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ドラマ『ウイングマン』第10話(最終話)の感想。良き!!

第9話の感想と最終話予想(妄想)な前回記事


最終話(第10話)の感想

お父さん優しいね(両親との会話シーン)

 両親との会話シーン、お父さんが問い詰めるわけでなく基本話しかけで、ティザー等で初期から映像解禁されていた「お前は、今も正義の心を持っているか」や「なら、自分の思う道を進め」がここにでてくるのな。好き。
 ドラマ始まる前に思っていたより両親の登場カット数は少なかったけれど効果的に登場してる。漫画版にはこういうやりとり部分はなかったかと思うのでありがち展開ではあるけど、あればあっただけ嬉しいヤツ。

人それぞれの別れの挨拶

 漫画版だと、リメルを倒すためにポドリムス(別次元世界)に乗り込むのでもしかしたら三次元に帰ってこれないかもしれないという物語背景あり、みんなへの別れの挨拶と超合金・おもちゃを形見に渡すストーリーがジーンと来たんだよね。ドラマ版は駆け足なところもあるし三次元で戦うから別れの比重が若干軽く感じるけれど、みんなと挨拶を交わすのはいいね。

 今作でいうと、私は福本(演:丈太郎)贔屓なので、福本とのやりとりすっごく好き。
多分、唯一男同士の関係性ってところなのも加点ポイントになってるかも。本当に漫画版の小さい頃からのダチ(悪友)って感じでなく親友って演出が良い。
 美紅(演:菊地姫奈)とは挨拶できてなくてアオイさんに無理くりセッティングされちゃう所は健太っぽさあるね。そして、形見を受け取らない美紅の美紅らしさというか芯の強さがこれまた良いのです。

リメルとバトル、駆け足すぎぃ

 変身ポーズ取らないで歩きと変身コード「チェイング」だけでの変身カッコイイ。そしてBGMが『悪!裂!ウイングマン』ここで来ましたか。この曲もかっこいいやーつ。このドラマは東映が噛んでいるから過去の版権関連全部利用できるわけなんだが、漫画版ベースにしながらも音楽面でアニメ版をリスペクトしているのが漫画版・アニメ版を経験してるウイングマンファンには嬉しいところ。

 第1話から観てて感じるけど、アオイさんの戦闘力高すぎでないかい?!ドラマのアオイさんってポドリムス世界(生活)においてどういう人物設定なのだろうか。戦闘部門要員として鍛えられてたのかしら。
 尺の都合あるけどこのリメル戦という物語最大の戦闘が駆け足なのは少しもったいないなぁと感じるね。

キータクラー、お前ってやつは!

 健太のピンチに突然現れるキータクラー。行動原理はなんとなく理解したけれどウイングマンを愛で過ぎた結果、完全にウイングマンの味方みたいになっていることに少し微笑んでしまった……。

 そして、ウイングマンともう一戦交えるわけでもなくリメルにやられてしまうという。まじキータクラーなんなん!
 さらに、健太の腕の中で息絶えて満足!みたいな展開・・・ヒロインか?君はヒロイン気取りなのかい?!

気持ちは別として結果論としてウイングマン助けてくれてありがとうね。

赤いウイングマン

 前回記事で書いた漫画のライエル編展開①がやはりここで埋め込まれましたね。

 赤い巨大なウイングマンになるプロセスについては漫画版の方が好きかな。漫画版だと健太の願いとみんなの応援パワーがドリムノートに作用して奇跡が起きた感じの展開でフィクションとしての納得感があったけど、ドラマ版だと単純に願い・想いだけで奇跡が起きてるからご都合主義感が若干出てしまってる。まぁ、漫画版との相対で感じたことだから駆け足展開の中では誤差かもしれない。

 漫画版と違って対リメル戦なことから、新兵器が出てきていないので決着技が「ファイナルビーム」になっていたけど、ウルトラマンとかそういうヒーローバトルっぽさもあっていい感じだった。
そう!
「王道ヒーローの勝ちパターンだ、これで負けるヒーローはいない!」からの巨大化赤いウイングマン、BLUE ENCOUNT『chang[e]』流れての必殺技演出はいいぞ!

