あやしい、がん民間療法 エビデンスのない治療
暑いですね。
この病院に勤務してからもう10年近くになりますが、
基本、通勤に車は使わず、歩いて最寄駅から10分強の坂道を登ってきます。
ポケモンGOしながら(笑)
仲の良い職員には結構バレてて、僕が歩きスマホ常習犯だと病棟やカテ室のスタッフ、結構しられてます。
もちろん、気をつけてやってますが。
でも、この暑さの中、さすがにポケモンどころではない。
今週末のイベント、雨も暑さも心配ですが、
トレーナーの皆さん、がんばりましょう。
ちなみに、7km卵からはバルチャイのイロチのみ、生まれました。
(昨日40個全て割って)
課金者が勝ち、ってなんだかね。
さて、後半戦のがん治療に携わる機会が多い自分のような医者や、緩和の先生は、標準治療ではない、あやしい治療もどきに飛びつく患者さんをよく見かけると思います。
免疫治療
サプリ
ビタミン
漢方(の一部)
僕は、患者さんの意思を尊重するほうですし、藁にもすがるその気持ちもよくわかるので、まあ、そのくらいなら・・と許すこともあるのですが、
それでもあまりに高額だったり、そのイカサマ治療に没頭して、
エビデンスのある治療、エビデンスがなくてもちゃんとした治療を受けなくなる患者さんをみてきました。
まあ、正直、アメブロ書いてた時期にぼろくそにこういう悪い奴らのこと書いてたので、こういうことが好きな患者さんは僕のところには怒られると思うのか、寄り付かなくなりました(笑)
意外と、そこらへんのがんセンターや大学病院の先生より甘い方なんですが。
当然、皆さんの命、皆さんの選択であって、僕らは治療という行為でお手伝いをしている立場。アガリ・・飲んでたら、がんカテしない、なんていったことはありません。ただ、正直に、あなたはかなりボラれてますよ、とは言いますけど。
僕だけじゃなくて、こういう民間療法に自分の患者が流れてしまった先生方は、民間療法にかなりの怒りを感じています。そして、絶対に民間療法やったあと、どうせ効果なく体調だけが悪くなり、また自分の元に戻ってくることも知っています。
だから、どの先生も、基本、こういう類のやつらに怒りを感じてます。
でも、言葉は悪いのですが、以前自分が治療をしていた患者だから、と受け入れます。いや、受け入れない先生もいますね。
また、難しいのは、民間療法ではないのですが、エビデンスがからっきしない、治療ではあるんだけど、医学的に適応じゃない、やらん方がいい治療を、エビデンスを振り切ってやっているクリニック。これは完全な民間療法ではないから、余計患者さんが、ちゃんとした治療だと勘違いしてしまう。
例えば、ずばり、がんカテ。
タイミングを間違えてやったら、これは悪です。
特に、前半戦のちゃんとしたエビデンスのある初期治療を全くせずに
カテのほうが体が楽だからと始めてしまうクリニックがありますが、
これは完全な悪です。
何度も書きますが、抗がん剤に対して腫瘍は耐性化します。
中途半端な使い方して、一部の病変だけ小さくなっても、体に潜んでいるがん細胞の多くが耐性化し、その後全身投与しても効かなくなる可能性があります。
うちのセンターでは、エビデンスを最優先しています。
エビデンスが通用しなくなってきたときに、手を差し伸べるものだと思っていますし、完全に緩和治療しかない弱った体にするものでもないと思っています。
つまり、後半戦の救世主になりたい、そして次の治療につなげたい、
そういう立ち位置だと思っています。
そもそも、局所治療ですから。
治療には順番って大切です。安易に、安楽そうだからとか、良さげだからとかで
がんカテを順番間違えてやらんようにしてください。
現在、カテをしているうちの患者さんたちや、逆に講演会や外来で僕の話を聞いて、カテはいまじゃない、と標準治療を頑張っておられる患者さんたち。
道具もがん治療も、使う人間と使うタイミングを間違えたらダメですね。
そういった意味で、講演会は皆さんにいろいろと啓蒙活動できる良い機会だったのすが、これが出来なくされてしまったことを、しつこいけど、いまでも恨んでます。
最近、恨み節で終わること多いな・・
まあ、本気でがん治療に長年携わってきた人間として
医療の邪魔をされた恨みは一生忘れないんでしょうね。
人の命を、患者の命を、守ってきたひとりの医者として。
明日は外来日です。