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心窩部不快感を訴えたら妊娠?って聞いてきたあいつを絶対に許さない話
突然ですがGGI:ジェンダーギャップ指数について
日本は何位かご存知でしょうか?
これはざっくりいうと男女が平等かを経済参画、政治参画、健康、福祉、の面から数値化したもので、
2024.06の発表では118位/146か国中だそうです。
全然ダメじゃん。
私が生まれた頃には日本って先進国だったはずだし、G7とかにも入ってて、海外の方にも人気で素晴らしい母国、のはずなんだけど、
全然ダメじゃん!
女性外科医として働いてみると
ジェンダーギャップについてはものすごく感じることが多いので経験を混ぜて書きます
表題の、心窩部不快感ウンヌン、の話に戻りますが
当時、私は20代後半。
その組織で1番マンネでした。
※マンネ:1番年少者 (韓国語)
例:ジョングクは黄金マンネだ、
(意訳:ジョングクはBTSの中で最年少だけどなんでもできて最高なんだぜ!)
どこの外科かは🤫ですが、とにかく外科。
当時のメンバーは女性約1割でした。
しかも、マンネかつ女性は私だけ。
わたし、甘くみてたのです。
男の妬みそねみ僻みを。
はっきり言うとわたしはそこそこ、立場のある方達から評価頂いていました。
もちろん、わたしのことを女というだけで雑魚扱いしてくる人も一定数いましたが。
頭がキレて、見た目も悪くない(多分)、会話もそこそこ弾む部下は誰だって可愛いもんでしょう。(あざす)
下心が何%あったかはわかりませんが仕事の能力を評価しようとして下さった方や、任せようとして下さった方もいらっしゃいました。
結局のところ、組織において決定権のない性格悪い男が1番めんどくさい
当時、シフトを組んでいたのは、
少し学年が上の先輩方でした。
※大学病院だったので、本院以外にも外勤先があり、その当時のメンバーで分けて行っていました
少し学年が上というのがミソで、
どこの世界もそうかもしれませんが、
1番脂の乗った時期の方よりも、立場のある偉い方よりも、若手ほどイキりたくなる人が多いのです。
いますよね、居酒屋とかで、
新入社員に大きな声で語ってる二十代後半。
あの時の先輩方の年もいつのまにか超えちゃった今となっては、あんな調子乗った若造、夜の街でコテンパンにされたらいいのに、とおもいますが。
当時の私はマンネ、
やられっぱなしでした。
色んなことができると思い込んでしまってるめんどくさい男たちVS
ちょっとおじさんに可愛がられていい気になってんじゃねぇのかマンネ女医(いい気になってなどいない)
の構図ができてしまったのです。
本院の当直のシフト、土日のシフトを司る男と、
外勤のシフトを司る男は少し上の学年。
ちょっとできる気になってる性格の悪い男たちは、組織の規定としてマンネと同じ仕事をしないといけないにしても、経験のある自分たちが助けてあげよう、ではなく、少しでも先輩ヅラをし、後輩にはより多くの仕事をさせたがるのです。
具体的にいうと、
本院以外の仕事も多い為、当番以外来なくていいはずの土日に、私が当番の場合は自分の仕事を全て任せるのに対し、自分が当番のときは私に出勤を強要する、
本院のカンファレンスの都合に合わせて余裕のあるバイトを自分たちに当て、私には時間がタイトでしんどいバイトを当てる、など、です。
彼らに毎日コテンパンにやられてしまい、
マンネで経験が浅いゆえに仕事が遅かったり、
ご迷惑をおかけしたこともあるかとおもいますが
それを
やる気が〜とか、勉強意欲が〜、とか、
そんなんだから外科医向いてない〜とか、
指導と騙って人格否定的な言葉を遠慮なく浴びせてくる人々でした。
どういうわけか1番きついシフトを組まれていた私。
彼らと仕事を始めて2ヶ月で血便が止まらなくなりました。
彼らのおかげでなのか?身体がしんどいせいか?
精神的にも冷静さを欠いていたのか、
ちょっと休めば治るかも?を続けてしまった&
なぜか私には自由時間がなかったせいで、
症状が出てから3ヶ月、検査も治療もできなかったのです
(結果は見事に潰瘍性大腸炎でした)
血便が2ヶ月ほど続いたある日、
最近めちゃくちゃムカムカするなぁ、、
(血便についてはもう存在を消してしまっていた)とICUの片隅で気分が悪くなっていた私、
ムカムカするんです。。。
と絞り出しました。
『え、妊娠???』ニヤニヤ
ちなみにこれを発したのは私よりたった3学年上、当時30歳になるかならないかの先輩です。
お前らに毎日やられて血便が止まらんのじゃ
お前らが都合の良いシフトを組むせいでわしには休みがなくて検査も行けんのじゃ
なんて当時の私には言えなかった。。。
おまけに、妊娠と絡めて、わたしが可愛がっていただいていた少し立場のある先生との不倫(もちろん事実無根)を仄めかすような発言まで複数名でする始末。
忘れてしまいそうな事実ですが、彼らは全員医師です。
全てを飲みこみ、妊娠?という言葉にも、
その方との関係について仄めかす言葉にも、
ヘラヘラ、違いますよぉ、としか言えなかった。
当時の自分をぶん殴ってやりたい。
その年は散々でした。
結局、満を辞して組織の中堅責任者に諸々を相談するも、握り潰されてしまいました。
あいつら絶対ゆるさねぇ、
それからずっと思っています。
彼らが中堅になり、決定権を持つ立場になっていき、また歴史は繰り返されるのでしょう。
組織の風通しってどうやったらできるんだろう。
セクハラ、パワハラ、令和になっても無くなってないし。女性として社会で生きていくことの難しさを痛感するばかり。
わたしが外科医として見た世界は
ほんとに狭い世界だけれど、
ジェンダーギャップ指数が表す
日本の意識の低さは、
きっと外科医の世界以外も多くの業界で女性が正当に評価されていないことのあらわれでしょう。
あの頃のわたしのような後輩がいたら、
すぐに手を差し伸べてあげたいな、って
あなたは間違ってないって自信持って良いんだよ!って言ってあげたいと、
ずっと思っているんだけど、
いまは、そんな組織と少し距離を置くことで自分の心と身体を守っているのがやっと。
とにかく謙虚に、常に学び続ける気持ちで生きていきたいよな、って思うんだけど、
謙虚さって相手をみてやんないと、
バカにされるよな、とも思うし。
本当に社会で生きていくって面倒くさい。
いつか、まともな感覚を持った人間が
安心して社会で活躍できて、それが当然なんだって心の底から思える社会になってほしいですね。
パワハラ、セクハラもともかく
実はわかりきってたことではあるけど男女って身体の作りが違うので、どうしても同じようにできないことも多々あるのです。
相手の立場を互いにほんのすこし、
1ミリずつでも想像して思いやれたら、少しは優しい世界になるのでは、と
こんなことを夢見るわたしは、
まだまだ甘いのでしょうか???
(つづく)