【投手必見】骨幹理論の投球動作への応用の試み
こんにちは。
昨日の記事で骨幹理論の概要は触れましたね。今日はその骨幹理論を応用して野球の投手における投球動作へ転用して考えてみたいと思います。
鴻江氏の指導を受けた2人の投手、千賀滉大投手(あし体代表)、菅野智之(うで体代表)のフォームを参考にしながら考察していきます。※鴻江氏の著書からの見解に自分の仮説を交えなから考察します。間違いがあるかもしれませんが、あくまで私の仮説です。ほんとは自分の体験を元に書きたいのですが、僕自身あし体なところもあってうで体は体験談少なめです。ご了承ください。
本日も参考文献は鴻江寿夫氏の著書である「あなたは、うで体?あし体?3秒で体がわかる、人生が変わる」です。
では参りましょう。
1)うで体の身体的特徴にあった投球動作
1-1 うで体の特徴おさらい
うで体は猫背型とも呼ばれて腕から動作をスタートさせると能力を発揮しやすいんでしたよね。その他の特徴はこんな感じでした。
・重心…つま先
・腰…右腰が前に出ている
・肩…右肩が下がっている。
1-2 菅野智之投手から見るうで体の投球動作
うで体の右投手の大きな特徴として、右腰が前に出て、左腰が開いているので、下半身が開きやすい(左腰が逃げやすい)というものがあります。そのため、開かないように工夫してリリースまで持っていく必要があると言えます。
工夫1)始動:左肩でキャッチャーへのラインを作る
前述したとおり、うで体の右投手は投げる方向へ体が回ってしまいやすいので開かないために意識は左肩(左腕上腕骨)に意識を置くと良いです。そこを支点に回転することでグローブは体の脇に自然と収まり、引きやすくなると思います。
工夫2)【トルネード?】腕から捻りながら左脚を上げる
捻転を生み出し、軸足の溜めを強調しつつ腕から始動しやすくするために、合わせた両手を右手人差し指から引き上げるようにして右肩の前に持っていきます。(試しにやってみましたが、人差し指を意識するのとしないのではしたほうが確かに捻りを感じるような気がしました。)ポイントは腕から始動しやすくするために、体から離して大きく回すことです。
画像: https://www.bbm-japan.com/baseballclinic/17349511 より
フォームを特徴的なノーワインドアップに変えて話題になっていた菅野投手ですが、このような意図があると考えられます。
左脚を上げる際は腕で引っ張り上げるように捻りながら上げるとためができて軸足の安定性が増すと思います。
工夫3)並進運動→左足接地
〈下半身〉うで体はつま先重心なので、右膝でキャッチャーへのラインを作ると並進で力を発揮しやすいです。左脚は低く、長く(摺り足のイメージ)まっすぐ踏み出しましょう。テークバックのときは腰は横回転で上半身は一緒に回らないことで上半身とのセパレーション(捻転差)ができます。
〈上半身〉このときも左肩でラインを作り、グラブの手は小指で引っ張っていくイメージで前に出し、下から上に動かし、腰の開きを抑えます。テークバックは大きくがポイント(テークバックを変えるときは細心の注意を払いましょうね)。
工夫4)接地→リリース
うで体はつま先重心なので、つま先で力が発揮できるようにかかと→つま先の順番で接地します。グラブは捕球面をキャッチャーに向けた状態から巻き込むように胸側にねじ込みます(本にはりんごをもぎ取るように、との記載があります。)臍下丹田(せいかたんでん:へその5cmほど下)を中心として腰を縦回転させダイナミックに右腕を振り抜きます。
良い連続写真がネットに掲載されていたので参照しておきます。(https://www.bbm-japan.com/baseballclinic/17356283)
〈うで体のピッチングまとめ〉
・始動は腕から
・右手人差し指で引っ張り上げるように両手を引き上げる(セットポジションも同様に)
・左肩、右肩でキャッチャーへのラインを作り開きを抑えながら並進する。
・前足の接地はかかと→つま先
・テークバック、腕振りは大きくダイナミックに!
