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こじらせ男と女

みなさま、ごきげんよう。

唐突だが、東京カレンダーはご存知だろうか。

都心在住の人からすると、何を今さら寝ぼけてんのかと突っ込まれそうだが、念のためネット情報をそのまま記載すると、東京を謳歌する大人たちに捧げるグルメライフスタイル情報誌とある。

東京を謳歌する大人たちって、なんたるパワーワードなこと!

東カレという愛称でお馴染みで、旬な女優を表紙に飾っては話題になり、数年前からは東カレデートというマッチングサービスでも有名か。

これまたネット情報を拝借すると、
東カレデートは、年収が高い男性やビジュアルに優れている女性など、ハイスペックな男女が登録しており、東カレデートの審査通過率は男女ともに30%ほどで審査が厳しいとのこと。

とにかくアッパー層いわゆるハイスペをターゲットにしているらしい。


そんな東カレがYoutube「港区婚活バトル」と称した企画があって、とにかく面白いから見てみて!と友人にゴリ押しされたので、ようやく重い腰をあげて視聴してみた。

東カレのブランディングとして正解なのかは不明なものの、
これが想像以上に面白くて、家で一人で見ていたのだが、独り言の領域をはるかに超えてゲラゲラと大爆笑した。

港区女子見習いの主人公が、ハイスペ男性や元カレとデートしたり、胸の内をお互いに探る様子を面白おかしく描いているのだが、妙にリアルで共感しまくりで笑えるのだ。

もはや私が主人公を演じたい。←やめて?

他にも「東京グルメ図鑑」「東京モンスター図鑑」とどうやらシリーズもののようで、アルゴリズムのおかげでYoutubeを開けば港区女子を見るハメになるわけである。

見れば見るほど、とある疑惑が生まれてきた。


港区女子・・・、あれ、、これ、私やん・・・?


出会った男たちに変なあだ名をつけたり、
頭の中でゲスワード連発させたり、
元彼に会った時に「変な顔!!!」と思うあたり、もはや脚本家と私は双子なのでは?!と疑うレベルである。

でも私は港区界隈に生息していないのに何故・・・?

ずっと九州に根付いた生活をしてきた。

ただ、「九州人っぽくないですね」「東京にいたんですか?」と言われることが確かに多い。


港区女子もどきの誕生

いつの間にこんなことになってしまったのかを振り返ってみると、やはり社会人になってからか。

新入社員、若手時代は奢ってもらって当たり前のカルチャーで、会社の飲み会で自らのお財布を開いた記憶はほとんどない。

圧倒的に女性社員の在籍が少なく、飲み会に参加するとなるともはや紅一点状態だったし、何と言っても若いから相当チヤホヤされていた。

もう今は転職して違うのでさらっと言ってしまうと、証券会社に勤めていた。
(いきなり謎の告白)

何を根拠にしているかは不明だが、証券マンや商社マンの平均寿命は短いとよく耳にする。若いうちからの激務とストレスが高いからだとか。

ストレスを発散させるためか、平日のうち少なくとも3〜4日は仕事終わりにそのまま飲みに行く流れが常だった。

若い頃の体力ってすぎょい。(凄い)

しかも給与水準も割と高めなので、いいお店に連れて行ってもらう機会が多かった。

そんな生活が3年も続けば、舌も肥えるわ、チヤホヤされてそりゃ調子に乗るわ、とにかく驕りが蓄積されまくった。

高級焼肉に行っては「シャトーブリアン食べたいです〜」
イタリアンに行けば「泡が飲みたいで〜す」

シャンパンを泡と言うな!なんっじゃこの女!!と今となっては我ながら引くところではあるが、当時は素で言ったような気がするし、港区オジならぬ会社のオジ達やデートした男達は嫌がるどころか喜んでいたようにさえ思う。

若さってすんげー。(凄い)

慣れとは怖いものでそんな環境にいたからか、プライベートの合コンで割り勘を提示された日にゃ、帰り道の悪口大会が止まらなかった。(クズかよ)

昨今も巷でよく奢り奢られ論争が巻き起こっているようだが、個人的見解というか実体験を基に言うと、ある程度の年齢を超えると、まっぢでどうでもよくなる。今となっては割り勘でも全然問題ない。
年齢というよりも色んな経験を経て、相手に期待したり過度な要求をしなくなった、といった方が正しいか。
若さ故の傲慢さが成せる技のような気すらしてきた。


