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ネムラの森

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30年にわたって書き続けている短編ファンタジー小説「ネムラの森」。シュウとクロルそしてフェアローゼが深く不思議な森の中で繰り広げる壮大なドラマです。その一部を少しづつご紹介してい…
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2020年7月の記事一覧

硝子電燈に泳ぐ月

不思議な夢を見た 赤く燃えたぎったサソリが 月を食べようとしていて それをやめさせようと 僕は手足をバタバタさせるが ちっともサソリに追いつけない すると月の向こうから無数の星が 円を描きながらグングン押し寄せて来て 気がついたらサソリと僕は 硝子電燈の中に押し込められてしまった その時 夢から目が覚めた 手探りで硝子電燈の灯りをつけたら 窓の外に浮かぶ月が 硝子の中で泳いでいた