 「ファイナルビーム」放つ前のアオイさんの「行けぇぇぇぇっ!!!」の叫びが良かったなぁ。激情系の台詞放出これまでほぼ無かったと思うので感情が露わになっているところがいい。

あの展開(アオイさんの死、ウイングマンを手放す)やりおった

 大誤算大誤算大誤算。
 リメルとの決着で放送時間が残り5分~7分ぐらいだったからすんなり締めに入るだろうと高を括っていたのに、いたのに……。

 消滅直前のリメルの最後の一矢がアオイさんを貫いてしまった。
 プロセスは異なるけれどこれが前回記事で書いたライエル編展開②、詳細記載していなかったけどアオイさんが死ぬ展開のことである。
 やるのか、これをドラマでやってしまうのか、これをやるってことはウイングマンのオリジナルのラストの展開を使い切ってしまうということで、続編展開が難しくなってしまうじゃないか、と本編展開とは別視点で悲しくなってしまった。(後述するがコンプリートガイド本や最終話後の桂先生のツイートなどから、その時はその時で考える(しっかり関与する)ってお話だったのでよしとしようじゃないか)

 この展開で、ドリムノートにアオイさん生き返れ/アオイさんを助けてを描くなら、細かい部分だがノートの後ろから消して・書いてを繰り返して最後に初めのページ(ウイングマンのページ)を消して・書く流れ(手元)として欲しかった。本編見ると前からページめくっていくんだよね。健太(演:藤岡真威人)の表情含めたお芝居で魅せる演出なんだろうけど、漫画の方のこの展開が大好きで大切に思ってる者として残念。描いた/書いた夢を1つずつ消して最後にウイングマンを消しウイングマンの全て消してでもアオイさんの命を願うってのに重さを感じていたから。

 アオイさんが届けられなかった愛の告白のところは良かった。リアタイ時にTVで字幕出してみてた時、とてもグッときた。(配信映像(字幕なし)だけだとしゃべりなのか心の声なのか若干わかりづらかったかも)

 『私、健太のことずっと 大好きだったよ……』

 展開の順番上、漫画版とドラマ版では死にそうなアオイさんと健太の会話が発生するタイミングが違うのだけれどドラマ版も佳き。

ラストとても良かった(地上波版、DMM TV SpecialEnding版)

 漫画もドラマも、ドリムノートの奇跡の?作用で、アオイさんと健太が出会う前の状態への巻き戻し(漫画)、時は戻らないがアオイさんがいない世界線への転移?(ドラマ)で似たような感じだがラストのラストが異なる。

 漫画版では、三次元人体なアオイさんが健太の目の前に現れるが少し顔だしてサヨウナラする流れで、2人の間には会話はほとんどない。
 ドラマ版では、公園で名乗りの練習しているウイングマン健太の所に三次元人体なアオイさんが現れて声をかける→からの、会話やりとりがあってのサヨウナラの流れ。この会話(言葉のラリー)があるかないかでエピローグとしての満足度ないし心の平穏加減が結構違うなぁと感じた。

 小ネタとして、アオイさんのネックレスはプロテクターに付いてたエネルコアのやつでしょうか。これまでネックレスはしてなかったので目に付いたがただのネックレスなのかどうかが何回か観返したけどわからず。

 漫画の方が、基本切なさ(≠悲しさ)をもって終わったと初めて読んだ時に感じていて、ドラマの方は、同じく切ないんだけど少し会話量があることでなんか少し漫画の時より救いを感じたんだよね。結末は何も変わっていないのだけれど。自分の中の話なのだけれど、それがなんだか不思議。

 そして、地上波版では通常通りED曲『yoin』バックでのエピローグ、DMM TVのSpecialEnding版ではED曲がアニメED曲『WING LOVE』になるという!大サービス!これはアニメ『夢戦士ウイングマン』ファンにはうれしいものでしょう。さらにSpecialEnding版では、エピローグ後に、実写でアニメEDを再現した『WING LOVE』映像が流れてこれも良かった。
 漫画読んでないよ!の人・アニメ観てないよ!の人も是非SpecialEnding版も観てほしいですね。アニメED再現だけでなく、漫画のラスト(お別れの最後のカット)が差し込まれていて、漫画の方で描かれていた健太とアオイの最後の離別時の世界観・空気感が補完されていると思う。

『yoin』で観るか『WING LOVE』で観るか(エピローグの読後感の違い)

 『yoin』バックのエピローグと『WING LOVE』バックのエピローグかでドラマ『ウイングマン』の読後感がかなり違って感じられた。
(本だと読後感って言葉があるけど、映像作品の場合は何ていうんでしょうね。鑑賞後感?なんかしっくりこないね)
 観た順序でいうと地上波版(テレビリアタイ)→SpecialEnding版だが観た順序で感想違ったわけではなさそう。

 先にSpecialEnding版『WING LOVE』でのエピローグについて。これは『WING LOVE』を知ってる(聴いたことあるか)どうかで印象は違ってそうだけど聴いたことある(好き)な私の印象としては、アオイさんが去っていくラストなんだけどなんだか少し明るい印象を受けた。切なさの先に「きちんと健太にお別れできた。良かった」みたいなわずかな喜び?みたいなものを感じられた。どことなくすっきり終わった感じを受けた。優しく爽やかな曲調がそうさせたのかもしれない。