・腰の回転はテークバックのときは横回転。投げるときは縦回転。
2)あし体の身体的特性にあった投球動作
2-1 あし体の特徴おさらい
あし体は反り腰型とも呼ばれ、脚から始動すると能力を発揮しやすいんでしたよね。その他の特徴は以下の通りでした。
・重心はかかと
・腰は左腰が前に出ている。
・肩は左肩が下がっている。
**2-2 千賀滉大投手から見るあし体の投球動作 **
あし体はうで体の対となる存在なので、基本的にはうで体と逆の場所に意識をおいていきます。あし体の腰は左腰が前に出ているため、投球方向へ腰が開きづらいです。そのため、うで体とは逆に、並進運動で勢いをつけて、下半身、背中側の力を利用して腰の回転を助ける工夫が必要になってきます。僕もあし体に分類される人間だったので、経験談も交えながら見ていきましょう。
工夫1)始動:脚から動く
あし体は脚から動くと力を発揮しやすいので、ランナー無しの場面でもセットポジションがオススメ。
始動は右足のかかとを一度上げるようにして歩くようなリズムを取り(ランナーがいる場面ではボークを取られる危険性があるのでおすすめしません。)、左足のつま先を下げた状態であげます。(この方が接地のときにつま先から入りやすくなります。)
人間は見ている方向に向かって体重が動く性質があります。一度目を3塁方向に向け視線をミットから外すと軸足にためを作りやすくなり、次のフェーズでキャッチャーへのラインを作りやすくなります。一度視線を切ることで余計な力が抜け、リラックスする効果も見込めます。
画像(https://www.fukuoka-navi.jp/20392)より
工夫2)並進運動(重要!)
あし体のピッチングスタイルは別名「並進速度依存型」と呼ばれるくらい並進速度が重要になってきます。
〈下半身編〉キャッチャーへのラインは左足の付け根(大腿骨)で作り、並進速度を出しながら開かないために左脚を内旋させ、左足の外側をキャッチャーに向ける意識で並進します。(結構速度が出るので自分も前に行こうとすると上体が突っ込む形になり、テークバックが間に合わなくなります。そのため自分の意識の中では体重をプレートの方に残しておく感覚でいます。)これが俗に言う「くの字ステップ」の正体です。※何事もトライが大事だけど、よくわからず脚をくの字にしているだけの人をたまにネットで見かけると筆者は心を痛めています。自分にあったフォームを探そうね。
〈上半身編〉下半身の勢いで投げるため、テークバックを大きく取る必要はありません。(僕自身、テークバックをいじって大失敗した過去があるのでテークバックはむやみにいじらないに限ると思います。もしやるときは、慎重に。。)
グラブは手の甲を向けて並進すると、並進の勢いも出しやすいですし、次のステップで引きやすくなります。
(画像:https://store.descente.co.jp/column/column201904-23.htmlより)
工夫3)接地→リリース
前述しましたが、あし体はかかとで力が発揮できるので、つま先→かかとで接地して地面反力を最大化します。このとき、少しインステップしてもあし体的にはパラレルになってるそうなのでOK(僕はパラレルのほうが好きなので右足かかとの延長線上に踏み出してます。)
肘を支点にグラブを回すことで腰の回転を助けます。テークバックのときの腰は縦回転。リリースのときは腰は横回転に開く方向へ。回転の軸は仙骨(お尻の骨)を意識すると背中側の力を使いやすくて回転がしやすくなります。(個人的にここはめっちゃ意識して投げてます。)
リリースは体の横から力を入れ始めて、手の水を払うように走らせます。
工夫4)ボールの握り方
あし体の投手はリリースの際手首を前に出すと少し絞られる形になるので上の画像のように従来のストレートの握りから少し左側(人差し指側)を握ることで回転効率の良いストレートを投げることができます。指の長さの関係も個人で違うので、自分の投げやすい握りで投げようね。
〈あし体ピッチングまとめ〉
・始動は脚から!右足で歩くようなリズムをとって
・左脚大腿骨でラインを作り、左足外側、左手甲を向け並進!(意識は突っ込まないように)
・つま先→かかとで接地
・腰の回転はテークバックのときは縦回転、投げるときは横回転。
・仙骨を中心に腰を回し、手についた水を払うようにリリースを走らせる。
最後に
2日に渡って骨幹理論について解説、考察していきました。この理論に出会って僕は自分の目指す方向性がしっかり見えたので、今回紹介させてもらいました。最後まで読んでいただきありがとうございました!この記事で悩めるアマチュア野球選手の悩みが減りますように!
感想、質問、フィードバックいつでもお待ちしています。ありがとうございました!
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