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がんの症状を抗がん剤で治す

昨日はアシマリのイベント、お疲れ様でした。

メス色違いも100%も(もともと1匹もってたので2匹になりました)もゲットできて、雨も降らずに日頃のストレス発散にはもってこいでした。

ちなみに、大阪ポケGOにはいくつかイベントに向いている場所があるのですが、
千里丘から梅田までJR1本でいけることや、
以前に自分の患者さんにも紹介した、
愛媛発祥の一鶴の親鳥がめっちゃ好きなので、
僕は新地で8割やっています。


え?こんなところで?と思われるかもしれませんが、
スマホガン見のおっちゃん、カップル、お兄ちゃん達が
山のようにいますので、わかりやすいかと。
ここはとにかく、ポケモンの沸きの密度が半端ないです。
概ね、1人か友人とやってますので、もし見かけたら声かけてください(笑)
終了後は、第2ビル近のやっすい串屋でお疲れ様会してました。


さて、タイトルの件ですが、
通常、がんが原因で様々な症状が起こります。
皆さんは、がん=疼痛=モルヒネ、とばかり考えますが、
そんなことありません。
がんによって起こる症状はものすごくあります。

肝転移が悪くなれば、倦怠感、食思不振、癌性疼痛(肝被膜伸展痛)、黄疸、最終的には肝不全で死亡します。

骨転移は癌性疼痛の代表ですが、これによって患者さんの行動制限が顕著となり、時に骨折をきたします。

表在のがんが大きくなれば、皮膚をやぶり、がんが露出します。
がんから滲出液や悪臭がずっと続き、外出することができなくなります。
これは、巨大な乳がんや、一部のリンパ節転移で生じます。
病態でいえば、癌性皮膚潰瘍、という病名になりますが、
通常の緩和治療では対応が難しく、
若干悪臭を軽減する軟膏はあるものの、大量の滲出液のせいで
毎日何回もガーゼ交換をする必要があり、これは患者さんの命に関係しませんので、生きていることが大変苦痛になります。
現在も、あるがんのリンパ節転移が破裂し、癌性皮膚潰瘍となった患者さんの動注を15回以上継続して、1年以上症状を抑えています。当院は、がん性皮膚潰瘍の治療が得意です。

リンパ浮腫もありますね。
これは、リンパ液が体の中心に戻ってくる過程で、
その通り道のリンパ管が狭窄、閉塞し、戻ってこれず、
手や足にリンパ液が溜まり、その結果手や足が腫れて、
ひどい方は、皮膚からリンパ液が漏れ出したり、象皮症にもなります。
実は、これは、手術によってリンパ節を郭清した際にどうしてもリンパ管が遮断されますので、婦人科がんの下腿浮腫、乳がんの上腕浮腫などはどうしても避けられないことがあります。
当院では、手術が原因ではなく、がんそのものがリンパ管に障害をもたらして症状が出ている場合、その原因病変に動注してこれを改善しています。
かなり昔の話ですが、
他の病院から相談を受け、婦人科癌で、骨盤再発し、がんの疼痛でモルヒネをお菓子のように飲み続けても症状がとれず、さらに、がんのせいで骨盤のリンパ管が閉塞して、片足が正常の3倍近くまで腫れ上がり、市販のあらゆるパジャマが着れない患者さんが、1年近く痛みのための不眠、足が腫れることで動けないということで、うちの動注を希望されました。
正直、やってみないとわからない難しいケースでしたが、
動注して翌日、患者さんがナースステーションに、今まで履けなかったパジャマを履いて、歩いて来た時は、僕も看護師も自分の目を疑いました。
全ての患者さんに同様の効果はでませんが、
動注の良さは、キレの良さと、従来治療では得られない強い効果です。
これはなにが起こったかというと、おそらくですが、腫瘍が増悪する=腫瘍がパンパンに腫れ上がってリンパ管や神経を強く圧排して、リンパ浮腫や疼痛をきたしていた、ここに動注がうまく作用して、わずか半日でがんがやわらかくなり、リンパ管や神経への圧排が軽減して、あっというまに足にたまったリンパ液が体感→静脈に流れ、改善したのでしょう。
さらにうちでは、リンパマッサージの専門資格をもった看護師が常勤している場合、せっかく流れがよくなったこのタイミングで、足や手の先からやさしく専門的にマッサージを行い、できる限り、たまってしまったリンパ液を静脈に返す努力をします。これをするのとしないのとでは、症状の改善率も、また再発率も、全然違います。最近まで、1年以上、この専門資格をもった看護師が不在でしたが、最近戻ってきてくれましたので、動注の翌日からこれをお願いし、患者さんたちも、動注単独よりもさらに足が軽くなった(たまったリンパ液はおしっこに最終的になるので、マッサージ後はものすごく尿がでます)と喜んでくださってます。

実は、こんな感じで、僕は動注を
生存期間の延長のためだけでなく
緩和治療として緩和の看護師と相談しながら実施しています。

多くの緩和施設では、抗がん剤を用いた治療を、入所にあたって一切中止するように契約を求められます。
ただ、動注は緩和治療にも有効なんです。
この発想は、実はおそらく日本で僕が1番最初に言い出したと思います。
だって、こんなテーマで学会発表しているの、僕しかいませんので。

IVRの学会のひとつに、緩和IVR研究会というものがあります。
今年は、10月11月と他の学会が多忙で参加できないのですが、
過去には、まさにIVRで緩和、という僕がやっているテーマの研究会で、よく参加していました。

そして、この研究会で二度、最優秀演題賞を頂きました。

2018年 受賞

平成30年11月 第8回緩和IVR研究会(奈良)口演

最優秀演題賞 「癌性リンパ浮腫に対する動注療法を用いた緩和介入の試み」


2019年 受賞

令和元年12月 第9回緩和IVR研究会(東京)口演

最優秀演題賞 「露出腫瘍からの悪臭に対する緩和的動注療法の除臭効果」


どちらも、上記のようにいつもウチでやり続けてきた結果を発表しただけですが、ウケました。


東京でやった第9回の研究会では、副賞としていかのような貴重な体験をさせていただきました。マグロの解体ショーの断頭部分を経験させていただきました(笑)
実はここ、築地のがんセンターの構内(?)なんですが、
築地の本職の方が何人もいらっしゃって、マグロ解体したあと、参加者に振る舞われました。さすが、IVRといえば、がんセンターチーム。
この研究会の運営企画をしていただき、さらにこんな人生で二度とない経験をさせていただいた、がんセンターの先生方に今でも感謝しています。
(ほんとは、動画があるのですが、重すぎていいところだけ写真で)




やっぱり、ただやりっぱなしの医療は間違ってます。
ちゃんと成績出して、公表して僕はこうやって、IVRががん治療をされている諸先輩方、同期、友人に評価いただいてます。

この解体ショーは、たぶん人生で10本に入る、出来事でした。

ちょっと話が脱線しましたが、
真面目なことばかりかいてもおもろいくないと思って。


来週カテのみなさん、一緒に頑張りましょう。






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