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優しくて愛しくて消えないもの

優しくて愛しくて消えな


気がつけば足下に絡みつく出来事に
目と心を奪われている

そんな日は決まってせっかくの今を生きている心地がしない

目覚める前のこの海のような
美瑛の丘に吹いていたあの風のような
静かで穏やかで手にとって眺められる
そんな時間はどこに行けば逢えるのだろう

今から僕は東京に帰る

そしてまた向かえるだろ明日の朝は
けたたましい中央線の通勤電車の音で
いつものように何事もなかったかのように起こされ
視界をさえぎる大気の下で珈琲を飲むんだ

とても愛しくて
とても大切なモノを
ここに残したまま



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