「感謝している人」と「好きな人」は違う~「自分を生きる」ためにさよならするもの~
「感謝」の感情と、
「好き」って感情は、
違うものです。
僕はかつて、これを勘違いすることが多く、
それですごく苦しかった覚えがあります。
感謝している相手だから、好きなはず。
好きなんだから、受け入れられるはず。
そう思って、自分の本当の感情を、
押し殺すことが多かったように思います。
「感謝」と「好き」って、本当は全然違うものです。
誰かが、自分によくしてくれて、
その人のおかげで今の自分があって、
本当に感謝を感じていても。
その人が、僕のことを好いてくれていても。
それでも、僕が、その人を好きになれるかとは、
本当は、別問題なのです。
どんなにお世話になって、感謝すべき相手でも、
どうしても好きになれないことは、あるのです。
それを、気に病む必要は、無かったんです。
「感謝」を感じてるんだから好きにならなきゃ、
とは思わなくて良かったんだと、今なら思います。
「ありがとう、本当に感謝している。
でも、僕は今、あなたのことを好きじゃない」
そう思って、それで良かった。
以前は、もしかしたら好きだったかもしれない。
そういう時期は、あったかもしれない。
けれども、人は、変わるものです。
いつまでも同じ関係性でい続けられるのは、
とても幸運なことであり、誰しもがそうではありません。
それぞれ、日々小さくても確実に変化していく中で、
「あれ?最近全然話が合わないな」
って思うことは、当たり前にあります。
これからの人生で進みたい方向を違えてしまうことも、
あって当たり前のことです。
そんな中で、以前は好きだった相手でも、
お世話になった相手でも、
好きじゃなくなってしまうことは、
仕方のないことです。
・・・・だから・・・・
好きだった人を好きじゃなくなったことに罪悪感を持つとか、
よくよく考えたら意味わかんないですよね。
「前は好きだったから」
「今も感謝しているから」
そういう言葉に、
今の自分の本当の気持ちを、
埋もれさせてしまわなくて、いいのです。
ありがとう。
さようなら。
ただ、それで、いい。
もしかしたらまたいつか会う日が来るかもしれないけれども。
今は、あなたといても楽しくないし幸せではない。
応援してあげたい気持ちも、実は、ない。
「応援するよ」って、そう言わなかったら、
自分の器の狭さを露呈するようで、嫌だっただけ。
無理して興味を持とうとしていたけれども、
実は、興味無かった。
無理して今まで通り接しようと思っていたけれども、
実は、もう好きじゃなかった。
そんな想いを、抱いてしまったのなら・・・・
「今まで」に、本当に心からの感謝を。
どうもありがとう。
ただそれだけを、伝えられたら、それで十分です。
恩返しも、見栄も、義務も、
そういうことの一切を考えることをやめて、
今、たった今、その人のことを、
その人のやっていることを、
好きだと思えるかどうか。
その人が、自分に接してくる「変わらぬ態度」に、
今もなお、自分が笑って受け入れる気持ちなのかどうか。
もしもそこで、
「僕は、そういうふうに扱われるのは、もう好きじゃない」
という答えが出てしまったなら・・・・
その人と、今までにどんな親密な関係があろうと、
今、ここで、さようなら。
「自分を生きる」と決めると、「ツケ」を支払う必要が出てきます。
それは、
今まで自分の本音で生きてこなかった「ツケ」
です。
そして、人間関係とは、その「ツケ」のひとつだと思います。
沢山お世話になった相手でも、
今、これからの自分が、
その人の描く世界とは違うものを見ているのならば。
「自分を生きる」ということは、
その人とは別の道を選ぶということです。
心底の感情から来る、「好き」を信じて、選んで、
生きていくしかないのです。
こういうこと、一度気付いてしまったら、
見て見ぬふりをしようとも、違和感ばかりがつきまといます。
だからちゃんと、自分の中の「好き」を信じてみるのです。
そしてそれを体現して、生きていくのです。
別に、お世話になった人を「裏切る」わけでも、
あえて攻撃するわけでもありません。
「ありがとう、でも僕は今もうあなたを好きじゃない。」
それを伝えるだけ。
好きじゃないものを好きだと思い込むとつらいものです。
どんどん自分の本音がよく分からなくなってきます。
そういう時は潔く、
「ごめんなさい好きじゃないです」
って、言ってしまって、いいんだ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?