癒しの路線
5年前の秋。山形鉄道フラワー長井線。
赤湯駅~荒砥駅を約1時間ほどで繋ぐ、1車両のみのローカル線。
動き出すと、窓外には田園風景が広がる。
目に映るのは、ススキ、南天、山、畑…
そして遥か遠くには、見事な色鮮やかな紅葉。
徐々に意識が大自然の中に吸い寄せられていく。
あらゆる事から解放され、自然の中に溶け込んでいくような感覚に。
いつまでも続けばイイと、夢うつつになる。
けれど眠ってしまうのはもったいない。
どっちを向いても大自然。
時々、駅で停車。
乗客は少なく、のんびり、ゆったり。
そして見えてきたのは最上川。
やがて遠くから「まもなく終点、荒砥。」と山形弁で車掌さんの声。
『これで終わりか…』と少しずつ現実に引き戻される。
約1時間の癒しの旅。
降りた後も、余韻が残る、今までで一番癒された路線。
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