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令和7年に読む『有閑倶楽部』 【15】
1981年から連載が開始された少女マンガ『有閑倶楽部』を1巻から読んでいきます。作者がどのようなマンガ家なのか、この作品は有名なのか、少女漫画史でどう評価をされているマンガなのかなど、まったく知りません。何の知識もない、ほぼ真っ白な状態で作品と接した感想をそのまま記録していこうと思います。
有閑倶楽部 15巻
34話。お楽しみのホラー回。夏休みの旅行という設定だ
温泉旅行へ出かけた有閑倶楽部
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温泉旅館を舞台にした、少女の失踪と怪奇現象が描かれる
ホラー回は、剣菱には霊感がある、という設定を覚えておいてください
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みんなで温泉に入っていると、怪しげな声が聞こえる
剣菱以外には聞こえないのであった
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有閑倶楽部は、何のジャンルか途中までわからない感じで進んでいくんだけど、途中で「アッ、今回はホラーだ」と気づく瞬間がある。そこがいいんだよね
少女が助けを呼んでいる。ここから過去のできごとを調査する流れに
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タイミング的に「お盆」というのをストーリー内に組み入れているぞ
これは「りぼん」掲載時に夏で、季節的にちょうどいいテーマを入れたということなのかな
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そして過去の経緯へ
出ました〜身代金。有閑倶楽部はすぐ身代金が要求されるマンガなんだ
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失踪した女の子の生死は不明。しかし生存を信じているお父さんであった
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自分の存在を知らせる女の子のゆうれい。このあたりの描写もうまいというか、半透明な感じを絵で表現してるのがいいんだよね
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そして真実の判明! 女の子に手をかけたのは旅館の女将であった
ちなみにこれは女の子のゆうれいからの情報提供です
どうする有閑倶楽部
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そして事件現場の湖へボートで向かう一行
ついにクライマックス、ゆうれいの反撃だ
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お盆、ということで和風なテイストのあるホラー、なおかつゆうれいの女の子に対する思いやりも感じられてGOOD
やはりホラー回は当たりが多いぞ
35話。バレエがテーマ。いやー多彩。よくいろんなテーマを持ってくるなと感心
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15巻の発売は94年。連載中にソ連が崩壊したのであった
こんなに何年も経っているのにまだ高3ってなぜ? というツッコミを封じる一条先生
そんな中、バレエダンサーが練習しています
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そして誘拐。有閑倶楽部は、マクドナルドの期間限定バーガーが発売されるのと同じ頻度で、誘拐が起こるんだ
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ついに劇中で携帯が出てきていた。この巻の発売が94年だから、たしかにそろそろ出てきてもおかしくない。時代の流れ感じる〜
誘拐された女の子の探索。定番の格闘、大暴れがあって、誘拐されていたバレリーナ発見
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ロシアの女性格闘家、腕に被弾しつつも敵を倒す(※「りぼん」掲載の少女マンガです)
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誘拐事件は無事解決
女性格闘家のあまりの強さに硬直する一同
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なぜか講談風に締めるのであった
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そしておまけの短編「愛でなんか死ねない」。女性らしい容姿を求められるモデルの女性が、髪を切って自分らしさをつかんでいく……という話。「女らしさ」への対抗、というテーマがよかった。
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とはいえ同性愛描写はあまり得意ではない一条先生であった
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15巻感想
時代が変わってくるのを感じた。ソ連は崩壊し、作中人物は携帯を使い出した
ああ90年代
1巻を見返すと、絵のタッチも変わってきている
あと4冊、どんな時代の変化が見れらるのか楽しみだ