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ゴールデンボーイ 恐怖の四季 春夏編 感想

刑務所のリタ・ヘイワースの爽やかで気持ちの良い読後の後のゴールデンボーイは効く。悪い意味で。
少年の無邪気さ、ではなく邪気と悪意がたっぷり詰まった小説。このクソガキ!と言いたくなる。

心臓発作の一件のところで貸金庫なんてものはない、と話してそのまま死亡エンドで良かったのではないか?と思ったけれど、そうは問屋が降ろさない。
ドゥサンダーにも、トッドにもしっかりとツケを払わせるのがスティーヴン・キングだ。でも、ドゥサンダーは勝ち逃げしたな。

クソガキ!と思わせるトッドだけれど、同時にスマートでもあるからどうにか逃げ切ってくれ!と祈ってしまったのも事実。
ゴム靴エドがさー、急に思い出した時にかなり焦った。完全に出し抜いたと思っていた相手に追い詰められるとは。

ページの長さ的にそうはないだろうな、と思いつつ勉強を頑張るターンで友情を深めてそれで大団円!お疲れ様でした!を少し期待したけれどやっぱりならなかった。

トッドがいつ自分の頭に拳銃を構えるかと不安だったけれど、あんな終わり方をするとは。
いっそ自分で自分を解放した方が楽なのに、そうはさせなかったのがやっぱりスティーヴン・キングなのだろうか。だとしたら、本当に良い性格してるよなぁ。(褒め言葉)

明らかに狂気を孕んだ、正気を失っているトッドの目が見えるかなり読み応えのある作品。
息苦しさを感じながら、でも読む手を止められない作品。すごい人だよ、スティーヴン・キングは。

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大森薫
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