3位と4位の大きな壁を越えた景色
小学生の息子がクライミングに取り組んで1年ほどになった先月、
2つのキッズコンペに挑戦しました。
1つ目のコンペは決勝に進めず、
2つ目のコンペではランク別で3位にすべりこみました。
2つのコンペの2か月ほど前に、クライミングではないのですが、
地域のロードレース大会で学年4位になりました。
「賞状はもらえたけれど、メダルをもらえたのは隣の3位の子まで。」
という状況に、
「4位ではだめなんだ。メダルが欲しかった。メダルが欲しい!」
と、やり場のない気持ちをどこかにぶつけたくてたまらない、
という気持ちを持ち続けていたように思います。
話は戻って、
クライミングのコンペは初めてだったので、
入賞は考えずに「経験値を重ねて目標設定の糧にできればいいな」
くらいにエントリーしたのですが、
自己申告のランク別での競技だったので、登れる壁が同じ位の実力の子供同士が点数を競うという形式でした(コンペによってルールはさまざまです)。
予選はベルトコンベアーのように、90分間で完登したポイントで競うルールだったので、90分の間、休みもせず何十回も壁を登り続けていました。
休憩を入れないと登り続けられない親からみると、そのことを1番に讃えたい気持ちです。
決勝では、ひとりひとり順番に、決められた持ち時間内で一つの課題にトライし、
一撃で完登できた>
完登までのトライ数が少ない>
完登できないがzone(通過地点のような)を獲得できた
という感じで順位が決まります。
楽しく取り組める雰囲気を作ってくれているキッズコンペといっても、
会場の緊張感は十分にあり、そんな中で、結果として3位がついてきたことは、とてもとてもうれしかったようです。
「やっと、はじめてのメダルがもらえる!」
と思ったら、運営者さんの手違い(?)で大会当日にはメダルが間に合わず、後日郵送いただくことに。
ただ、その後は、私に対して、
「メダル、いつ届く?明日?明後日?」
とメダルの到着を待つ日々。
「いつ届くかはわかんないよー。賞状はあるんだし、メダルはそのうち届くよ。次にもっと上をめざそーよ。幼稚園の運動会のメダルとかあるじゃん。」
となだめるのですが、息子のメダルへの想いは消える気配がありません。
(幼稚園のメダルは全員がもらえるメダルと本人もわかっている)
手間をかけては悪いと思いながら、運営さんにだいたいの予定を問い合わせると、もうすぐ発送予定とのお返事。ほ。
そしてついに、メダルが入ってそうな封筒がポストに届いてました!
「あ、これメダルかな?。メダルかなー?待ちきれないよ~」
ごそごそごそごそ、
エレベーターの中で待ちきれずに紙袋を破りだす。
「メダルだ~~~~~~~~~~~~~~~~!」
「はじめてのメダル!!!」
「わあああああーーーーーーーい」
といつも笑っている子だけど、これまでに見せたことにないとびきりの笑顔でメダルを首にかけて眺めていました。
「写真とって!」と背景が白い壁を探して写真をとり、
いつも行っているジムの常連さんにもそうでない人にも見てもらい…お祭りのようでした。
大人の立場で、大人の尺度で見てしまうと、
1・公式なコンペや規模の大きなコンペではなく、
「子供たちが楽しく自信を持てるように工夫されているコンペ」
2・「たくさんの子供たちが表彰の経験を得られるように(と想像します)」
ランクを分けて母数を小さくした上で、ランク別に表彰制度を設けている
と、ついコンペや表彰の位置づけを子どもに言い聞かせて落ち着かせたくなる気持ちも、ありました。
でも、そのコンペが意図しているであろう上の2つのことは、
今まさに息子が体験している「成功体験」「自己肯定体験」に表れています。
「大会の規模や難易度でメダルの価値が決まるのではなく、
本人の努力や熱意がメダルの価値を決める」
ことを、子どもから学びました。
そして、素直に一緒によろこびました。
「4位じゃいやだ。くやしい。」
の経験が、
「メダルがもらえる3位以上をとるぞ」
というひそかな原動力になったのだと思います。
「かんばった4位はすごいよ」
といくらまわりが言っても、
本人にとっては、3位と4位の壁は大きかった。
その壁を一つ越えてみて、
見える景色が変わったのではないだろうか。
そのパワーがうらやましい。
親も負けてられないな。私もがんばろう!
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