見えないものは見えないままでいい
3/6。こんばんは、INNOSENT in FORMAL CANDY MANです。
初ワンマンも終了し、楽曲制作に入っております。
このご時世でライブ、特に地方に行くことが減ってしまった。
(その中でも東京より名古屋、大阪の方が去年はライブが多い)
移動の時にメンバーと話をするのだが、たまに幽霊について話をすることがある。
誰も本物を見られないし意外と怖がり、だが怖いもの見たさは人一倍。
自らストレスをかけることでそこから解放される快感を味わうのが人間の性。
大体最後に大きな声を出して驚かすという定番オチ。
こんな感じ。
実際に幽霊が見えるという人がいる。いわゆる第六感の一つか。
ある一部の人だけがもつ感覚に「色聴」というものがある。今日はそのお話。
「色聴」とは「音」を聴くと「色」を感じる感覚のこと。
他にも文字に色を感じたり、物を食べると形を感じるなど、普段それぞれ別個に感じられる感覚が同時に起こる。これを「共感覚」といって、「色聴」もその一つ。
今まで150種以上も発見されてるから面白い。色を聴くって表現、好き。
音を聴くと色を感じるといっても人それぞれで、「赤色」と頭の中のみで感じる人もいれば、実際に目の前に幕が降りているように感じ、その幕の色が音によって変わっていくという人もいる。「色聴」を持っている友人がいるが、彼は後者だった。
ただちょっと疑わしい。色聴って本当にあるんけ?と思う人もいるだろう。実は皆が以前から使っている言葉にも「色聴」が隠されている。
女性の甲高い歓声のことを「黄色い歓声」というのは皆ご存知だろう。
これも「色聴」を持っている人が女性の歓声が黄色く見えてそう表現した、という説がある。それでも夢幻な感じだけど、実はその存在は科学的に証明されている。
昔は「色聴」はトリップしてるやつの言うことだからとなあなあに済まされてきたが、脳の働きを調べられるようになると実はそれは違っていた。
脳の中ではそれぞれ場所によって役割が異なる。ものを見る場所、色を感じる場所、音を感じる場所など。例えば目をつぶって音楽を聞いていれば本来音を感じる場所しか反応しないはずだが「色聴」を持つ人は色を感じる場所も反応していることが実験研究で分かっている。科学的に判明されたわけだ。
かがくのちからってすげー!
ただ実際になぜそれが起きるのかははっきりとはしていなく、有力な説として「神経ネットワークの未分化」と「感覚を統合する部分の働きの違い」の2点がある。
もともと人間は生まれた時から異なる感覚同士が神経ネットワークで繋がっており、成長していくにつれ必要のないネットワークは刈られる。「色聴」を持つ人はそこが残ったままという説が前者。
もうひとつ。感覚同士を統合する場所があり、本来別の感覚経路へ信号が漏れないように抑制されているがその抑制が低下して本来流れない感覚経路へ信号が流れ、発生しない感覚が起こる。つまり「色聴」が発生しているという説。
前者が正しければ人間誰しも共感覚の持ち主だったと考えられる。なんだか夢がある話。
ここまで書いてきたが、私は「色聴」という感覚を持っていないし、幽霊も見えない。「色聴」はその存在を証明されたが、幽霊に関してはいささか疑問が残る。自分が実際に感じないと分かりづらいよね。
でも思い馳せることは出来る。幽霊が見えなくても、「辛かったんだね」と相手の気持ちを想像で感じ取る、という行為は出来るはず。
生きている人間でさえ、何を考えているのかは分からない。「好き」と言葉で言っても嘘を付いているかもしれん。今だって漏れそうだけど漏れそうじゃない雰囲気出して一人部屋でnote書いてる。
でも。相手の感情も幽霊もWiFiも何もかも見えるとしたら。それはそれでしんどいよね。相手の感情が見えるなら「あの子に届く!?おすすめラブレター10選」みたいな記事もいらなくなっちゃうし。そんなもんいらんわ。
見えないから相手の気持ちを考えて行動しようと出来るし、その行動が例え100%の答えじゃなくても、嬉しいよね。
見えない、分からないという「余白」があるからこそ相手を思って自分なりに行動できる。幽霊が見えないから何もしない、というのであれば墓参りもしないよね。
見えないものは、見えないままでいい。
でも言葉で伝えられるなら、想いは伝えた方がいい。幽霊になってから想いは届かないし。
死んでから秘めてた想いを伝えられるなんて死んでも嫌だしね。
じゃ、トイレ行ってきます。
※色聴に関する内容は下記を参考に掲載しました。
うまくまとめられなかったらすみません。8年くらい前から気になって記事や論文も読みました。ただ長田先生ご本人が色聴をお持ちということに今日気がつきました。見えない「色聴」を調べるより見えてる自分の「記憶力」をどうにかしないといけませんね。
今日の1曲
BUMP OF CHICKEN「天体観測」
この記事を書こうと思ったが話のオチをどこに持って行こうか、と考えてた時、ヒット曲ランキングみたいな内容が流しっぱなしのテレビから流れてきてふと思いついた。
初めて聴いた時は痛みが自分を支えてくれるなど理解できなかったが、時間をかけて改めて聴くと痛いほど分かる。
見えないものを見ようとする、見えてるものを見落とす。
この意味に気が付くときは大体見落としている時だな。
以上。