テゲテゲな寛容さを持ちたい
僕は2年だけ鹿児島に住んでいたことがあるのですが、気候が温暖でちょっとした南国気分が味わえるところや、人々がゆったりと暮らしているあの感じがとても好きでした。そして何より飯がうまいというのが堪らなく良かったです。
またいつか鹿児島転勤にならないかなと思ったりするくらいです。
そんな鹿児島の方言で「てげてげ」というものがあります。「適当に」とか「ほどほどに」みたいな意味で、隣県の宮崎でも使われています。どうやら「大概大概(たいがいたいがい)」が訛って「てげてげ」になったようです。「西郷(さいごう)どん」が訛って「せごどん」になるみたいな感じです。
鹿児島のゆっくりとした方言も相まって、とても好きな言葉の一つです。
海外でも温かい国に行けば行くほど、良く言えば「おおらか」で悪く言えば「ルーズ」な人が多いというイメージ(偏見か?)がありますが、鹿児島もまさにそんな印象で、言うならば「てげてげ」な街でした。
仕事上、色んなクレームの電話がかかってくることがありますが、そのクレームもどこか「てげてげ」で、穏便に解決できることが多かった印象です。
また、他社の人と契約や取引を行う際も協力的な方が多く、ガメつく金額をつり上げで来る人もいませんでした。
そういった相手に対しては、こっちも「なんとかしてあげたい」という思いが働くので、結果としてWin-Winな関係が築けていたと思います。
鹿児島に2年暮らして思ったことは、てげてげな気持ちを持っておくことは精神衛生上とても良いということです。
鹿児島の街は「てげてげスピリット」を持った人で溢れているせいか、とても治安が良かったです。街でも居酒屋でも、迷惑かけるタイプの変なやつに出会ったことは一度もありませんでした。
特に疲れる現代ネット社会、この「てげてげスピリット」を持っていると持っていないとでは、疲労のたまり方が大違いです。
これを持っていないと、少々のことで他人とマウントの取り合いをしてしまったり、少しハミ出した人間を袋叩きにしてしまう可能性があります。特にTwitterではそういった傾向が見受けられる気がします。
「まぁそれくらいええやん、許してやれよ」という寛容さを持ち合わせておくことが、疲れず生きていくにはちょうどいい気がします。(もちろんコレは何でもかんでも「いいよいいよ」ではなく、善悪の境界線をしっかりグリップ効かせた上での話ですが。)
なんか以前かいた記事と似たようなこと言ってるな↓↓↓↓↓↓
人生やっぱ心穏やかに生きていきたいよね。
最近ちょっと疲れている方、今日一日くらい南国風味の「てげてげスピリット」で過ごしてみるのはいかがでしょうか?
−−−−−−−−−−−−−−ここからは余談−−−−−−−−−−−−−−
本筋とは離れる話をします。
僕が鹿児島に降り立って一番驚いたのは、本社では当たり前のルールや規則みたいなものが鹿児島支社ではグッと簡素化されていたことです。
「簡素化」というと聞こえはいいですが、つまりは「ルールや規則をある程度無視」しちゃう場面がとても多くありました。
元来僕は「ルールにはパキパキ従うタイプ」の人間なので、この「てげてげ」な雰囲気にはとても困りました。しかしながら興味深く内情を観察していると、また違う側面が見えてきました。
本社やその他の地域では成り立つ「ルールや規則」が、そもそも鹿児島という土地の内情に則していなかったのです。鹿児島支社では、金・人員・時間・環境というリソースが尽く足りておらず、既存のルール通り行うことがそもそも無理な状況でした。
そういった状況のなかで応用力を効かせていたのが鹿児島の人たちでした。なので鹿児島支社にはとても優秀な社員が多く、他の支社に異動してもそこで無双している社員がとても多かったです。
「てげてげ」どころか、こういう大事なところは「パキパキ」な鹿児島人達でした。