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令和7年に読む『ベルサイユのばら』【8】
この記事では、1972年から連載が開始されたマンガ『ベルサイユのばら』(作:池田理代子)を読んでいきます。巻数は、全部で14巻です。本作が少女マンガ史においてどのような位置にあり、どういった評価を受けているかなど、あまりよくわかっていません。ほとんど予備知識のない状態で接した『ベルサイユのばら』がどのような作品であったかを、ありのままに記録していこうと思います。
8巻「神にめされて…の巻」
7巻でついにオスカルと精神的に結ばれたアンドレ
この関係性について言いたいことは多々あるが、「幸せならOKです」の精神で応援しようと思う私であった
そして8巻ではさっそく性行為に興味を示すアンドレだ
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欲望があふれでてくるアンドレだよ
やっぱりアンドレちょっと怖いんだよな〜
また8巻のタイトルは「神にめされて…」であり、控えめにいってもアンドレに召されフラグが立っている気がしてならない
もしここでオスカルが性行為を許せば、その後に死がやってくるような気がするのだ
オスカルの精神的な愛を得た代償は失明だった
オスカルの肉体的な愛を得た代償は……
一方、革命は進行しており、オスカルは兵を向かわせなくてはならなかった
アランはアンドレの目が見えないことを知っており、ついてくるなと伝える
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しかしアンドレの意思は固く、命の危険をともなう場所へと向かうことになった
民衆は一触即発、国王の軍隊とにらみあっており、いつ戦闘状態へ陥ってもおかしくなかった
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そしてアランの目が見えない状態のなか、オスカルは吐血が止まらなかった
ふたりとも満身創痍だ
その若さで吐血が止まらないとは、どれだけムチャなお酒の飲み方をしたのだろうか
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さあ、これから国王の軍隊と武装した民衆が対決する危険地帯へと乗り込んでいくオスカルとアンドレ
そして、そんな場所へ赴く前夜、オスカルはアンドレに性行為を許すのであった
ここで行為が行われたら、アンドレは死んでしまうのではないか。ふたりの愛にはつねに代償があるのだから
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そして男らしさとは何かを考えるオスカル
このコマはとても印象に残った
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そしてふたりは、性的に結ばれたのであった
わりと直接的に性行為している様子を描いたコマもあるのだが、私はむしろ、ふたりの愛が以下のように比喩的な絵で表現されるのが興味ぶかかった
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もはや神々の交歓とでも呼ぶべき聖なる瞬間だ
しかし、これって退場フラグではないか
だってもうあと死ぬしかないような気がするぞ〜、アンドレ
この、歴史と個人の愛がつらなりあう関係性の強烈さよ
その頃、フランスはとてつもない緊張感のなかにあった
民衆は武装して集まり始めている。あらくれ兵隊は前進だ
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できれば戦闘は避けたいオスカルだったが、国王の軍隊が民衆から石を投げられ、反撃で銃を撃ってしまう
1発でも撃ったらやり返すと決めていた民衆たちは、ついに反撃を開始
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そして暴動が発生。町は大騒ぎになってしまった
あわてて現場へ急ぐオスカルであった
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さて、ここで兵隊は立場上、国王の側に立って民衆を攻撃しなければならなくなった
そんなことができるのか
オスカルは、自分たちは民衆の側につくと宣言、貴族の称号を捨てて民衆と共にたたかうと決め、隊にそう伝えた
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平民で構成された隊は、自分たちの仲間である民衆に銃を向けることができないし、みな民衆と共にたたかうことに意義がない
オスカルは父親が言っていた通りの「むほん者」になってしまったのだ
むほん者となったオスカルは進撃を指示
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銃撃戦は激しさを増す。みな必死にたたかっていたが、オスカルが銃で狙われ、アンドレがみずからの身体を盾にしてオスカルを守る
あーやっぱり、アンドレが撃たれてしまった
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やはり昨晩の性行為が原因ではないか
契りたい気持ちをがまんできれば、退場フラグも立たず、生きていけたのではないか
オスカルとアンドレの愛は、すべてが生きるか死ぬかというハードな選択の上に成り立っているんだ
『ベルサイユのばら』ではかなり出番の多かったキャラクターがついに退場である
失意のなか苦しむオスカルであった
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そしてアンドレを見送るオスカル
さようなら……
私はちょっとアンドレ苦手だったけど、こうして急に死んじゃうと、いままでの感想で悪口っぽいこと書いちゃった罪悪感も生まれてきちゃうな
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ついにアンドレ退場。愛する者を失った喪失感に苦しむオスカル
やはり『ベルサイユのばら』の恋愛って本当に激烈な、命がけの人間関係なので、すごいと思っちゃうな
一方、バスティーユという場所にある大砲が民衆を狙っているとの報告あり。人びとは大騒ぎだ
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こうなっては急がなくては。オスカルは隊をバスティーユへ移動させる
ここで大砲を撃ったりしたら、本当にたいへんなことになってしまう
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あわててバスティーユへ向かうオスカル
もうアンドレはいないのだな……という喪失感を抱えているぞ
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状況は一変、8巻は血なまぐさい戦闘の連続だ
あいさつバトルしてた1巻が懐かしい
バスティーユを明け渡すよう伝える平民
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ところが大砲から民衆を狙って弾が発射され、戦闘状態へ
そしてバスティーユでも激しい戦闘が開始
フランスはもうめちゃくちゃだ!
