪読会を開催する際に意識したことと、そこから得られたアウトプットについてお話しします。


輪読会を開催した背景

カンリーのエンジニア組織では、各プロダクトごとに開発チームが分かれており、チーム間のコミュニケーションが希薄になっていると感じていました。
課題として感じている一方で打ち手に悩んでいた中、あるメンバーがある外部勉強会に参加し、そこで書籍を紹介されたことを分報でつぶやいていました。内容はLeSS(Large-Scale Scrum)についてで、社内に知見もないことから社内で輪読会形式ではじめるのにマッチしていたこと、当時は書籍購入補助制度があったことからメンバーを集めて輪読会を実施することにしました。
現在までで以下の2冊の輪読会を実施しています。

LeSS本の輪読会は、アジャイルに興味を持ち、社内勉強会に対するモチベーションが高かった2名を誘い、3名で始めました。その後、LeSS勉強会を振り返る中で、まず通常のスクラム開発から学ぶ方が、カンリーの現状に合っているのではないかという意見が出たため、カイゼン・ジャーニーを選定しました。新たに2名を加えた計5名で現在は輪読会を実施しています。

輪読会ルール

これまで組織として輪読会のルールがなかったので、始めるにあたって初期メンバーの3名で話し合いを行い、進め方のルールを決めました。
最初に決めたのは参加者、いつから輪読会を開始するか、開催頻度です。
参加者は、組織全体へ勉強会への意識基盤が十分に醸成されていないため、まずはスモールスタートで3名から始めることにしました。いつから輪読会を開始するかについては、善は急げということで話し合いを実施した次の週から開始(モチベーション高いメンバーでありがたかった)、開催頻度については業務とのバランスを模索したいので週1開催、1開催につき時間は30分としました。
このあと進め方を決める前にこの勉強会に対してのモチベーションを語るというトピックをやりました。参加者のモチベーション次第で進め方も変わってくるため、これはやってよかったなと思っています。

LeSS輪読会のキックオフ議論

輪読会の進め方については色々ありますが、大別して3種類に分けられます。

  1. 発表会形式(事前に読んでくる)

    1.  事前に読んで資料などを用意する担当を持ち回りなどで決め、当日スピーカーになって資料を発表する

  2. ディスカッション形式(事前に読んでくる)

    1. 各自が事前にピックアップした疑問点や議題についてディスカッションをメインで行う

  3. 読書会形式(事前に読んでこない)

    1. その場で本を読み進める

進め方ですが、3人で一致していた意見として議論の時間を多くとっていきたいという点で私達は発表会形式とディスカッション形式のハイブリッドを選択しました。進め方の手法についてはどれも一長一短ではあるので適宜振り返りで見直していこうとなりました。
輪読会なので1回をどの範囲にするかで悩んだのですが、輪読会自体が長期間にわたってしまうとモチベーションの維持が難しいかもしれないという案も出て、1章ずつ(LeSS本は1章あたり約30ページ!)やることにしました。モチベーションがすごいです。

ルール設計で意識したこと

ルールを決める中で私が意識していたのは以下の3点です。

  • 参加ハードルを下げること

  • コミュニケーションが取れること

  • 実益があること

実際にやってみてどうだったかも踏まえて振り返ってみます。

参加ハードルを下げること

今後のカンリーの輪読会文化の指標にもなるので参加ハードルを下げること、業務の支障にならないことを意識しました。開催頻度、1回の時間はこれを元に設定しています。ただ参加ハードルを下げられたかどうかは正直体感できていないところではあります。1回目の勉強会には3名が参加し、2回目には新たに2名が加わったので、一定の効果があったと感じています。
目標はエンジニア部全員がなんらかの勉強会にコンスタントに参加していることにしたいのでもっと参加しやすいように改善はしていきたいと思っています。

コミュニケーションが取れること

当初の私の中での目的としてコミュニケーションの活性化に取り組みたかったのでその点も意識しました。ここは最初に立ち上げたメンバーも同様の意見をあげてくれて議論中心の会となっているので満たせていると思っています。この会の議論からもっと話したいという意見が上がり、このメンバーでランチ会も行いました。

実益があること

本の内容を業務に生かせているかでいうと題材がスクラムのやり方が中心になっており、カンリーでは元々スクラム開発を導入しているのでそこまで生きてないかもしれないというのが現状での私の本音です。ただ、副次的効果として、他チームの取り組みの解像度が上がったと思っています。要約の中にスクラムイベントであったり、プラクティスの紹介とTipsが含まれていることが多いのですが、「〇〇さんのチームではどうしてますか?」や「私のチームではこういう風に進めてますよ〜」など議論内で相互理解を深められたと感じており、チーム間のコミュニケーションの活性につながったと思います。

実際の輪読会の進め方

進め方の細かいところですが、参加者全員が事前読書するようにしました。発表者だけが読んできても議論が発散しないためここはやってよかったと思っています。
要約のまとめをするツールはNotionを選定しました。選定理由としては元々Notionを使用していて議事録であったり、Wikiをまとめる文化があったためです。結果的にNotion選定は大成功でした。Notionのコメント機能を用いて、発表を聞きながら要約に対してコメントを行い、最後に気になったところを拾っていくという進め方ができたためです。私は今までこういった発表ありきの勉強会ではPowerPointを使うことが主だったのでかなり良い知見となりました。
会の流れとしては、以下のような形で進めています。議論が発散することもありますがきっちり30分で終わるようにしています。

  1. 発表者が要約を発表(5分)

  2. みんなで議論(20分)

  3. まとめ(5分)

実際の勉強会の様子

最後に

まだまだ道半ばですが、周りのメンバーがモチベーション高く取り組んでくれたおかげで文化として根付いてきた気がします。取り組みやすいアジャイル、スクラムを題材としましたが、今後は技術的なものも取り組んでいったり、勉強会の成果を社内LTなどで発表していき、組織として技術力向上につなげていきたいと考えているので引き続き改善を行いつつ取り組んでいきたいと考えています!

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