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サルマン・ラシュディを真似て「月と自由連想」やってみた
サルマン・ラシュディのKnifeを読み始めました。2022年の暗殺未遂事件についての回想録です。
図書館で「悪魔の詩(The Satanic Verses)」と一緒に予約して、最初に The Satanic Verses を読み始めましたが、挫折。イスラム教知らない人にはムリなのかも?と諦めたんですけどね、Knife の最初の方で「悪魔の詩は非常に読みにくい本として知られている。みんな最初の15ページくらいで挫折するので15ページクラブというものがある」と書いてあって笑いました。なーんだ、私だけじゃなかったのね。
まだ一章しか読んでませんが、Knife 非常に読みやすいです。暗殺事件の前夜、右目を失う前の「最後の平和な夜」となることを知らないラシュディが、月を眺めながら自由連想に耽る描写を読んでですね、ちょっくら私もやってみるべ、と思いました。以下、月と文芸の自由連想。
萩原朔太郎、月に吠える。のわあある とわある やわあ。犬は飢えているのですよ。
シェイクスピア、ロミオとジュリエット。月に愛を誓ってはならない Byジュリエット、何に誓えばよかったんだっけ?
尾形紅葉、金色夜叉。「今月今夜のこの月を、俺の涙で曇らせてみせる」寛一がルミィでお宮が鴨さんだったのは漫画「摩利と新吾」。
竹取物語。今は昔、竹取の翁といふ者ありけり。かぐや姫はSFの古典、SFの古典といえばブラッドベリ、ブラッドベリとの出会いといえば萩尾望都の漫画、「11人いる!」の続編に出てきた王様の惑星に月の話があったはず。
北原白秋、トラピストの牛。「月夜であります。月夜であります。月夜である。」「お乳が張ったあ。マリヤ様」「あとはひっそり牛舎です。」トラピストクッキー食いたい。北海道行ってみたい。北海道といえばセブンスターの木、あれと満月を重ねたらきれいな絵になるだろう。
連想が古典と大昔の少女漫画に流れていくところがワタシらしいわね。脳内コンテンツの在庫をアップデートせねば。しかし結構な数の本を読んでいるはずなのに、連想は常に若い頃に仕入れた在庫を最初に検索するので、中高年になる前にいっぱい読んでおいた方がいいよ、若者たちよ。
ちなみに、サルマン・ラシュディの「月と自由連想」はこんな感じ。
月面に立った宇宙飛行士ニール・アームストロングは、「ゴースキーさん、よかったね」と思った。なぜなら子供の頃、お隣のゴースキーさんが、奥さんにフェラチオしてって言ったら奥さんが怒って「隣の子供が月面を歩く日にやってあげるわよ」って言ったから(実話に基づかない。友達が作った映画のネタ)。月への距離。昔は地球と月の距離がもっと近くて、恋人たちは月でデートしたというイタロ・カルヴィーノの小説。それからテックス・アヴェリーのアニメで月を食べちゃった山羊の話。
それでは、Knife に戻ります。返却期限までに余裕で読み終わりそうだ。