見出し画像

クズ男に沼るワケ


彼からの連絡がなくて不安。
愛されている実感が持てない。
他に女がいるんじゃないかと疑ってしまう。
夫が家事育児に協力してくれないどころか、まともに話し合うことすらできない。
いつまでも独身気分の夫にイライラしてしまう。
家族の絆を感じられない。
男運がない。
都合のいい女になっているとわかっていても抜け出せない。


今、こんな悩みを抱えている?

むかし悩んだ経験がある?

自身に経験がなくとも、周りの女性から相談を受けたことはない?

今までは、てっきり若さというか未熟さやキャパの問題で、経験を積んで忍耐力だとか包容力が身について、大人になったら自然と恋愛(パートナー)の悩みは無くなるのかと思っていた。

だけど年齢や経験を重ねて、いざ蓋を開けてみると、大人になってもパートナーシップで悩んでいる人はめちゃくちゃ多い。

恋愛指南本だとか、良好な関係の築き方、男女脳の違いだとか、世の中には膨大な情報で溢れかえっていて、何に頼ればいいのか何が正解なのか、友人や知人に相談してみたり、占いに頼ってみたり。


はたまた良好なパートナーシップを築いて幸せそうな人たちもいる。


この違いは一体なに?



もしかしたら、愛着スタイルの違いが生みだしている悲劇なのかもしれない。



3つの愛情タイプ

イギリスの精神医学者ボウルビーが提唱していた「アタッチメント(愛着理論)」という言葉を耳にしたことはあるだろうか。

愛着とは母親や父親などの養育者との間で築かれる心理的な結びつきを指す。

生まれてから一歳半〜せいぜい二歳くらいまでの間に、身を挺して世話をしてくれる特定の養育者がいてはじめて、本来の愛着が生まれる。
そして五歳くらいまでには形成される。

この時期に愛着が形成されなかった場合、人格形成やストレス耐性、不安の感じ方、パートナーとの関係や子育てといった、生涯にわたって影響を及ぼす。


全ての人は次の3つの「アタッチメントタイプ」のどれかに当てはまる。

  • Sタイプ(安定型):相手と親密になることは自然で、愛情深い人柄が多い。

  • Nタイプ(不安型):相手との親密さはなくてはならないもので、相手に夢中になりすぎて生活の最優先事項になり、一人相撲をしがちで、嫉妬や不安に苛まれたりする。

  • Vタイプ(回避型):親密さは自由の喪失を意味し、自分の問題を話したりもせず、常に距離を置こうとする。


それぞれのタイプは、親密さの度合いやどのくらい一緒に過ごしたいか、相手への期待度、コミュニケーションの手法や密度、対応の仕方などいろいろな点で考え方が違う。

まれにNタイプ(不安型)とVタイプ(回避型)が組み合わさった無秩序型の人もいる。

自分はもちろん、パートナーや周りの人たちがどのタイプに当てはまるのか考えてもらいたい。

S(安定型)

  • 自然に愛情表現ができる

  • 自分の気持ち考えをパートナーとシェアできる

  • 大体パートナーとの関係には満足している

  • LINEや電話、会う頻度などで悩むことはない

  • 一貫して信頼できる態度、言動をする

  • 自分の交友関係の輪にパートナーを招き入れる

  • 駆け引きや計算をしない

  • 何かを決める時はパートナーに相談する

  • 二人の問題についてコミュニケーションをとる

  • 議論になっても妥協点を見つけ出せる


N(不安型)

  • 恋に落ちやすい

  • パートナーの言動や気分にとても敏感

  • 恋愛していないと不安になる

  • LINEで繋がっていたい、常に会いたい

  • 浮気を疑ってしまう

  • 自分を曝け出したら嫌われるかもと不安になる

  • パートナーとの関係についてあれこれ考えを巡らせてしまう

  • 今のパートナーと別れたら次の相手は見つからないと思ってしまう

  • 喧嘩になると暴言を吐いたり、後悔するような言動をしてしまう

  • 嫉妬などのネガティブな感情に悩んだり、怒りっぽくなる

  • 察してちゃん

  • 注意を引くために駆け引きをする

  • 失恋をいつまでも引きずる


V(回避型)

  • ワンナイトやセフレはいても特定の相手と交際はしない

  • 二人の関係について話したがらない

  • 好きな人が恋人になると、これでよかったのかと迷う

  • パートナーへの共感や慰め方がわからない

  • 交際や結婚をしても、心の奥深い気持ちはシェアしたくない

  • パートナーに頼るのは嫌だ

  • 相手との関係が深まることに不安を感じる

  • 一緒にいると逃げ出したくなる

  • 相手に振られたらどうしようと悩むことはない

  • 自分の自由な時間が何よりも大切

  • パートナーや元恋人を卑下する

  • 話し合いにならない、その場を立ち去るかブチ切れる

  • 元恋人を神化させている


親密さのニーズが異なるタイプが交わると、衝突やストレスが生まれ、健全な関係性の構築は難しい。

相手がアタッチメント欲求に応えてくれない場合、常に不安と緊張を感じながら生活をすることになる。


このアタッチメントを初めて知った時、パートナーシップで悩んでいる人々に当てはめて考えると、大体がV(回避型)の男とN(不安型)の女の組み合わせでは!?と瞬時に思った。

俗に言われるクズ男とは、V(回避型)の男ではないか!!



