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滴りや人知れず岩泣くやうに

シタタリヤ・ヒトシレズ・イワ・ナクヤウニ

「滴り」は7月の季語。これは、崖や岩の間から滲み出る水が苔等を伝って滴り落ちる様であって、雨粒が傘から滴り落ちる様ではありません。でも先程、飽きもせず降り続く雨の中を歩いていたら、なんとなくこの句が浮かんできました。この梅雨が明けたら山歩きをして、本当の「滴り」を見たいです。

滴りに歯朶の葉先の応へをり 伊藤蘇洞

美しい句ですね。こういう句は、きっと、実物を前にしないと生まれない。