好きなものは多い方がいい


私が育った環境は、一般的な環境とはちょっと違っていて。そこで子育てをしていた両親は他と比べたらさらに大変だったと思うし。そこに介護も加わっていて。大変さは人それぞれだと思うけれど。それはそれは過酷な日々に映っていて印象的だった。

それで、高校3年の頃だったか…進路を考える時。
祖父の介護を想いつつ、、、
介護福祉施設に体験で行かせてもらうことにした。
行ってみると。スタッフが少ないなか、見渡せば認知症の方が多く入居していた。
認知症の事は祖父を見ていたので、どんな症状かなんとなくは把握していたけれど。やはり、ずっと同じことを繰り返しているし、記憶もあやふや。認知症の人たち同士でのやりとりも難しく、良い環境と思えなかった。

さらに…入居者の方々が食事をとっている際、歩行困難な方が自分が歩けると思い込んで1人で歩き出して転倒して頭を怪我するというアクシデントも起きてしまった。他のスタッフは他の人達の食事補助をしたりしていて…目が行き届かない状況だった。

別の部屋では、認知症の方の話し合い手をするも。やはりずっと同じことを繰り返していて。何度も何度も同じ質問を繰り返す感じが続く。
でも、その方の昔好きで良く歌っていた歌の話とかになった時…その頃の記憶(本当かどうかは別として…)が蘇るのか…つらつらと別の話をし始めた。

絵が好きな入居者の方も、絵を描いたりする時だけ我を取り戻すみたいで。この出来事が印象的で。もっとそういったことに時間を割けるスタッフがいたら良いのにとも思ったし、そうもいかない環境も重々承知できたし。
なんだかモヤモヤが募った。

衣食住とは別の趣味的な…
「好きな事」の大切さをものすごく感じて帰宅した。

人の心

生きていると、良いことばかりではなくて。
家族のこと、仕事のこと。嫌じゃなくてもやらなくてはならないことや、壁にぶっかって。
辛いことの方が多いのではないかと思うこともあって。

逃げ場が必要だ…ということを常に感じながら過ごしていた。

私の考える逃げ場というのは単純で
「好きなこと」
好きなことがあるということ。

好きな事、もの。夢中になれること。
そういうものがあるということだけで
人の心は救われると思った。
(現代の推しがいること…とか推し活…ということにも近いと思う〜)

結局私は、介護職をする…という
直接的に学ぶことは避けてしまったなと
思うのだけど。(足の不調も原因の一つなので、それはまた。)
めぐり巡って私なりに心を元気にする仕事…
をしたいと思うようになり。そしてたどり着いた。それが、今の私の店作りに繋がっている。

好きなものを作り続けられる
好きなものを見る、見つける
好きなものを生活に取り入れる


という…作り手から受け取り手までの循環を作りながら、少しでも生きやすい日常を作り出したい。という想いでやっている。

万人受けはしないとしても…
ちびっ子からお年寄りまで
気に入ってくれた人たちに
見つけてもらいたいし、
楽しんでもらいたいし。
育児や介護で大変な人たちにも
息抜きの場として
来て、見て、新しいワクワクを発見できる場として利用してもらいたいと思っている。

日々の暮らしがちょっとでも楽になったり
頑張ろうというパワーにしてもらいたい。
作り手にとっても、ものつくりを続けていく為の発表の場として機能させていきたい。

好きなもの、事を見つけて
みんなが元気に暮らせるように✨

という想いが、実は
私の店には詰まっている。

いいなと思ったら応援しよう!