話を戻すと、あとは何と言っても業界的なものだろうか。
証券マンはクズが多かった。(言い方よ)

とにかく浮気や不倫が当たり前に隣り合わせていた。

他社とも謎に交流があって、他証券会社も同じような状態だった。
業界というか、稼ぐ男性にはつきまとう問題なのか。

噂とは回るもので、クズエピソードを聞いたり体験(?)することで、心はどんどん冷めていったような気がする。


証券会社を退職し、次の会社では入社してすぐ数ヶ月だけ東京に住むことになった。

当時の東京オフィスは東京ミッドタウンに入っていて、六本木これこそ港区ど真ん中。

当時の部長が、まさにザ・港区の男!ど真中のタイプであった。
入社当時に挨拶したことは未だに鮮明に覚えている。

手入れの行き届いた身だしなみ。
遠目から見てもわかる高そうなスーツ、高級腕時計に綺麗に磨かれた革靴、バチっとセットされた髪型、おまけに定期的にホワイトニングに通っているであろう白い歯が眩しい。

九州では絶対に見ない人種すぎて衝撃を受けたことを覚えている。
興味津々すぎて、接近した時には隅々まで観察したっけな。←やめろ

よくよく見ると、カフスボタンがエルメスではないか。
エルメスのYシャツっていくらするんだろと心の中で思いつつ、その日から陰ではエルメス部長と呼んでいた。←やめろって



数ヶ月の期間限定とはいえ、プライベートでも色々出会いがあり、東京マウントといった洗礼も受けた。


ところで、MARCHや早慶の男たちってなんで自ら出身大学を言い出すんでしょうね?
こちとら聞いてもないのに。それに同じ大学でも女性側からの自慢はほとんど聞かない。
もしかして男性限定で卒業証書に、本学の名を知らしめよ!とか書かれてたりするんか?



こんな環境にいたからか、男性に対しての信用度合いも低くなった気がする。

だから港区女子のように、スペックで判断したり、酷評したり、ジャッジする癖がついてしまったのか。


もちろん素養があったのは言うまでもない。




所詮、人はうつし鏡。

自分がこじらせてるから、こじらせてる男を引き寄せるのか。
それとも、世の中にはこじらせてる男が多いのか。


今まで出会ったこじらせ男たちを少し思い返してみよう。


高慢なこじらせ鮭ども

いきなり口が悪くてすみませんね。

1番最初のコラムでも書いた通り、30歳を過ぎたあたりからUターン転職で地元に戻ってくる男性は多い。
そう。鮭のように。

もちろん全員がそうであるとは言わないが、このUターン転職してくる人ってこじらせてる割合が高いように思えてならない。

パートナーのため、子育てのため、とか既婚組の真っ当な理由もあるだろうが、ここでは一旦こじらせ独身にフォーカスする。


そもそもUターンとは、地方から都市部に移住した人が再び地方の出身地に戻ることであって、建前は故郷愛が強いとか老後が心配な親元の近くで、とか色々あるだろうが、決して表には出さない理由がありそう。

仕事してバリバリ活躍できる、一旗あげたいといった謎の自信から意気揚々と都市部に出たものの、上には上がいて、自分の無力さを突きつけられて、プライドを守るために地方に戻ってきたようにすら見える。

そして彼らは都市部へ出たことに誇りを持っていて、何故だかずっと地方にいる人を小馬鹿にするケースをよく目にする。
いや、都心で挫折してズタボロになったプライドを逆に補填しているのか。

何を以てして偉そうにできるのか検討もつかないが、転職してちょっぴし給料が上がったから転職経験のないプロパーを小馬鹿にする理論と一緒であろう。


最大の問題は、こじらせ鮭どもは下手に港区女子と戯れた経験があるからか、女性に対しての見る目が厳しいところ。

港区女子というか都心で働く女性は、地方で働く女性と比べると、そりゃ給料水準も生活レベルも交友関係、バイタリティやモチベーションの高さも違うだろう。

昨今のインフレ等の影響で生活が苦しいといった時代背景から、共働きやダブルインカム、パワーカップルといったワードもよく聞くようになったものの、やはりその意識が強いのも都心部。

