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JMoF2023クリコンに出した着ぐるみの制作過程備忘録と自主制作全般について思っていること。
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今年のJMoFクリエイターコンテストに私が出した着ぐるみ(レジ)にはこんな獣人に傍にいて欲しい!という私の気持ちを詰め込めるだけ詰め込みました。
大前提として、個人自主制作で何処に一番の重きを置くかは制作者にしか決めることは出来ませんが、私個人的には制作物完成品をイメージしてそれを自分が所持していて心地が良いかどうかを重視すべきだと思っております。
その為、他の方のケモノ着ぐるみとは作風が大分異なっておりますのでその点ご了承くださいませ。
まず、この着ぐるみにおいて一番わかりやすい特徴は何か。また、それを強調させる表現は何か。
を決めます。
今回のレジの場合、
(焼けて爛れて)皮膚が剥き出しになった口周りとアニメにおいての人間のような表情。
その為の
歯と歯茎が露出するレベルでの口角の上げ方。
それに伴う歯の食いしばり。
それらの表現を端的に分かりやすくする流血表現。
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をイメージしてから取り掛かります。
ヘッドベースモデリングに関して
これらを纏めるには専用のヘッドベースが必要になりますが、二面図スケッチとBlenderで作れます。今回の場合、表情はモデリング段階で大体が決まってしまうのでかなり大げさに行います。3Dプリンターでの出力後に樹脂粘土で唇を作りそれに伴い口の裂け方が小さくなるのでモデリング段階ではオーバーに表現しておくことが重要になります。
また、レジの場合は火傷を負っているので直線的な口の裂け方ではなく口のところどころに若干の熔けたような垂れさがり方を作りました。
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歯について。
同じく二面図とBlenderのSculptで作ります。
完成時に口を閉じた状態ではしっかりと嚙み合わさり、また開くこともできるようにします。
やり方は、上下どちらかの歯+歯茎のモデルを作ってから次はもう一方を他方と噛み合うように作り、あとはモデファイヤーのブーリアン差分(正確)で上下が確実にパズルのように噛み合うようにします。その後に口を開ける際は上下の歯が干渉しないように再びSculptで上下をそれぞれ削ります。その後にパーツを必要に応じて分割し3Dプリンターで出力します。
またブーリアンを使う際、手作業でしっかり削って調整して手作業でやり切れないところだけを処理させるようする方がエラー吐かないです。
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表情作り。
ベースに樹脂粘土で唇を作り取り付け、エポキシパテで歯を取り付けます。
唇に関しても他の素材の厚みでインパクトが弱まるので、大げさに厚みを付けます。その後は表現したいように好きなだけアクリル絵の具で塗装します。これはパレットの上で色の調整をせずにヘッドベースの上で絵の具混ぜてます。
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レザーに関しても火傷痕なだけに毛穴を表現できるように、また傷の複雑さを表現するために2種類をツギハギに縫い合わせてはシワになるように折りたたんで縫うこともしました。その後フェイクファー生地とも縫い合わせ、口元を強く引っ張りながらシワを再度大きく作り接着します。
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表現したいだけ塗装。容赦なく。
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自分はこの子を好きで作ってるので、塗るというか絵の具しみ込ませた平筆押し付けるという塗装方法でもその結果「ダイナミックでハイ好きーーー!」としかならなかったです。好きなキャラを好きで作っているわけですし。
ちなみに血の塊を表現するため、絵の具をしみ込ませた後はブラシを一切かけません。
レザーや白ファー以外にも首の青ファー、赤ファーにも赤の塗料付けてます。
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最後に。
今回はクリコンに事前に資料を提出した結果正式に受理されたため私はJMoFに連れていくことができましたが、もし受理されていなかったらTwitterで写真を公開ののちに個人オフで出そう。とかそれも出来なくてもうちの警備を任せようくらいの、
この子に居て欲しい!だから作りたい!>このキャラでイベントに出たい!
です。
自分が受け入れてさえいればその子には一番近くに特大の居場所があります。もちろん見た目の刺激が強いことも理解しているので、イベントは会場がほぼ界隈民のみの貸し切りのようなもののみ、それも連れていきたいと思ったら、
事前に主催に直接の確認も取る。
といったことは必ず必要になります。
そういった最低限の配慮を一度でも怠ると、自分の子も、同様の表現の他の方の子ですらも道連れで次というものが無くなります。一度イベントルール内のNGとする項目にそれが上がってしまうと、もうNG自体がほぼ解除出来ないですからね。
ただそれが守られすれば、作りたいものは作っちゃった方が私としては結果的に楽しいような気がします。なんか違うと思ったらリメイクするのももちろん全然ありありです。たとえ自分にだけでも刺さるケモノが一番近くにいてくれるってだけでもかなり大きなものです。