【life/エッセイ⑥】日々の空模様
とても小さいころ、わたしは部屋の窓から空を見つめながら、
雲がゆっくり、じっくり、動いているか、止まっているかもわからないくらいのはやさで、雄大な空を移動をしていることを知った。
眩しい空をずっと眺めていると、なぜか「くしゅん。」と、くしゃみが出てしまう現象が起こっていたが、そんなことはかまわずに、夢中になって雲の動きに見惚れていた日があった。
そんな過去があるからだろうか。
海街暮らしを始めた今、「今日の空はどんな表情をしているのだろうか?」と、ついつい玄関を開き、空を眺めてしまう。
見たこともないないようなピンク色の空の日や、物珍しい雲のカタチを見つけた日には、自転車を走らせ、写真を撮りに行く。
「変わりゆく自然」が届けてくれる、日々の贈りもの。
きっとこの先もずっと、わたしは「空のキャンバス」に描かれた雲の表情を、眺め続けていくのだろう。
そのとき、そのときに抱いている想いを、空に馳せながら。