そんな都心に染まって共働き思考を植え付けられたものの、根っこの部分では九州特有の男尊女卑思考は消えていないから、中途半端なリベラル野郎が増えた気がしてならない。



「地元に戻ってきて思ったけど、こっちはやっぱり販売職とか事務とかが多くて、キャリア思考がないどころか結婚したら専業主婦願望の子も多かったり。専業主婦ってか、もはやヒモ・?苦笑」
と発言した男には、流石の私でさえドン引きを通り越してドンドンドンドン引き引きした。

専業主婦=ヒモってなる思考回路こわすぎるんだが!?
恐怖で震えるレヴェルぞ。(レベル)


主婦は稼ぐことができないから俺様が養ってやらなきゃいけねえ。ってことか?おん??
お前どうせ大した家事もできないくせに、主婦の労働力舐めてんじゃねー。
家事育児の大変さ想像しろよ?
たかだか働いてるだけで何で偉いと思ってんだよ?そもそもお前どうせ大した給料稼いでないんだろ?手取り額言ってみろ。おん??
(Chu!口悪くてゴ・メ・ン!)

と悪態ついてしまいそうなところを必死に抑えて、奈良の大仏様デスカと言われんばかりの仏頂面で華麗にスルーした。



女性をスペックで図る男たち

いまや5人に1人はマッチングアプリ(以下マチアプと略す)で出会って結婚すると言われているらしい。

ネットで知り合うなんてちょっと怖い〜とかそんな時代はとっくに過ぎ去ったらしい。

確かに私の周りでもここ数年で結婚した人たちは、すべからくアプリ婚のようである。


時代の波に乗らむとばかりに、コロナ禍で暇を持て余した私もマチアプに登録してみた。
なんなら天性の(?)探究心を遺憾なく発揮して、東カレをはじめとしたあらゆるアプリを試してネタ探しに奔走した。←真面目に出会い探して?



マチアプには、こじらせた男と女がうごめいている。


リアルでの出会いと違って、会う前の段階からお互いの基礎情報いわゆるスペックを把握できることはマチアプのメリットといえる。
(詐称している輩もゴロゴロといる。)

マチアプは様々な仕様があるものの、一般的にはスペック(年齢、居住地、学歴、職業、身長、休日etc,)にフィルターをかけて検索、お互いマッチングしたらメッセージのやり取りができるようになるのが大半。


こじらせ鮭どもに怯えている私は、マッチングした相手になんで私を選んだのか聞くという暴挙に打って出た。

すると恐ろしいことに、仏頂面を拝ませてあげた(?)男のような回答がくるではないか。
しかも一人や二人に限った話ではない。


そりゃ女性も心の中では、イケメンがいい〜高身長がいい〜給料高い方がいい〜と思っていたりするし、なんなら男性よりも腹黒さを持ち合わせていたりするが、それを面と向かって男性本人にボールはぶつけない。
それに感情がのると、結局スペックなんてどうでもよくなったりする。



そして何がさらに恐ろしいかといえば、彼らとしては、むしろ褒めているつもりらしい。

一定水準の学歴や教養がないと(俺様の)話のレベルが合わなくて〜とか平気で言ってしまう男性から地方では希少価値が高いとかなんとか、いくら褒められたところで、女性蔑視というか自分を過大評価しすぎじゃね?とうすら怖くなってしまうのは私だけなのだろうか。


真相はわからないけど、彼らにとって学歴や職業、ステータスはプライドだからこそ、そこを褒めれば女性も同じように喜ぶと思っているのか。


女性をスペックで選ぶ男にろくな奴はいないと天国のおばあちゃんが言っているような気がするし、プライドの高いこじらせ男とは関わらない方が良さそうである。



マチアプにはこじらせ男女が存在すると書いたものの、
もしかして逆にマチアプの台頭により、出会いの価値が希薄化して、つまり誰とでも簡単に出会えることが当たり前になったせいで、人々をこじらせさせてしまったのだろうか。




