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『劇場版 昨日なに食べた?』『アイス・ロード』

『劇場版 昨日なに食べた?』

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テレビドラマの映画化ですが、ドラマや原作マンガはまったく知らない状態で見ました。同棲中の恋人同士であるシロさん(西島秀俊)とケンジ(内野聖陽)が、手の込んだ料理を作って一緒に食べたり、京都へ旅行しに出かけたりするラブストーリー。劇中の設定として、シロさんは倹約家で料理が好きといったディテールがあるのですが、これらはきっとドラマや原作から引き継がれたものと予想します。また劇中、料理のレシピを紹介して、調理場面をていねいに見せる演出があるのですが、こちらも同様だと思います。料理を作って食べる場面が多いのはとても好きでした。

非常によかったのは、京都旅行でふたりが夜にお寺へ出かける場面。かなりぜいたくに照明を使って、お寺の美しさを幻想的に演出しており、ここは撮影にお金もかかったショットでしょう。クレーンを使ってカメラを持ち上げてみたり、木々にさまざまな色の照明を当ててみたりと、「ふたりが旅行した京都の楽しい思い出に、映像としての説得力をもたせる」という制作者の意思を感じる場面でした。演技面では内野聖陽の独壇場で、彼が西島秀俊への愛にあふれて身動きが取れなくなるといった感情表現にはコミカルさもあり、内野がなにかすれば大抵おもしろい場面になっていました。料理を食べた際の内野のリアクションもユーモラスで、自炊したいなと思わせてくれる映画です。

『アイス・ロード』

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リーアム・ニーソン主演のサスペンス。アメリカではNetflixの配信ドラマだったようですが、日本では劇場公開されています。主人公のマイク(リーアム・ニーソン)はトラックの運転手として働く男性。鉱山の爆発事件が発生し、地下に閉じ込められた作業員を救出するためには、数十トンの重さの装置を運ばなくてはなりません。地下の酸素がなくなってしまうまで30時間。最短距離で装置を運ばなければ、26人の作業員はみな窒息してしまいます。作業員の命を救うため、凍った湖の氷上をトラックで爆走するという無謀な賭けに出たマイク。トラックで装置を運ぶチームの一員となったものの、そこにはどうやら多くの人の思惑が絡んでいるようでした。

「凍った湖の氷上をトラックで走る」という基本設定がおもしろく、いつ割れてしまうかわからない氷の上のスリルが効果的です。意外にユルめの脚本が印象的な本作では、何度やっつけてもよみがえってしまう悪役など、スリラーというよりコントに近い展開があったりして、それもまたよいものでした。私はこの映画を金曜の夜に見たのですが、金曜の夜というのは映画に対するハードルがそこまで高くなくて、とりあえず登場人物が元気に動いてたまになにかが爆発していれば、それで楽しくなってしまうものです。劇中で登場する主要キャストが思いのほか早く退場してしまうのも、「ギャラ的に拘束できる撮影日数が少なかったのかな」と余計な詮索をしてしまいました。また、劇中で自分勝手な態度ばかりする悪役が、いきなり「トリアージする!」と言い出す場面があり、私の「政治家でも誰でも、トリアージ理論を主張する奴にロクな人間はいない」説がまたひとつ裏付けされた気がしました。

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