丁寧なねじねじ
憧れの人に手紙を書いた。便箋3枚にびっしりと。
手紙を書きながら、わたしもこれくらい文字の詰まった手紙が欲しいと思ってしまった。
この感覚は、交換日記をしたい欲と同じだ。自分のことを思って、自分のために大事な時間を使って欲しい。
言語化すると、かなり気持ちが悪いな。
書いた手紙をポストに投函するため、昼休みに外に出た。
そのついでにインフルで倒れている母と妹のために、セブンで買い物をする。
母はおにぎり、なんでもいいから。と天龍さんのようなガビガビの声で言った。おけ、と答えたものの、おにぎりコーナーでわたしはどうしていいか分からなくなってしまった。
なんでもいいと母は言ったが、好み的にツナマヨではないと思う。
キムチ納豆巻きも悪くはないが、インフルの時に食べるものではない気がする。コンビニの塩むすび、きっと美味しいだろうけどそれを買って帰るのは攻めすぎている。
そんなことを考えながら、舞茸おこわと五目いなりを買った。
母はおこわとおいなりさんが好きだから、及第点はもらえるだろう。
わたしなら、海苔がしっとりしてる方のツナマヨとサーモン寿司のやつ。と頼む。気分次第ではチャーハンのおにぎりも候補に入る。自分の中で定番を持つのは大事だ。
飲み物はコーラ、ラーメンは味噌、パスタはミートソース、オムライスはポムの樹、ハーゲンダッツはストロベリー、ディズニーはハロウィン時期以外シー。
妹のためにレジでアメリカンドッグを注文したら、レジの女性がビニール袋にアメリカンドッグとパキッとするとケチャップとマスタードが出てくるあれ(パキッテ)を入れてくれた。
さらに、その袋からパキッテが飛び出ないよう袋の端をねじねじしてくれた。ホスピタリティ。ありがとうございます、とマスク越しでも伝わる声量で言った。
丁寧なねじねじを見て、わたしは今年の夏のある日を思い出した。
今日と同じようにセブンでアメリカンドッグを買った時、店員さんがパキッテの裏側を見せながら「からし付いてるけど平気?」と、小さい子に聞くような口調で確認してくれて、動揺した。
マスタードではなく、からしと言ってくれたのもホスピタリティだろうか。
セブンイレブン、いい気分。今日もありがとう。