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スティーブン・キング ミザリー感想

ファンのヤバい女に監禁された小説家が無理矢理続編を書かされる話、と思っていたらそれは正しいんだけど微妙に違った。
ヤバさが想像以上。サイコパス、なんて言葉じゃ足りない。情緒不安定、なんて言葉じゃオブラートに包みすぎている。そんな話。

ここからネタバレあり、注意!!

そこまでする!?のオンパレード。
最初の雑巾の濯ぎをした水を飲ませるところで「ひぃ!ごめんなさい、もう逆らいません!!」と思ったのに、痛み止めや水、食べ物を与えない虐待は普通にあるし、じぶんが気に食わない最新作をポール自身に燃やすよう指示するなんて……それだけじゃない、足首を斧で切ってしまうんだから!!

これには驚いた。すでに両足は折れて使い物にものにならないのに、さらに追い打ちをかけるように足首を……それでもポールは負けずにミザリーを書き続ける。諦めない。

アニーのヤバすぎる過去が明かされ、聞き込みを来た警察官を躊躇なく殺し、どうなるんだ、逃げられるのか、とドキドキしていたら母趾がないことを突然知らされる。
え?いつ?母趾?え?切られたのは足首だけでは?読み飛ばした?

少し読んでいったら、左手の母趾を電動ナイフで切断されたことが書かれていた。
………人間ってこんな状況でも生きられるんだね。

幽霊よりも人の方が怖い、なんて月並みなこと言いたくないけど、これはアニーが怖すぎる。
精神的な病を加味してもこんなにはならんだろ、と思ってしまう。読者のわたしでさえ、アニー!落ち着いて!!と祈らずにはいられない。

そんな嵐のような激しい気性のアニーにポールは勇敢に作家としてのプライドを最後まで持って立ち向かった。
自分がされた一番の屈辱である作品を燃やされたあの日の復讐を、アニーが一番待ち望んでいた世界に一部しかない完成版のミザリーを目の前で燃やすことで叶えた。(実際は完成版ではないけど)対比がうまい。最高。

そこからのラストは展開が早かった。
どこまでも悪運が強い女、アニー。生き絶えた場所は納屋で、その手にはチェーンソーが。最後の最後まで、そして死して尚もポールを怯えさせる。

小説はポールの一人称だから、それを映画でどう表現しているんだろう。足首切断シーンとかは覚悟しないと。映画も絶対に観る。

スティーブン・キング最高!

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大森薫
幼稚園、小学校、中学校が同じだった友人と交換日記をやっております!こちらも読んでいただけると嬉しいです!! https://note.com/yuru_nikki