V(回避型)に翻弄されるN(不安型)


V(回避型)とN(不安型)は正反対のベクトルを持つ。
そりゃ悩みが絶えないわけだ。

メールの返事が遅かったり、相手がすぐに電話に出ないと不機嫌になったりする人は、不安型の特徴を示していると思われる。
方や、出て行ったきり、メールも電話も滅多によこさないというタイプは、回避型の傾向が強いと言えるだろう。
回避型の人は、不安型の人とは反対に、一旦離ればなれになると、相手のことは心から締め出してしまう。


N(不安型)は、交際相手に振り回されることが多い。

恋愛関係の危機を察知する第六感のような働きをするアタッチメントシステムという機能が人には備わっている。
このアタッチメントシステムは誰しもが備わっているものだが、N(不安型)の人はこのセンサーが非常に繊細で敏感。
特に女性は共感性にも優れているので、アタッチメントシステムがオンになりやすい。

実際に、女性では2割近くの人が不安型愛着スタイルに該当すると推測されている。


言い換えると、N(不安型)は他人の感情の変化にとても敏感。
(結論を急ぐあまりに感情を読み間違えることもある。)



相手が離れていくかもと察知すると、親密さを取り戻すために色々なことを思いつく思考を接近ストラテジーという。

接近ストラテジーの一例

  • 相手のことを考えて他のことに集中できない

  • 相手をむやみに尊敬する(自分を卑下する)

  • LINEの返事がくるまでずっと不安

  • 相手に不安不満があっても別れない方がいいと自分に言い聞かせている

  • 相手はきっと変わってくれると思う

  • 問題があるカップルは他にもいる、自分たちだけではないと思い込もうとする

  • 衝突のたびに自分の欲求を諦めていく


そして関係が脅かされたと感じた時に、実際にとる振る舞いをプロテスト行動という。

相手の注意を引いて繋がりや親密さを取り戻したいが故にとるのだが、時には常軌を逸した行動を取ったりして、周囲をドン引きさせることもある。

プロテスト行動の一例

  • 何度も電話したり、追いLINEをしまくる

  • LINEの送信取り消し

  • 家に突撃したり、職場で待ち伏せる

  • 一晩中、玄関先で待ったりする

  • わざと距離を置いたり、仕返しをする

  • 別れると脅す

  • 偽装する(忙しいフリや電話を無視)

  • 嫉妬させる(インスタの匂わせ投稿等)


一方でV(回避型)は、親密な信頼関係や持続的な責任を避ける傾向にあり、相手が近寄ってくればくるほど面倒に感じてしまう。
結婚や子育てといった持続的な責任が生じることを意識した途端に、冷めてしまう場合もある。

たくさん秘密があったり、相手を責めたり、距離を置きたがるV(回避型)と付き合うN(不安型)は、常に振り回され、拒絶され、自己肯定感はどんどん低くなる。

相手から連絡を放置されたり、けなされたり、曖昧な態度かと思えば突然誘ってきたり、上辺だけの甘い言葉をかけられたり、時々訪れる幸せな気分を味わえたかと思えば、まだ他の人を探そうとしていたり、また距離を置こうとされる。
いわばジェットコースターのように感情を振り回され、悪循環が続く。

V(回避型)と付き合うN(不安型)は、接近ストラテジーとプロテスト行動の繰り返しで、アタッチメントシステムが常にオンになっていて、不安を愛情と勘違いしてしまっている。


アタッチメントシステムがオンになっている状態は「愛情」ではありません。
自信を失って不安だったり、相手に執着している時に、たまに相手に幸せな気分にしてもらうこと・・・それはアタッチメントシステムがオンになっている状態であり、恋や愛ではないということをよく覚えておいてください。


対等な関係とはほど遠く、どちらか一方が我慢したり妥協したり、諦める関係性はよくない。

よくないと頭でわかっていても、依存性の高い人にとっては離れることができなかったりする。


だけど、このアタッチメントを知っているのと知らないのとでは、雲泥の差が生まれると思う。


アタッチメントは先述した通り、両親との関係性から形成されるもので、逆を言ってしまえば子育て世代の人にとっては、我が子にも影響を及ぼすということでもある。



V(回避型)とN(不安型)はなぜ惹かれ合うのか、
なぜV(回避型)とばかり出会うのか、
愛情タイプが分かれる要因、
今からパートナーを見つけたい人へ、
パートナーシップを改善させたい人へ、


書きたいことはまだまだあるのだが、長くなってしまったので今回はここまで。









この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?