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親が倒れたら

昨日までの記事は、靴人生に関する長い自己紹介です。
今日のこれが、早く書きたかった話。
靴関係ない。誰の身にも起こりうる話。

正月に母が倒れる

2024年1月2日、朝
母が倒れた。くも膜下出血だった。

前日の能登地震で、不安感が強く、あまり眠れなかった日の朝。
8時過ぎに父から「母さんが倒れた」とLINE。

現実か?何が起こっている?
パニックで号泣していたが、すぐ新幹線の予約画面を開いた。

それから実家近くに住む兄とやりとりを開始した。たぶんそのまま父のLINEにいろいろと問いかけても、返事はできないだろうと思った(案の定、父はパジャマのまま救急車に乗り、関係各所の連絡に追われていた)。

すぐには何もわからなかった。だから、いますぐ新幹線に乗っても心配する人が一人増えるだけになるかもしれない。無論、今か翌日の二択でしかなかったが。

兄から「明日来て」と言われ、1月2日にすることは決まった。

正月明けに出そうと思っていた靴の仕事を、今日中に仕上げること。ブランドデビューまで3か月前、まだサンプルの修正をしようとしていた。何事もなくてもギリギリかなあと思っていた。

でもこんな状況、何も言えなかった。翌日の朝までぶっ続けで最低限の型紙と仕様書、指示書をまとめた。(あとから見たらまとまってなかった。状況を汲んでくれたメーカーさん、資材屋さん各位に感謝しかない)
正月明けに業者さんの営業が始まったら事の次第は連絡するから、発送してくれと夫に託した。

荷造り

どれくらいの間実家にいることになるか分からないので、自分で持って帰る荷物と宅配で送る荷物をつくった。
1日目は最低限これがいるとか、ジャージだけじゃ困るよなとか考えていたけれど、ふと頭をよぎった。

もしかしたら、喪服が必要になるんじゃないか。

いや!今はいらない!!でも一応セットはここにあるから!!と夫に伝えておいた。

帰省、病院直行

1月3日朝、西の田舎に帰った。
感染症対策で、一度に二名までしか面会できなかったので、父と処置室に向かった。

母はHCUにいて、意識が戻っていた。
「なんでおるん??」
と言われた。心配したからに決まってるだろ!!!と言いつつ、会話ができて安心した。

父と一緒に、母の検査結果、病状、手術の目途、入院・リハビリの流れを聞いた。
私がこんな説明を受けても、ちゃんと分かるかな~分かんないかもしれないよね~と、夫と話していたことがあったが。
その状況になれば、わかった。新幹線の中で泣きまくって、ボワ~ンと腫れたような頭だったが、意外と私の脳は冷静だった。主治医の先生が言っていることは、説明がお上手であることを加味しても、ちゃんと分かった。わからないといけなかったのだと思う。

実家に帰った理由

実家に帰った理由なんて母が倒れたという一言で十分だけれど。ちょっといろいろあったのだ。前日に兄と多少話していたけれど、あらためて父から車の中で頼まれたこと。

①実家の片づけ
なんと実家はリフォーム工事中だったのだ。
・2023年中に西半分を工事。完了。
・年末年始のお休み中に、東半分(キッチン)のものを西に移動。←このタイミングで母倒れる
・年明けから東半分の工事開始!

大工さんが工事に着手してくれる前に、東のものを移動しきらなければ!だけど実家はモノが多い!そして片づけられない人々!!

②母の入院中のサポート
着替えだとか毛布、衛生消耗品を買っては届け、洗濯・交換にも行く必要があった。祖母も介護していたので、この辺のことは想像がついていた。
でもそれを、正月明ければ普通に仕事に行く父には、かなり厳しかった。
…それに母の着替えがどこにあるか、父は把握していなかったし、たぶん母も父にタンスをかき回されたくないだろう…と予想した。

それから母の職場に事情を説明して、休職の手続きをする必要があった
。正月だったし、母のスマホにガンガンくる連絡に、逐一返事をした。

③通帳と印鑑を探して
リフォーム費用の引き落とし手続きが1月中旬に行われる予定だった。
だけど家の中はぐちゃぐちゃ。
引き落とし用の通帳がどこにあるか、父はわからない。
幸い母は意識が戻り意思疎通ができたが、通帳については「イワゴーサンノファイル」としか言わない。
ぐちゃぐちゃの家の中からイワゴーサンノファイル及び通帳・印鑑を見つけなければならない。


父から頼まれたのは主に3つだったが、個人的に

④兄に迷惑かけられない
というのがあった。
初日に登場した兄だったが、あまりたくさん頼みごとをできない状況だった。お嫁さんの第二子出産予定日が1月4日だったのだ。
兄には、お嫁さんについていて欲しい。第一子たる3歳の姪のケアもできるだけしてほしい。


正直私は実家に長居したくない方だったのだが。今頑張らなくていつ頑張るんだ。それに娘・妹としての威厳にかかわる。
あと猫も2匹いて、母が帰らないことをたいそう心配してニャンニャン大騒ぎだったので、猫の世話も任務の一つ。


ねこの心のケア。サムネはごった返した座敷(応接間)。ねこもヒトもへとへと。


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