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ever free③~蜜月の日々。

2000年から2005年前までの5年間、
正確には5年と66日間、横須賀の海沿いに建てられていた「hide MUSEUM」
のことを、記憶と記録に残してみたかったので、書いてます。

前回のお話「ever free②」

たくさんのイベントの思い出。

5年間で開催されたイベントは多かったとおもう。

誕生日イベントや、アルバムやDVDのリリースイベント。
命日を「メモリアルデイ」と呼んで現在も毎年やってるイベントとか、バレンタイン、クリスマス、カウントダウン。

hideが生前にやってた「MIX LEMONeD JELLY」っていう夏フェス的イベントや、そこから派生した「CLUB PSYENCE(クラブサイエンス)」っていうクラブイベントもあったな。

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ひとつ前の記事でも載せた写真だが、こちらはバースデーケーキだ。hideさんのギター「イエローハート」をモチーフに、ミュージアムのスタッフさんが作ってくださったのだ。。

カフェでは、お客が誕生日パーティーの企画を持ち込みできた。サプライズも受けてくれた。曲名をリクエストすると、hideやXの曲を爆音で会場に流してくれたり、ケーキや料理を依頼できたり。
たまたま行ったときに他のグループが誕生会やってると一緒におめでとうコールしたりして楽しかったなー!

結婚式も依頼できたんだよ。
バージンロードはhideのギターの形。
ベタだけどファンには嬉しい。
hideのヘアメイクさんが担当してくれる追加オプションもあったり、神父役をhideの弟氏がやってくれたり。MUSEUMで友達の結婚式に参加した思い出があるので、またそのことについては別で書いてみたい。


中でも私が特に好きだったのは、hideにゆかりのあるスペシャルゲストなど来ない、ただただDJのお兄さんお姉さんが、hideやXの曲やhideが好きだった音楽を流すクラブイベント。

主役はお客さん!みたいな感じで、hideの絵やhideのギターの柄を模したネイルなどのファンアートを展示したりもしてた。
しかもオールナイトでのイベントが非常に多かったことも思い出される。
若かったから行けたのかな。今なら会場の隅で寝ちゃうかもしれない。

この、ファンだけのイベントってのが私には嬉しかった。ゲストなんかいなくてもhideという名前だけでお客を呼べるんですよ凄いでしょ?って誇りたかった。hideを自分の支えにするための思い込みというか、今思えば完全に妄想力のなせる技だ。

行き着く先は

なんでゲスト呼ぶんだYO!
hideだけでいいだろ!

なんて思っちゃってて、hideの事なんか好きでもないくせにゲスト目当てでワチャワチャ来場する人が気に入らないっていう、お前誰だよ状態になってたことをここに懺悔します。あああああはずかしい!


なんだか今思うと、第二の学校みたいだった。
ここで出会った人ほんとにたくさんいて、出会ってから20年以上経った今でも繋がってくれている大切な友人もいる。
逆に、ほんとうに大切だったのに壊してしまった関係もある。

くだらないことで酸欠になるくらい笑ったこと。ファンの気持ちと相容れない大人の事情にやり場のない憤りを感じたこと。恋しさとか悲しみで嗚咽するほど泣いたこと。苦い失敗、得たもの失ったもの。たくさん経験して学校よりも人生を学べた。そんな5年間だった。

色々たくさんあったのに、覚えてないことも多くて悲しい。全てを思い出せなくなるまえに書き記したかったというのも、これを書いている理由だ。


建物にも人格がある説。

どんな人にもいろいろ起きるのが人生だけども、この場所があった5年間、わたしにもいろいろ起きた。母が亡くなったりとか。

若さゆえのメンタルこじらせ系だった私にとって、hideMUSEUMって唯一の居場所だった。そう思い込んでいた。
思い込みだとしても妄想だとしても、この場所があったことで確実に私は、あの数年を生き延びられた。毎日を生きる中で、潰れそうになるぐらいに背負いすぎてしまった荷物を下ろせるのは、ここだけだって思っていた。

いつしかわたしは、ただMUSEUMに行きたいから行くようになっていた。
・・・日本語おかしいよね。
行きたいから行くのは当たり前なのは分かってるんだけど。

なんと言えばいいのかな。もはやhideの存在を感じたいからではなく、ただ『hideMUSEUM』という存在に会いに行きたい。
誰に会えなくても、なんのイベントがなくても、一人で横須賀へ向かった。

最初はただの【建物】だったものも、その場所を愛する人たちの思いが積もっていくと、人格を持ち始める気がする。
hideMUSEUMもそうだと思っていた。


だがしかし、建物でしかないのも事実。
だってね?聞いて下さいよ。もはや誰も、この場所について語る人がいないんですよ。
hideさんの事務所だって、hideについては語り継いでくれても、hideMUSEUMについて語ることはほぼないもんね。
そんなの淋しすぎるじゃないですか。まるで存在していなかったようになるのだけは耐えられない。

だからひとりくらい、今は無きhideMUSEUMという存在に想いを馳せる人間がいてもいいんじゃないかって、開き直ってこれを書いている次第です。

あー書いてて楽しいよほんとに!

<everfree④へ続く>

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