 で、地上波版『yoin』でのエピローグについて。これは毎週毎週切なさをブーストさせていた曲で、アオイさんが去っていくラストに「出会うことはもうできない、離れなければならない」といった切なさを前面に感じた
 この物語は健太と離別することになったアオイの切ない物語であるというように……。
 『yoin』が残す余韻が物凄いのよ。エピローグでアオイが健太と会話するシーンのアオイの表情=加藤さんの芝居がめちゃくちゃいい。少し涙というか悲しさをまとった目の演技と話しぶりがめちゃくちゃ刺さりました。

健太 「~特撮ヒーロー好きなの?」
アオイ「いや、私が好きだった人がすごく好きで…」
健太 「~知り合いになりたいな。どんな人なの?」
アオイ「(溜め)…そうねぇ。 正義の味方かな(振り返り離れていく)」

最終話エピローグ部分より

 観た方によっても、私のように差異ある形に感じられた方もいるだろうし、同じに感じる方も多くいるのかな。このラストについては語り合いたい部分なので、是非みなさん地上波版(通常ED)もDMM TVのSpecialEndingも両方観てもらいたいです!

全体感想

とにかく実写『ウイングマン』は大成功でしょう

 漫画やアニメの展開から変更となった部分がいくつもあるが、桂先生ご自身が変更検討(考証)にも携わられていて、無論制作側もその期待に応えた結果、筋の通った物語になっていて非常に良かった。駆け足気味になってしまったことは残念に思うけど仕方ないのかなと思う。時間をかけるためには今以上にお話や展開を削る箇所が出てきてしまうから、それはそれで消化不良で別の不満となりそう。

 そして、すべては素晴らしい演技をしてくれた俳優陣とその俳優陣をアサインしたキャスティングだと思う。本当にすべての役者が素晴らしかった。 
 健太役の藤岡真威人さん、夢アオイ役の加藤小夏さん、本当に素晴らしい。加藤さんでなければ、少し年齢設定上がりさらに実写ドラマとしての恋愛模様などアオイの情景が成立しなかったんじゃないかな。ウイングマンファン・視聴者として大感謝である。
 お色気重視な漫画版のファンの方には届かないと思うが、ヒーロー物語やちょっと恋愛など人間物語の部分にウイングマンの魅力を大きく感じている漫画版ファンの人でドラマ未視聴の方々には是非観てください・絶対大満足しますよと勧められる。

主題歌(OP)良かった!(BLUE ENCOUNT『chang[e]』)

とにかく健太の歌でしたね。良かった。

「全部失っていいよ護るために」
「この愛でどんな願いも叶えて」

EDはとにかく大優勝してた!(Nowlu『yoin』)

どハマり。ずっと聴いている。
EDの入り方といったドラマ映像と曲の組み合わせの良さがかなりかなり加点になっているが2024年の良かった楽曲(買った楽曲)の上位に入る。
この『yoin』がドラマ『ウイングマン』の雰囲気の骨格を作っていたように思う。アオイさんの切なさがこの物語にはずっと流れているよね。

「捻れた世界で落ち合う約束くらいしておけばよかったな」

補完活動(コンプリートガイド本や最終回後のSNS投稿、WEB記事読んで)

 まず、コンプリートガイド本ですが、最終回後半の展開は記載されていなかった。これだったら先に読んでも大丈夫だった。

 かなりコンプリートガイドな内容になっていて、企画実現までの経緯も書かれていたし、キャスティング(健太・アオイ・キータクラー)についても言及されていた。そこの部分読むと、本当に藤岡真威人さんとの邂逅、加藤小夏さんがアオイのオーディション受けてくれたことがドラマ『ウイングマン』の企画が大成功に向けてドライブしていく流れとして重要な要素を持っていたと思われる。
 オーディション応募した他の俳優さんでアオイっぽい(抽象的な表現だけど)はどれくらいいたのかしらね。アオイさんが好きなのでアオイさんに合いそうな俳優さんは気になる気になる。

最後に続編に向けて

 最後の最後に悪の帝王の台詞で締められた結果、あぁライエル編を展開させることも可能だぞという余韻が残されましたね。
ライエル編をやる場合は、ほぼオリジナルになるかと思いますが是非実現してほしいです。スケジュールの調整ができそうな内に早めに実現されるといいな~~。コンプリートガイド本やSNSでの投稿でその時(続編)にはまたしっかり考えるとの桂先生の表明もあったので安心して楽しみたい。

あぁ、こんなにアニメ化や実写化で幸せになれたことはなかったかもしれない。ドラマ(実写)『ウイングマン』最高でした。

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紙村鼬
雑文。カテゴリ整理中。

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