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#43 ハーブ工場へ③なかなか噛み合わない打ち合わせ
タイで石けんを作ると決めてから今回2回目の訪問となったハーブ工場。
打ち合わせは終始和やかな雰囲気ではありますがやっぱり言葉の壁で
なかなか噛み合いませんでした。
1.伝えるって難しい
今は翻訳機やすぐに携帯で画像などを見せることができるので、比較的自分たちの伝えたいことは伝わりやすいとは思いますが
ハーブ工場で通訳を担当してくれたのが、いつもチェンマイでアテンドしてくれているがんちゃんです。
がんちゃんは日本に留学してた経験がある現在チェンマイ在住の中国人です。日本語もタイ語も中国語も話すことができるトリリンガル。
でもやっぱり日本語もタイ語もネイティブではない分、通訳ってすごく大変だろうなと思いながらいつも頼りきってしまっていて申し訳ないくらいです。
私(日本語)→がんちゃん(タイ語)→ハーブ工場オーナー(タイ語)→がんちゃん(日本語)→私・・まで戻ってきた時には「ん?」という
こともありますが、皆さん嫌な顔一つせずにお互いに理解し合おうと努力してくれていました。
2.灰汁を使った石けん
私が試作品を受け取ってから一番気になったのが石けんの柔らかさです。
私の希望したレシピで作っているはずなのにとても柔らかくてすぐに溶けて無くなりそうな程でした。
最初はオイルの分量を変えた方が良いのでは?などと原因を探っていたのですが、話していくうちに兄がふと気づきました。
「水は何を使いましたか?」と。
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石けんを作る時は通常はコンタクトレンズの保存用に使われたりする不純物を全て取り除いた精製水を使用します。
ミネラルウォーターや水道水に入っているものは石けんにとっては全て不純物となり良い石けんを作ることができないので精製水を使うのが一般的なのですが、ハーブ工場使っていたのは「灰汁」でした。
「灰汁」とは
灰汁(英語:Lye)は藁灰や木灰を水に浸した上で上澄みをすくった液である[1]。炭酸カリウムが主成分であるためアルカリ性で、石鹸の原料、洗剤、漂白剤、また食品のアク抜き(後述)などとして用いる。英語のLyeは、水酸化ナトリウムを指すこともある。
3.昔ながらの石けん
恐らく日本のソーパーさん達は苛性ソーダという強アルカリ剤を精製水に溶かして、それをオイルと混ぜて鹸化をさせて石けん作りをすることが多いと思います。
しかし、昔の石けん作りを調べてみると、灰汁を使用していたという記録があります。実際に灰汁を使って石けんを作った例も、検索すると見つけることができますが、いざ作ろうと思うと灰汁を作ることから始めなくてはいけないので現実的に灰汁で石けん作りをされているソーパーさんは少ないのではと思っています。
最初、ハーブ工場で「灰汁使っている」と言われてた時の私の頭の中はかなり「?」でいっぱいでした。知識として昔は灰を使って石けんを作っていたというのは認識はしていましたが、現実で使うということに結びつかなかったのです。
そこで、「灰汁ではなくて、精製水を使って作ってください」という説明を通訳を介して伝えたのですが、ホテルに戻って灰汁について改めて調べてみて思ったのが・・「え・・?すごくない・・?」でした。
わざわざ灰汁を使って昔ながらの石けんを作ってくれたことに後になって感動がじわじわと湧いてきました。
しかし、灰汁で石けんを作ると苛性ソーダではなく苛性カリで石けんを使った時のように出来上がりがとても柔らかい石けんになります。
灰汁で作った石けんはとても魅力的ではあるけれど、すぐに溶けて崩れてしまう石けんはとても使い勝手が悪いので、私の理想とする石けんとは
かけ離れてしまっていて、残念ですが今回は通常の方法で製造してもらうことにしました。
いつか違う製品として昔ながらの作り方の石けんを製造販売したいという目標が一つ増えました。