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オスカルも民衆側に立って果敢に指揮
バスティーユを奪う銃撃戦が始まったぞ
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他のマンガに出てくる戦闘シーンは、勇敢に見えたりするけど、『ベルサイユのばら』の戦闘は悲惨でおそろしいものに見えるのが特徴的だ
オスカルの、銃など撃ちたくないという気持ちが根底にあるのが伝わってくる
こうして戦闘していたら、なんと撃たれてしまうオスカル
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撃たれたオスカルを助けるのはロザリーであった
傷の治療係として手伝いに来ていたのだった
吐血の件もあるし、健康状態に不安が残るオスカルであった
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そしてついにバスティーユが白旗を掲げて降参
たたかいは終わった
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ついに平民が勝利した
世の中が完全にひっくり返ってしまったのだ
あわてる貴族だが、ルイ16世は「ただの暴動」としか思っていない
周囲から渾身のツッコミ
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こうしたフランスの異変を察知したフェルゼンは、あわててフランスへ向かっていた
オスカルは親友だが、マリーのことは愛している
そしていま、オスカルとマリーは反目する立場に立ってしまった
引き裂かれるような思いでフランスへ急ぐフェルゼン
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フランスは新体制を作りつつあった
市長が変わり、軍隊が変わり、人権宣言が採択された
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こうなると困っちゃうのは旧体制側の人びとだ
なにをされるかわからないので、ひとまず逃げる貴族であった
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どんどん周囲から人がいなくなり、取り残されたマリー
ひとりぼっちになってしまったが、そこへあらわれたフェルゼン
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そんな中、「食べるものがない」とブチ切れた女性の集団がマリーに襲いかかってきた
まぁ、マリーはさんざんムダ使いしたからな〜
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食べるものがない国民
もうマリーを殺る気まんまんだ
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迫ってくる民衆。どうすればいいんだ?
売女、めす狼とさんざんに罵られたマリー、絶対絶命
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ここでマリーは、ベランダに出ておじぎするという謎の作戦に出た
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すると、なぜか一気に盛り上がってしまう民衆
鎌で首をちょん切るんじゃなかったのか
わりとミーハーなところのある民衆であった
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マリーは白目&カリスマ性でピンチをしのいだ
あぶなかった〜〜
ところがである。こんなおじぎをしつつも、マリーは大胆な案を練っていた
国民を支配するのは自分だ、革命をなかったことにすると気合を入れ直す
こんなことができるのか
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しかし勉強ぎらいなマリーだから、採択された人権宣言に目を通しているかどうかすら怪しい
そしてマリーが君主制に戻そうとすれば、オスカルと対立する立場に置かれてしまう
いったんルソー読んでくれマリー!
そんな不安を抱きつつ9巻へ
8巻の感想
ついに革命が起こってしまった
もうフランスの町は大混乱、マリーとオスカルが敵同士になってしまった
そしてアンドレの死。死んじゃうとなんか申し訳ない気持ちになる私
アンドレ、浅間の鉄球とかいってゴメンね
フェルゼンも戻ってきたが、マリーはしだいに人民の敵、パブリック・エネミーになりつつある
歴史ドラマとしての重厚さが増し、スケールの大きな物語になってきたぞ
あとナポレオンはいつ出てくるんだ?
さらなる不安を抱えつつ9巻へ