車好きな男はこだわりが強い説

趣味があるって素晴らしい。
個性があるのはいい。

ただ、何事もほどほどに、とはよく言ったもので、行き過ぎはよくない。



車が好きな、とある男の話をしよう。

車を停めようと立体駐車場に入ったのだが、2階も3階も空車なのにも関わらず、どんどん上の階に登っていくではないか。

何でわざわざ屋上まで行くのかを尋ねたところ、
車好きあるあるで(?)ぶつけられたりしたくないから、あまり密集してないエリアを選びたいんだとか。

は?と思ったが、初回だったのでスルーした。

すると次の行き先。
今度はだだっ広い平面駐車場で、店の入り口から1番離れた遥か彼方の場所に停めようとする。

おいおい、めっちゃ歩かせるやんけ。と思って、つい聞いてしまった。
「え、今まで女性に嫌だとか言われなかったの?」

すると、やはり歴代の彼女にもやめろ、だとか直して、とか散々言われていたのに、我を通してきたらしい。
しかも毎回、車検がくる前に新車に買い換えるらしい。


結婚を考えていた彼女にフラれたと言っていたけど、そういうところぞ。と突っ込まずにはいられなかった。


ほんmoney余計なお世話だが、結婚願望も強いようで、それこそ子どもができたらこの男はどうするのだろうか?


答え合わせは一生できそうにない。
(他にもこじらせすぎてて疎遠になったから)




次に、ここ数年の秋って短すぎない!?と同じくらい秒速で終わった元カレの話をしよう。

家でご飯を食べ終わり、後片付けしようと食器をシンクに運ぼうと、彼も一緒に運ぶのだが、食器を一つづつしか持ってこない。

重ねて一気に運べば!?と笑いながら促すと、
お皿を重ねると重ねたところが汚れるから、あんまり好きじゃないんだよね。とか言ってのけた。

は!?どうせ洗うんだから一緒じゃない!?めんどくせーと心の中で一瞬思ったものの、ロマンティック浮かれモードならぬ、恋愛初期特有の脳内ドーパミンのせいで頭がおかしくなっていたし、はいはいお好きにどうぞ。と最初の頃はスルーできた。

ただ、これが回数を重ねて毎回となると鬱陶しいこと極まりない。

要因はもちろんこれだけじゃないけど、先述した通り速攻で解散した。



よくよく考えると、この男も車が好きだった。


え、もしかして車好きな男ってこだわりが強い!?

全員とは言わないけど、他にも思い当たる人々が脳内をよぎる。



因果関係も不明だし、たかだか数人で決めつけるのも良くないので断言はしないが、ただ一つ言えることはこだわりが強すぎる男とはうまくやっていける自信がない。




こじらせている人々


自戒の意味でも考えてみた。

独身歴(=独り身の自由な時間)が長くなるからこじらせるのか、こじらせてるから結婚できないのか。

鶏が先か卵が先か論争並みに、答えは出そうにない。

でも結婚歴は関係なさそうな気もする。



今ふと思い出した昔話をしよう。

異業種交流会のような大所帯での飲みの場で、一人の男が既婚男性(婚姻歴10年)に向かって、
「なんで○○さんのところは子ども作らないんですか?」と言い放った。

なんてデリカシーのない男だ、と思ったのも束の間、

「いやー嫁は馬鹿だから、馬鹿な子どもをこれ以上増やしちゃだめでしょ。」

と、より特大のデリカシーのない発言をして、私を含め周りにいた女性陣をドン引きさせた。

この後にも、
「嫁はラッキーだと思うね。結婚した当初には、こんな出世頭になって稼ぐとは思ってなかっただろうし。宝くじに当たったようなもんだよ。」と、整合性の取れない発言をしていた。


もはや、ここまでくるといろんな意味で凄い。


プライドなのか見栄なのか。

真実から目を背けたくて、こじらせてるのか。






こじらせ男を書いてみて改めて思ったが、真の
こじらせは自覚がない。
無自覚なのが厄介なところ。



そして、こじらせている子どもは滅多にいない。


そう考えると、
きっと置かれた環境、交友関係、経験値が蓄積されて、
少しづつ少しづつ価値観が凝り固まっていって、こじらせた大人になっていくのだろう。


そして大半の人は、心の中で黒い部分を持っていたとしても、それを周りにひけらかすことなく、悟られることもなく平然としているのだろう。



こじらせと呼ばれる人々は、ある意味、不器用な人たちなのかもしれない。


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