レトロ、を考える
◆最近のレトロブーム
少し前からよく耳にするようになりました。
そして確かに、街中などでもそれを感じます。
個人的には10代の頃からレトロ志向があるので、わたしにとってレトロは流行ではなく平常に近い感覚です。
ブームになってくれると情報やイベント、プロダクトが増えるので、より手軽に楽しむことができるので嬉しい。
一方で、あまり知られていない方が“宝物感”があってよい、というわがままな気持ちも…
難しいところです。
ただ、ある時に思ったのです。
「ん?これのどこがレトロ?」と。
その後に目にしたワードが【平成レトロ】でした。
なるほど。。。(察し&解決)
◆レトロ。それはいつのこと?
平成初期(あるいは90年代)は確かにもう、最近ではないと思います。
その時代の物や風景、音楽はわたしにとっても懐かしい。
ただその懐かしさは、思い出が蘇ってくる懐かしさ。
心の引き出しの取っ手のような存在です。
このような懐かしさも、大好きです。
わたしはそこそこ都合の良い人間のため、引き出しから顔を出してくれるのは基本的にハートウォーミングな記憶なので、癒されます。
(ただし浸りすぎるとその後ろにある様々な感情をまとった記憶も見えてきちゃうので要注意w)
でもやっぱり、これはわたしが感じてきたレトロとはちょっと違う…。
そこで、辞書を引いてみることにしました。
ふむ。
平成がわたしに与えてくれる感情はしっかりレトロなのですね。。。
わかりました。このことは素直に受け止めます。
その上で、せっかくですからわたしが感じてきたレトロについても定義してみようではありませんか…
◆わたしにとってのレトロとは?
レトロ好きを自称しておきながら、何をレトロとして好んでいるのか、それを考えたことは一度もありませんでした。そう思うとちょっと、いやけっこう恥ずかしい…
そんな気持ちを抱えながら考えてみた結果、
まず、「自分が生まれる前の時代であること」が必須条件でした。
これが平成≠レトロと感じた所以だと思います。
次に、「とはいえ自分がその先にいる実感をうっすらと持てる時代であること」という条件もあるとわかりました。
そしてこれは情緒面においてとても大切なのだと気づきました。
◆その先に自分がいる、という感覚
わたしがレトロと感じて好んできた物や様式の時代は主に大正で、その前後の明治末期と昭和初期もかかってきます。
なぜだか、その頃が好きなのです。
惹かれて心が躍ると同時に、落ち着くような感じも受けます。
そして、自分がこの時代にいたら…という想像が掻き立てられます。
明確なきっかけがあってのことではないので、最初にそう感じたのはいつなのか、それはわかりません。
※余談ですが想像に浸るあまり「庇髪と耳隠しをしてみたい!」と本気で思い、美容院を探したこともあります。(が、見つからず。でも夢は続いている。)
この時代は、わたしの親族にあてはめると主に曽祖父母たちがアクティブに生きていた時代になります。(祖父母はギリギリ生まれた程度。)
そしてわたしが会ったことのある一番離れた親族は曽祖母です。
曽祖母の記憶はあまりないけれど、皆無ではなく、自分と一緒に写った写真も見てきたので顔も覚えています。
このわずかな曽祖母との記憶がトリガーになって、わたしの情緒は揺さぶられるのではないか、そんな気がしたのです。
「ひいおばあちゃんが乙女だった頃か…」といった確認を入り口として、イマジナリーワールドが拡がる。
そして昭和初期を過ぎた頃からスピード再生が始まって今(自分)に辿り着き、リアルワールドへ帰還。
そんな感じでしょうか。
何の根拠もありません。
でもあくまで自分の情緒の話なので、直感があればそれで良い、そう思っています。
◆はたしてこれは非レトロなのか
辞書の定義にピッタリこなくても、自分の中のレトロが確認できてスッキリしました。
…が、どこか「これだってレトロだと思うんだよな。。。」という気持ちが消えません。
ちょっとまだ諦められないなー!と。
けれど気が散りやすいわたしは「ん?懐古と回顧の違いって何?」とちょっと横道にそれはじめめました。
そしてGoogleの検索キーワードに「懐古」と入れたところ…
「昔の時代を慕わしく思うこと。」
こ・れ・だ。
(慕わしく、ってワードもレトロ感があって素敵ではないの♡)
やったー!
「わたしのレトロもレトロ♪ あなたのレトロもレトロ♪ みんなに色んなレトロがある♪」
と小躍りしたい心持ちです。
◆これからはこう思うことにします
自分が生まれた後の過去を懐かしむ気持ちはレトロ。
生まれる前の時代に心惹かれて想いを馳せる気持ちもまた、レトロ。
自分の中にあったレトロが拡張しました。
考えて、調べてみてよかった☺︎
なお懐古と回顧の違いですが、ざっくり言うと、
回顧の「過去を振り返る」には情緒は含まれない
ということのようです。
気になる方はご自身でお調べくださいm(__)m
<ちなみに>
ここまで読んでくださった方はお気づきかもしれませんが、わたしは辞書が好きです。
幼い頃からインターネットに出会うまでは、机の上や本棚の辞書をたびたび開いていました。
しかしいつの間にかアナログ辞書は全く使わなくなりました。
(移行期と言っていいのかわからないけれど、電子辞書愛用期もあったな…)
でもたまに、紙の辞書のアドベンチャー感が恋しくなります。
三浦しをんさんの『舟を編む』の世界はとてもキラキラして見えますし、過去のわたしも「大渡海」をしていたなぁ…と思うのです(それこそ懐古的)。
…と、いまわたしが実験に参加している「手帳」に何だか似ているかも…と思ったので書き添えることにしました。
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